【独自】「私が母でなければ…」山上被告の母が語る後悔 “献金”の実態は? 旧統一教会めぐる2つの裁判の行方【報道特集】

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2025-10-25 19:59
【独自】「私が母でなければ…」山上被告の母が語る後悔 “献金”の実態は? 旧統一教会めぐる2つの裁判の行方【報道特集】

旧統一教会に関わる2つの大きな裁判が始まります。一つは韓国の教団トップの裁判、もう一つは安倍総理銃撃事件です。山上徹也被告の母親が私たちの取材に応じ、事件を振り返って「私が母親じゃなかったら」と後悔の言葉を口にしました。

【写真で見る】「事務所のボード献金ノルマ」2世を苦しめた献金の実態… 旧統一教会めぐる2つの裁判の行方

「宗教2世にとって、良かったのか悪かったのか」山上被告の“葛藤”

世界平和統一家庭連合 田中富広 会長
「信教の自由、家庭の価値を守る、これは民主主義を守る一丁目一番地です」

9月、大阪市内で行われた旧統一教会の集会。東京地裁が2025年3月、教団に対して下した「解散命令」に抗議するもので、約1600人の現役信者らが参加していた。

現役信者
「守ってほしいし、私たちの意見を聞いてほしい、認めてほしいし、応援してほしい」

旧統一教会への恨みを理由に、凶行に及んだとされる山上徹也被告(45)。

2022年7月、奈良市内で演説中だった安倍晋三元総理を銃撃し、殺害した罪などに問われている。安倍元総理が、旧統一教会の関連団体に寄せたビデオメッセージを見て、殺害を決意したという。

10月28日、奈良地裁で初公判を迎える。

2023年2月から大阪拘置所にいる山上被告。面会は4人の担当弁護士と親族などに限られていて、裁判を前に私達は何度も接見を試みたが、全て拒否された。

弁護士によると、手紙の他、衣類や食料品、現金、本などの差し入れが今も絶えず届いている。山上被告は、手紙や差し入れに感謝の言葉を述べた上で、「直接返事もできず申し訳なく思う」などと話しているという。

事件後の旧統一教会を巡る動きについては…

山上徹也 被告
「現在の状況を引き起こすとは思っていなかった。事件を起こしたことが、宗教2世の人にとって、良かったのか悪かったのか分からない。新聞などを読んでいて、旧統一教会問題の解決の難しさを感じます」

献金で家庭が崩壊… 信者家族 「(山上被告を)一人にさせてはいけない」

山上被告の裁判の行方を複雑な思いで見ている人がいる。高知県に住む橋田達夫さん(67)だ。

約30年前、元妻が旧統一教会に入信し、1億円近くを献金するなどして家庭が崩壊。長男(当時36歳)が自殺に追い込まれたと訴えている。

橋田達夫さん
「(山上被告が)やったことは本当に悪いこと。やったらいけないことだけど、ああいう考えを持っている人は、何十人も全国にいると思う」

――山上被告と息子さんに、重なる部分がありますか?
「やっぱりありますよ。お兄さんが亡くなったのが、(長男と)同じ自殺」

亡くなった長男と山上被告は年齢が近く、ともに母親が熱心な信者であることから、事件は他人事ではないと感じているという。

橋田達夫さん
「彼ら(旧統一教会)が本当に我々を苦しめてきた。命が亡くなった人、色んな人が出てきている。(山上被告)一人の問題じゃない。一人にさせてはいけない、出来ることなら、助けてあげたいという気持ち」

“借金を借金でやりくり” 2世を苦しめた献金の実態

また、旧統一教会の元2世信者は…

元2世信者(30代)
「恨みを持った背景には、そこまで人生を追い詰めた、心を追い詰めたということ。要因を作ったのは統一教会だと思っています」

男性の両親は地方組織の元幹部で、両親だけでなく、自分も物心ついたときから献金に苦しめられてきたと話す。

元2世信者(30代)
「(献金は)生まれた時からあった、お小遣いからもしていた。そこから始まって、バイトし始めたのが高校ぐらいから。両親も借金を抱えていて、私も借金を抱えていて、借金を借金でやりくりする異常事態があったり。

