ウナギ全種の規制は否決!“違法取引”横行でEUが提案 7割を輸入の日本 食文化×資源を守るには【Nスタ解説】

TBS NEWS DIG Powered by JNN
2025-11-27 20:32

ワシントン条約の締約国会議で、ニホンウナギを含む全てのウナギの国際取引を規制するかどうかの採決が行われました。

【画像で見る】ウナギ密猟者がいないか…スペイン国家警察のパトロールに同行

規制を議論 世界中で親しまれる「ウナギ」

高柳光希キャスター:
「ワシントン条約」とは、絶滅の恐れがある野生生物(動物や植物)の輸出入に制限を設け、これらを守るための国際的なルールです(締結国は180あまり)。

日本時間27日に行われる採決で、対象となっているのは、ニホンウナギを含む全てのウナギで、国際取引を規制するか否かが議論されました。

ウナギは希少な存在ではありますが、実は世界中で生息をしています。

全世界に18種類(亜種含む)いて、そのうち食べられるのは4種類だと言われています。

例えば、日本では蒲焼として「うな重」「うな丼」が親しまれていますが、世界にはいろいろな食べ方があります。

スペインでは、シラスウナギとも呼ばれるウナギの稚魚の「アヒージョ」、イギリスでは「うなぎのゼリー寄せ」、オランダでは「うなぎの燻製」として親しまれています。

なぜEUは規制を提案?背景には「違法取引」も

高柳キャスター:
水産庁によると、世界最大の消費国と言われている日本の国内供給量は6万941トンだということです。

ただ、このうちの約7割にあたる4万4730トンが輸入に頼っている状況です。(2024年・水産庁によると)

生きたウナギ、ウナギの加工品ともに、ほとんどが中国から輸入をしているということです。

【ウナギの輸入元は…】※2023年・東京検閲によると
▼生きたウナギ
中国:89.4%
台湾:10.6%

▼ウナギ加工品
中国:99.6%
台湾:0.4%

今回ウナギの規制を提案したのは、EU=ヨーロッパ連合ですが、日本は強く反発をしています。

EUが求めているのは、どういうことなんでしょうか。

ロンドン支局長 岡村佐枝子:
EUが求めているワシントン条約での規制というのは、輸出を禁止するのではなく、輸出の許可が必要な許可制にするということです。

EUは現在、ヨーロッパウナギのEU域外への輸出を禁止しています。ヨーロッパウナギの取引規制が始まる前は、ヨーロッパウナギは中国で養殖され、日本にも蒲焼などとして非常に多く輸入されていました。

ただヨーロッパウナギの規制が始まると、今度は代わりにアメリカウナギが中国で養殖され、日本に輸入されています。

EUが主張しているのは、ニホンウナギもアメリカウナギも、資源量が著しく減少しているということ。そして、ヨーロッパウナギが他のウナギとして種を偽って取引が行われているので、どれかだけを規制しても意味がないと考えています。

そのため、類似種、似ている種類のウナギを全て規制しないと、違法取引はなくならないと主張しているわけです。

ウナギ規制「否決」 それでもEUの提案は続くか

高柳キャスター:
11月27日午後1時から行われていた締約国会議では、“否決”されたということですが、日本にとって嬉しい結果なのでしょうか。

ロンドン支局長 岡村佐枝子:
日本政府は各国に対して反対するよう強く求めて、ロビー活動のようなことをしていました。

当初は、ギリギリの攻防なのではないかと言われていましたが、結果的には否決という意見を出したところが非常に多かったということで、ほっと胸をなでおろしているところではないでしょうか。

井上貴博キャスター:
今回否決されましたが、EUの「規制をしよう」という流れは変わらないのでしょうか?

ロンドン支局長 岡村佐枝子:
今に始まったことではなく、EUは昔からこの提案を出し続けています。また、ずっと規制をしていても違法取引がなくならないという現状があります。

スペインの国家警察はDNA検査について、お金も時間もかかるため、税関などの現場でキットを持ち込んで検査することは難しいと話しています。

そのため、密輸取引の規制は続けていくし、全体的にやらなければいけないという主張は変えないと思います。

出水麻衣キャスター:
資源管理という意味でも、見直しても良いかもしれませんね。

TBSスペシャルコメンテーター 星浩さん:
全面的な規制については、ニホンウナギに限っては「それなりに大丈夫」という理屈もあり、日本政府のロビー活動も成功したようですね。

