「子どもがインフル感染」医師は家でどう対策?インフルワクチンの有効性は【ひるおび】

TBS NEWS DIG Powered by JNN
2025-11-21 18:22
「子どもがインフル感染」医師は家でどう対策?インフルワクチンの有効性は【ひるおび】

子どもを中心に感染が拡大

インフルエンザによる学級閉鎖・学年閉鎖は10月の下旬から急激に増加し、11月に入っても増え続けています。
東京都の感染者の年齢別の割合(9月1日~11月9日)を見ると、10代までの感染者が8割を超えています。

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0歳~19歳:80.6%
20代:5.6%
30代:4.2%
40代:4.9%
50代:2.6%
60代:1.2%
70代以上:0.9%

ひなた在宅クリニック山王の田代和馬院長は、「学校は集団免疫が少ない子どもたちが集団生活を行うので、どうしても感染を広げてしまう。次のステップでの“家でのケア”が重要」と話します。

医師の子どもがインフルに感染 どう対策?

田代院長のお宅でも、3人の子どもがインフルエンザに感染してしまったといいます。
最初に7歳の長男が11月10日に感染し、その後3歳の次女・3か月の次男が感染。それぞれ抗インフルエンザ薬などを服用し、3~4日後に回復しました。
田代院長と妻は、感染しませんでした。
※院長は10月10日、妻・長男・長女は11月7日にワクチン接種

恵俊彰:
先生がまず気にされたのは、子どもから子どもに感染してしまうパターンでしょ?

田代和馬院長:
そうですね。一番避けたかったけども、それはもう無理かなと正直思ってましたね。

恵俊彰:
子どもたちはずっとマスクしていました?

田代和馬院長:
いえ、やっぱり促してもなかなか難しいですし、それで追い詰めてしまってもかわいそうなので、他の子に症状が出たときにすぐ対策をしようと意識を変えました。

田代家での感染対策を教えてもらいました。

≪食事・水分摂取≫
・食事のタイミングをずらす
・消化の良い食事を心がける
・こまめに水を飲む

田代和馬院長:
ウイルスはのどや鼻の粘膜から入ってきますので、ウイルスが入りやすくならないように潤すことをいつも意識しています。
少なくとも30分に1回、一口分の水分をとります。
寒い時期はどうしても飲む水の量が少ないので、乾燥を感じる前に潤すということを心がけています。

≪換気≫
窓を5~6cm開けて換気
寝るときは開けっぱなし、日中は30分おきに換気

≪シャワー≫
子どもと一緒に入るときは、顔が向かい合わないように後ろからシャワーで汗を流す

≪手洗い≫
タオルを人ごとに分ける

≪就寝時≫
・感染者との距離は50cm~60センチあける
・顔を反対方向にして寝る
・窓を開けて換気
・加湿器で55%~60%をキープ

・マイボトルで水分補給

田代和馬院長:
やはり湿度を適切な状態にするということと、できれば換気も心がける。
一番ウイルスにとって広がりにくく、生存しづらい環境ですので効果的です。

研究でも、インフルエンザウイルスは湿度40%未満では半数以上が生き残るのに対し、湿度50%では大幅に減少することが分かっています。

コメンテーター 副島淳:
換気すると、部屋が乾燥して湿度が下がってきちゃうんですけど、同時にやった方がいいですか?

田代和馬院長:
個人的な考えとしては、どちらか優先するのであれば「湿度」だと思っています。

弁護士 八代英輝:
各部屋に湿度計などを置いておいて、どれぐらい下がっているか確認できるようにした方がいいですね。

ワクチンは何のために打つ?

田代和馬院長:
よくあるのは、「ワクチンを打った年に限ってインフルエンザにかかっちゃうから、打つかどうか迷ってる」という声が非常に多いんですけども、ワクチンには二つの効果があって、一つは「発症予防」、もう一つは「重症化予防」です。
例えばワクチンを打って、適切な免疫反応を起こしてウイルスと戦えるのは、ワクチンを打っていたことで得られるメリットなわけですよね。その結果熱が出たりいわゆる発症してしまうことがあるんですけども、極端な話、それで死亡してしまうような可能性を減らすという意味では非常に意義がありますので、ワクチンを推奨しています。

≪インフルエンザワクチンの効果≫(厚労省HPより)
・十分な効果を維持する期間は接種後約2週間~約5か月
・インフルエンザのワクチンは発症を完全に抑える働きはない
・最も大きな効果は肺炎や脳症などの「重症化」を予防すること

田代和馬院長:
発症自体を抑える効果は50%か60%ぐらいと言われているんですけども、重症化に限っては特に死亡率などでは80%ぐらい予防できるのではないかと期待されています。

5歳以下は要注意 インフルエンザ脳症

インフルエンザ脳症は、感染後に起こる重篤な脳の合併症で、発熱後24時間以内にけいれんや意識障害などがおこります。
その後全身の臓器障害、心肺停止となることもあります。主になるのは5歳以下の乳幼児とされています。

田代和馬院長:
特にリスクの高いお子さんや基礎疾患をお持ちの方は、やはり迅速に診断をして治療するということがとても大切です。

(ひるおび 2025年11月20日放送より)
==========
<プロフィール>
田代和馬氏
ひなた在宅クリニック山王 院長
在宅医療と新型コロナの診療を担う

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