僕は実態を知っている。親が責任者でもあったので見てきた。事務所のボードに『献金ノルマ』と書いてある。献金ではないです、それは。本人の意思を尊重した世界を超えてやってきた世界はあった」

「献金で家庭がめちゃくちゃに」山上被告の母語る献金と事件

山上被告の人生に大きな影響を与えたのが、旧統一教会に心酔し、多額の献金を行っていた母親の存在だ。

山上被告は事件後、母親とは面会しておらず、弁護士に対しても母親について言及することは多くなかったという。

警察の取り調べに対しては、「母親が旧統一教会に献金し、家庭がめちゃくちゃになった」と供述していた。

関係者によると、山上被告の母親は1990年代に旧統一教会の信者となった。事件後は、奈良県内のアパートに引っ越し、1人で暮らしている。

なぜ、家庭が崩壊するまで旧統一教会に献金を繰り返したのか。その理由を知るため、私達は母親の自宅を9月から10月にかけて何度も訪問した。

母親は当初、雑談に応じるだけで事件や裁判のことについては口をつぐんだ。だが、訪問を重ねるうちに、徐々に重い口を開き始めた。

母は「私が原因」と後悔口にするも… 事件後 教会への信仰心より強く

山上被告の母親が旧統一教会に入信したきっかけは、「夫の自殺」と山上被告の兄にあたる「長男の難病」だったという。

当時、家族の中で立て続けに起こった不幸に苦しめられていたと話す。

山上被告の母親
「(長男は)命に関わる病気だったから。右目の失明とか、頭の開頭手術とかね。そういうのをしているから、そりゃすごく辛かったですよ。なぜ私の子どもをって。自分の生き方がどうなんだろうって」

そんなとき、近づいてきたのが旧統一教会だったという。母親はその教えを聞いて、なぜ自分の身に悲劇が起こるのか、その理由がはっきりわかったと振り返る。

山上被告の母親
「夫婦の不倫があったり、犯罪があったり、戦争があったり、いろいろするのは、神様から堕落した故に、こうなってきたってことを聞いて納得した。なぜ堕落したのかを、じゃあどうしたらいいかを解き明かしてくださったのが、メシア(=救い主)なんです」

旧統一教会では、メシアつまり救世主が創立者の文鮮明氏であると信じられている。母親が入信を決め、献金を始めた。

山上被告は取り調べの中で、「母親の多額の献金のせいで、難病の兄が十分な治療を受けられず自殺した。自分も大学に行くことが出来なかった」などと供述している。

母親は多額の献金について、今どう思っているのか。

山上被告の母親
「お金のある人はたくさんすればいいし、ない人は別に少しでもいいけど、私の場合はちょっと考えずに(献金を)やり過ぎてしまった」

しかし、事件が起きたのは「献金だけが原因ではない」とも話した。

山上被告の母親
「あの子の心の本当は多分それじゃないと思います。何と言うか、愛の問題だと思う。家族での愛の問題。申し訳ないと思っていますよ。私が母親じゃなかったら、ここまで追い詰めなかったのになと思いますよ」

母親に山上被告に会いたいかと尋ねると、一言「会いたいです」と口にした。そして、事件の後、旧統一教会への信仰心がより強くなったと話した。

――ずっと信仰してこられたにもかかわらず、事件が起きました。信仰が報われなかったとは思いませんでしたか。

山上被告の母親

「宗教自体がそうですけど、何か起こったことに対して、常に自分を振り返るというかね。なぜかっていうのは、自分に原因があるって見ていくので」

――息子さんが事件起こしたことも、お母さんに原因が?
「そうですね」

――安倍元総理が亡くなられたことに対しては?
「申し訳ないと思っています」

――お母さんに原因があるとお考えですか?
「そうですね。私が原因だと思っています」

母親は28日に始まる裁判で、弁護側の証人として出廷する予定だ。

旧統一教会の問題を長年追及してきたジャーナリストの鈴木エイト氏は、犯罪は絶対に許されないとした上で、こう訴えた。

ジャーナリスト 鈴木エイト氏
「(山上被告の)背景に何があったのか。幼少期から母親の信仰によって宗教的な虐待を受けて、最初はその憤りが母親に向いたようだが、次は教団の幹部に向かい、最後は教団と関係を持ってきた政治家に向かった。なぜこの事件が起こってしまったのか、全体像を明らかにしてほしい」