今回は委員会での否決で、12月上旬に行われる「全体会合」でもう一度採決する可能性もあり、日本政府関係者によると「あまり油断できない」ということです。

食文化×資源 向き合うべき課題

高柳キャスター:
今回は否決でしたが、また今後も同じような議論がされるのでしょうか。

ロンドン支局長 岡村佐枝子:
12月5日に全体会合があるのですが、今回の委員会の結論を不服とした場合には、動議を出して、再投票する可能性もあります。

過去には再投票によって結果が逆転したこともあるので、引き続き、ワシントン条約の締約国会議で話し合われることになります。

井上キャスター:
今回はウナギでしたが、ウナギに限ったことではなく、限られた資源を世界でどうシェアしていくのかというのは、どの種も同じように思います。

日本の食文化と経済、資源の保全を、どう大切にするかというのは永遠のテーマですね。

TBSスペシャルコメンテーター 星浩さん:
新たな科学的知見とどう組み合わせていくか、ということも必要だと思います。

==========
<プロフィール>
岡村佐枝子
JNNロンドン支局長
かつて社会部で環境省、経済部でスーパー・百貨店の取材を担当

星浩さん
TBSスペシャルコメンテーター
1955年生まれ 福島県出身 政治記者歴30年

  1. 『人懐っこい迷子犬』を保護→家族を待っても、お迎えが来なくて…当時が嘘のような『表情の変化』に感動「最高のストーリー」「末長くお幸せに」
  2. 【伊藤萌々香】6年ぶりに音楽活動再開「あのグループを超えられるグループはない」 新曲とともにソロ曲「Poker Face」をサプライズ披露
  3. リュックの中でニコニコ。柴犬が満面の笑みを浮かべている!!「めっちゃいい笑顔」「お気に入りのバッグ・イン」
  4. 女子バスケ、デンソーがプレーオフ第1戦を制す 最年長36歳・高田真希が26点の大活躍でトヨタ自動車に勝利【Wリーグ】
  5. 『ぬいぐるみにしか見えない…』犬のやる気スイッチが切れる瞬間を撮影→想像以上に『溶けてしまう光景』が84万再生「充電切れw」「和む」
  6. 車に乗った犬が『お散歩だ』とウキウキしていたら、洗車機に入ってしまい…想定外の展開で見せた『表情』に反響「ドキドキw」「ヨシヨシしたい」
  7. 「めげずにやりな」から奮起のアーチェリー舟橋悠矢が代表内定一番乗り!女子は園田稚が初の切符【アジア大会選考会】
  8. 【 高畑淳子 】初共演・三田佳子に「ビビりましたよ!」あまりのオーラに挨拶できず〝そういえば、みんな冷たかった〟
  9. 歌手の相川七瀬さんが一日警察署長として登場 「春の全国交通安全運動」を前に東京・渋谷区で交通安全イベント 警視庁
  10. トランプ大統領 ラトニック商務長官ら2人の閣僚の解任検討 独断で政策を進めることに政権内部で不満高まる ワシントン・ポスト報道
  1. 愛媛・今治市の自宅で父親(71)の首などを刺し殺害か 逃走の三男(42)を逮捕 神奈川県内で身柄確保
  2. 【京都小6男児行方不明】“当日朝の小学校”で新証言「歩いて行っているなら、会うはず」同じ時間帯に到着した児童たち「安達さんを見ていない」【news23】
  3. 【 訃報 】俳優・中山マリさん(80)老衰のため死去 俳優として多くの舞台に出演 母は小説家・中山あい子さん
  4. 「明るくとてもいい子」 小6男児が行方不明になって13日目 捜索続くも新たな手掛かり見つからず 京都・南丹市
  5. 【 能條愛未 】〝入籍しましたと言えることがすごくうれしい〟自身のYouTubeで歌舞伎役者・中村橋之助との結婚を報告
  6. 【 田中麗奈 】〝ちゃんと女優になったばい〟小さいときの自分に呼びかける スタッフからのサプライズ花束に感涙
  7. 【 浜崎あゆみ 】広く大きな〝玄関に桜〟 〝もう一年経ったのか〟ツアー開幕直前に感慨
  8. トランプ大統領 ラトニック商務長官ら2人の閣僚の解任検討 独断で政策を進めることに政権内部で不満高まる ワシントン・ポスト報道
  9. 『いなくなった猫』を探していると、狭い隙間の中で…まさかの瞬間が可愛すぎると6万いいね「ジャストフィットw」「入り方が知りたいw」
  10. ゼレンスキー大統領「3月のロシア軍の死傷者3万5000人超、与えた損失が過去最高の水準」と主張 ロシア側は“ウクライナ東部ルハンシク州を完全制圧”と発表もウクライナ側は否定
  11. 「予定時刻を過ぎても戻ってこない」 ダイビング客ら9人一時行方不明に 全員救助され命に別状なし 北海道稚内市沖
  12. 天気は回復傾向 日差しが戻ると共に気温上昇 東京24℃、宇都宮・前橋などでは25℃以上の夏日になる見込み【あす4月5日の天気】