英BBC会長が引責辞任へ 米トランプ大統領演説切り取り“視聴者に誤解を与える編集”
イギリスの公共放送BBCは、去年のアメリカ大統領選挙の直前に放送した番組で、トランプ大統領の演説をめぐり視聴者に誤解を与えるような編集があったとの批判を受け、会長が辞任すると発表しました。
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BBCは9日、ティム・デイビー会長が辞任する意向を表明し、ニュース部門のトップを務めるデボラ・ターネスCEOが辞任したと明らかにしました。
BBCが去年10月に放送した看板番組「パノラマ」について、イギリスのテレグラフ紙が今月、入手した内部文書に基づき、トランプ大統領の演説が意図的に編集された疑いがあると報じました。
テレグラフ紙によりますと、トランプ氏は、2021年1月のアメリカ連邦議会襲撃事件の前に行った演説で、実際には「我々は議事堂まで歩いていき、勇敢な上院議員や下院議員らを応援するつもりだ」と発言していましたが、番組では「議事堂まで歩いていく」の後に50分以上あとの「死に物狂いで戦う」という言葉をつなぎ合わせて編集し、トランプ氏が襲撃事件を扇動したと印象付けようとしたということです。
この番組などをめぐり、BBCに対しては「偏向報道だ」との批判が高まっていて、デイビー氏は声明で「いくつかの過ちがあり、会長として最終的な責任を取らなければならない」と述べました。
また、イギリスのナンディ文科相は、SNSで「信頼できるニュースと質の高い番組は民主的で文化的な生活には不可欠だ」と述べ、政府としてBBCの改革を支援する考えを示しました。
BBCの発表を受けて、トランプ氏は自身のSNSに「この腐敗した"ジャーナリストたち"のことを暴いてくれたテレグラフ紙に感謝する。彼らは大統領選挙の天秤を操作しようとした非常に不誠実な人々だ」と投稿。
「"アメリカの最も親しい同盟国"とされる国の人たちだ。民主主義にとってなんと恐ろしいことだ!」と強調しています。