拘置所前には多くの信者 韓鶴子総裁の逮捕で揺れる韓国

もう一つ注目の裁判が来週、韓国で開かれる。旧統一教会トップ・韓鶴子総裁(82)の裁判だ。

2022年、教団元幹部らと共謀し、尹錫悦前大統領の側近だった国会議員に政治資金1億ウォン(約1080万円)を提供したほか、尹氏の妻にブランド品を贈った罪などに問われている。

教団トップの逮捕で今何が起きているのか。今週、私達は韓国・ソウルにある拘置所に向かった。

村瀬健介キャスター
「ソウル拘置所の前の公道にテントを張り、旧統一教会の信者が集まり、拘置所の中にいる韓鶴子総裁のための祈祷集会を開くということです。たくさんの信者が集まっています」

信者たちは、韓総裁に「ホーリーマザー・ハン」と呼びかける。「韓総裁は現政権におとしめられた」などと訴え、釈放を求めていた。

信者
「お母様が勝利なさって堂々と出てこられるよう、私達は心を一つにして『お母様、勝利してください』と130回叫びます」
「お母様、勝利してください」

韓総裁の逮捕後、拘置所前では連日のように信者たちが歌ったり、熱心に祈りを捧げたりしている。

村瀬健介キャスター
「祭壇のようなものもあり、韓鶴子総裁、文鮮明教祖の肖像も掲げられていて、(信者たちが)お祈りを捧げています」

――韓総裁の近くに来て何か感じるか?

信者

「もどかしいし、私たちも辛い。80歳を超えた高齢なのに、小さな部屋に閉じ込められて」

私達が取材を続けていると、話しかけてきたのは教団の関係者だ。

教団関係者
「人を撮らないで。なんで人を撮るの、なんで人を撮るの」

村瀬キャスター
「触らないでください」

教団関係者
「遠くから撮ってください」

村瀬キャスター
「教団の関係者が『撮影するな』と言ってきています。ここは拘置所前の公道なんですけれども…」

韓総裁はカジノで巨額の賭博も… 多額の献金どこへ?内部証言

今後の裁判の中で、教団の金の流れが明らかになることが期待されている。

教団の施設が立ち並ぶ、旧統一教会の本部・清平には…

村瀬健介キャスター
「巨大な施設は合同結婚式が行われる建物です。反対側の山の中腹には、巨大な白い宮殿のような建物が建てられています。この建設のためにも巨額の資金、日本からの献金が使われたということです」

2023年に完成した「天苑宮」の総工費は500億円とも言われている。教団本部で経理を担当していたという元信者の男性が、私達の取材に応じた。

――旧統一教会全体の中で、日本の信者からの献金はどのくらい重要か?

教団本部の経理担当 元信者

「ものすごく重要です。9割の献金が日本からです。韓国内では献金があまりなく、教会をやっと運営できる程度です」

報道特集が入手した内部資料によると、「TD」は日本からの献金を示し2009年以降、韓国に毎年200億円以上が送金されていた。

22日、日本側のトップ田中富広会長は教団のシンポジウムでこう主張した。

世界平和統一家庭連合 田中富広 会長
「日本は確かに韓国に送金してきてます。送金相手は韓国ではなく、韓国の世界本部です。海外に送られるときの資金の名目は『世界宣教支援』ということで、海外に送られているのが現実です」

韓総裁はアメリカのカジノで違法に巨額の賭博を行い、捜査を逃れるため教団元幹部に証拠隠滅するよう指示した罪でも起訴されている。

教団本部の経理担当 元信者
「信者たちは、旧統一教会に集まった献金が何に使われようがそれほど気にしていない。カジノで使われていたことも、よく知らないのではないでしょうか」

元信者の男性は、以前から組織の腐敗を訴えていたが改善されず、最近になって教団を離れたという。

――家庭が壊れた人、全財産をなくした人、そういう日本人被害者に対しては?

教団本部の経理担当 元信者

「韓国の教団は、被害者の救済にお金を使おうとしていない。苦労して献金したと知っているんだから、罪の意識を持って適切にお金を使うべき」

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