日中対立 突如登場トランプ大統領の狙いは?「米中の経済関係のためなら同盟国とも距離を置くことを躊躇わない」【サンデーモーニング】

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2025-11-30 15:00
日中対立 突如登場トランプ大統領の狙いは?「米中の経済関係のためなら同盟国とも距離を置くことを躊躇わない」【サンデーモーニング】

台湾有事をめぐる高市総理の答弁をきっかけに緊迫する日中関係。日本側が対応に苦慮する中、米中、さらに日米の首脳が相次いで電話会談を行いました。いったい何が話されたのでしょうか。そして、突如登場したトランプ大統領の狙いは何なのでしょうか。

【写真を見る】党首討論で台湾関連の質問が終わり、天を仰ぐ高市総理

「記念にタオルを交換したい」民間の交流をよそに続く政府間の緊張関係

26日(水)、中国・上海のスタジアム周辺には、物々しい警備体制が敷かれていました。
ヴィッセル神戸が地元チーム(上海申花)とサッカーの試合を行ったのです。

上海在住 日本人サポーター
「周りの友達もみんな優しいし、中国に住んでいて不安ってことはそんなにないので、見に来ました」

中国人サポーター
「神戸のサポーターと記念にタオルを交換して友好を示したいです」

中国当局の警戒とは温度差があるようです。  

24日(月)、長崎市で行われたのは江戸初期につくられた中国人墓地の清掃活動です。50年以上、続いています。

陳泳 駐長崎総領事
「両国関係がどのように変わっても、我々の清掃活動はずっと続いてきました」

日本人の参加者
「民間レベルでこういった交流をするのは大切なことだと思っています」

こうした民間の交流をよそに政府間の緊張は続いています。

答弁の「事実上の撤回」も中国政府の反発続く

高市総理は26日、初めての党首討論にのぞみました。
立憲民主党の野田代表は、台湾有事をめぐる発言について質しました。

立憲民主党 野田佳彦 代表
「改めてなぜこうした発言をされたのか」 

高市早苗 総理大臣
「政府のこれまでの答弁をただもう一度、もう一度と繰り返すだけでは、場合によっては予算委員会(の審議を)を止められてしまう可能性もあるので」
「具体的な事例を挙げて聞かれたので、その範囲で私は誠実にお答えをしたつもりです」

どういうケースが「存立危機事態」になるかについては、政府見解を繰り返して“安全運転”に徹しました。

高市早苗 総理大臣
「実際に発生した事態の個別具体的な状況に即して、政府が全ての状況を総合して判断する」

立憲民主党 野田佳彦 代表
「経済政策についてお尋ねしたいと思いますけれど」

台湾関連の質問が終わると、総理は天を仰ぎ見ました。

質問した野田氏は...  

立憲民主党 野田佳彦 代表
「具体例を言わなくなったということは、事実上の撤回をした、というふうに受け止めさせていただきました」

しかし、中国側は「撤回」とは受け取っていません。

中国外務省 郭嘉昆 報道官(27日)
「誤った発言を二度としないことと、撤回することは別のことだ」

日中対立にトランプ大統領が乗り出す 日中首脳と連続電話会談

日中の対立が長期化の様相をみせる中、乗り出してきたトランプ大統領。
24日、習近平国家主席と電話会談を行いました。 

習氏は台湾問題における「原則的な立場」を伝えたといいます。

中国外務省 毛寧 報道官(25日)
「私の知る限り、今回の電話会談はアメリカ側が提案したもので、雰囲気は積極的、友好的、かつ建設的」

習氏との会談から数時間後、トランプ氏は高市総理に電話をします。

記者
「日本の総理との電話はどうだったか」

トランプ大統領(25日)
「とても良い話し合いができた。彼女とは非常に良い関係にある。中国の習氏とも有意義な会談をした。その地域は順調に進んでいると思う」

詳細を語らなかったトランプ氏。一方の高市氏も…

高市早苗 総理大臣
「トランプ大統領からは、私とは極めて親しい友人であり、いつでも電話をしてきてほしいというお話がございました。会談内容は、外交上のやり取りなので詳細については差し控えさせてください」

両者そろって内容を明かさない中、アメリカのウォール・ストリート・ジャーナルは日本政府関係者らの話として「トランプ氏が台湾をめぐる主権について、中国を挑発しないよう助言した」と伝えています。

一方、日本政府は“助言”については否定。  

木原稔 官房長官(27日)
「(記事に)『中国政府を挑発しないよう助言』との記述がありますが、そのような事実はない点は明確にしておきます」

トランプ大統領 登場の狙いは?

ここに来て、日中問題に関与してきたトランプ大統領。その狙いは…

同志社大学大学院 三牧聖子 教授
「日中関係の悪化というものが米中関係、とりわけトランプ大統領が重視している米中の経済関係に波及するのではないかという恐れから、早々にアメリカが仲介してこの問題を沈静化させようとしたと」 

貿易摩擦をめぐり、中国との落としどころを探る中、米中関係に悪影響を与えないために関与してきたと指摘します。

同志社大学大学院 三牧聖子 教授
「トランプ大統領は米中の経済関係のためであれば、同盟国とも距離を置くことをためらわない」
「日中関係が悪化している側面でアメリカの出方を見誤ると、日本の国益を損ないかねない」

今後、日本政府はトランプ氏の意向にも気を配りながら、中国と向き合う必要がありそうです。

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