アメリカ・ヨセミテ国立公園でクマ対策に厳格ルール 徹底した食べ物管理や“最大78万円の罰金”も 背景に『過去への反省』

TBS NEWS DIG Powered by JNN
2025-11-24 17:13

日本ではクマによる被害が相次いでいますが、アメリカのヨセミテ国立公園では過去への反省を踏まえ、世界的にも厳格な対策が取られています。

【動画】アメリカ・ヨセミテ国立公園でクマ対策に厳格ルール 徹底した食べ物管理や“最大78万円の罰金”も 背景に『過去への反省』

記者
「美しい景色の広がるヨセミテ国立公園です。年間400万人もの人が訪れますが、クマ対策に関しては厳しいルールを設けています」

アメリカ西部に位置し、東京都の1.5倍に相当する園内には500頭ものアメリカクロクマが生息しています。クマ対策チームが設置されていて、GPS信号などを使い、クマの行動を監視しています。

クマ対策チーム エリン・デグータスさん
「この辺りにはどんぐりなどのエサがたくさんあります。近くにピクニックエリアがあるので、警戒しています」

人が集まる場所にクマが近づいている場合は、現場で目を光らせます。その際に欠かさず行われるのが…

クマ対策チーム エリン・デグータスさん
「食べ物の管理には気を付けてくださいね」

食べ物の管理徹底の呼びかけです。背景には過去への反省があります。

かつてのヨセミテの様子。人が直接クマにエサを与えています。1920年代から40年代ごろまで、人が直接エサをあげたり、残飯を集めておびき寄せたりと、クマは観光の目玉として利用されていました。

しかし、人がクマにひっかかれたり、車が荒らされるなどの被害が多発。多い時では年間100頭もの殺処分につながったことなどを教訓に、今では徹底した食べ物の管理が行われているのです。

クマ対策チーム エリン・デグータスさん
「中の仕掛けを押すと開きます」

キャンプ場にはベア・ボックスと呼ばれる保管庫が1000個以上設置されています。

しかし、見回り中には放置されたワインの空きボトルと洗剤を発見。こうした匂いにもクマは引き寄せられます。

クマ対策チーム エリン・デグータスさん
「様々な対策はありますが、そもそも人間の食べ物をクマに与えないことが最も有効なんです」

ヨセミテでは、保管庫の利用が国の法律に基づいて義務づけられています。今回は警告だけでしたが、最大5000ドル、日本円でおよそ78万円の罰金が科されるなど、世界的に見ても厳しいルールだといいます。

観光客
「違反した人に対して厳しい罰則がなければ、多くの人はルールを守らないと思います」

啓発活動の効果もあって、現在、クマ被害はピークだった1998年の2%ほどに。殺処分も年間2頭ほどに抑えられているといいます。

クマ対策チーム エリン・デグータスさん
「『餌付けされたクマは死んだも同然』という考えがあります。人の食べ物の味を覚えたクマは攻撃的になり、リスクと判断されれば、駆除せざるを得ないのです」

被害を防ぐためには、我々、人間側が食べ物の管理を徹底することが一つの手立てと言えそうです。

  1. 【今年最後の満月に】太平洋側中心に5日夜は晴れる予想も…日本海側は雲が広がるか 週末は広く晴れて行楽日和に
  2. モノレールで商品配送? “飽和状態”コンビニ業界で新たな出店見据える取り組み コンビニ拠点とする新たな街づくりも
  3. 冬から春に起こりやすい「乳幼児突然死症候群」 年末年始の帰省では窒息事故にも注意 こども家庭庁が注意呼びかけ
  4. 中国軍や海警局が100隻超の艦船展開と報道 「法に則って活動」中国外務省が主張
  5. 【 浅香唯 】56歳の誕生日を報告「またひとつ大人になりました〜」「56歳も ハッスルして頑張ります」
  6. 周囲は「優しかった」「がっかりした」 闇バイト強盗“指示役”トクリュウ4人逮捕 捜査進展は「トクリュウの弱点」「携帯の解析」
  7. 結論出なければ…自動的に削減? 自民・維新提出の衆議院議員定数削減に向けた法案に野党が反発「あまりにも乱暴」
  8. 動機は…彼女に会いたくて? 静岡・伊豆の国の病院から逃走・確保された島田健太郎被告(54) 病院には置き手紙も 静岡県警は謝罪
  9. 中国軍などが100隻超の艦船を東アジア海域に展開 過去最大規模・・・高市総理答弁や台湾の発表背景か 中国は「法に則って活動」
  10. 露プーチン大統領 印モディ首相と首脳会談 ウクライナ情勢めぐり「インドの尽力に感謝」両国の関係発展で一致
  1. 勾留中の被告(54)が7階窓から逃走…逃げた状況が明らかに その後、静岡・三島市内で確保 伊豆の国市の病院で警察官監視のなか
  2. 千葉・成田市の東関東自動車道で大型トラックにひかれ女性(62)死亡 乗用車を路肩に停車後ひかれたか 千葉県警
  3. “交通系IC”の新決済サービス「teppay」、コード決済戦国時代にSuicaとPASMOの巻き返しなるか!?【ひるおび】
  4. フリーアナウンサーの女性をSNSで脅迫した疑い 女(30代)を書類送検 写真集の上に包丁を置いた写真など投稿 警視庁
  5. ネギの頭は3本・4本どっちがおいしい?プロはここを見る!白菜・大根 冬野菜の目利き術【ひるおび】
  6. トランプ氏 が“地上攻撃”を示唆…「ベネズエラが麻薬密輸」 背景に“中国の影”も、米国の“攻撃”現実性は?【news23】
  7. 【速報】川崎市のリサイクル工場で火事 現在も延焼中 逃げ遅れなし
  8. トヨタが新型スーパーカーなどを発表 フラッグシップスポーツカー3台の世界同時発表会
  9. 鈴木農水大臣「おこめ券」に使用期限設定と正式表明 物価高対策として速やかに活用してもらうため “来年9月末まで”の見通し
  10. 結婚相談所ツヴァイがフリーランス法違反 公正取引委員会が勧告 業務委託した婚活パーティ司会者ら134人に報酬額や業務内容を明示せず
  11. 「仕事などで溜まったストレスを解消するため」神奈川県警栄署の20代男性巡査を撮影処罰法違反の疑いで書類送検 神奈川県警は男性巡査を減給処分 巡査はきょう付で退職
  12. “ジャングル潜伏28年”「恥ずかしながら…」残留日本兵・横井庄一さん“潜伏続けた理由”とは「お母さんに…」【戦後80年つなぐ、つながる】