愛犬家も遺体もないミステリー 埼玉愛犬家殺人事件(1993年〜1995年)【TBSアーカイブ秘録】

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2025-12-05 07:00
愛犬家も遺体もないミステリー 埼玉愛犬家殺人事件(1993年〜1995年)【TBSアーカイブ秘録】

1993年、埼玉県熊谷市周辺で起きた「埼玉愛犬家連続殺人事件」は、その残忍な手口と“遺体なき殺人”という異常さから、謎が謎を呼ぶミステリーとされました。しかし、加熱するかに見えた報道がピタリと止まったのは…。※一部敬称略(アーカイブマネジメント部 疋田 智)

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4人が立て続けに失踪

1993年、埼玉県熊谷市周辺で次々と人が消える、ということが起きました。
当初、ある者は「家出」またある者は「何らかの事故?」と思われていましたが、4人の失踪者には、共通の知人がいることが分かってきたのです。

事件の中心にいたのは、ペットショップ「アフリカケンネル」を経営していた夫婦2人でした。

無関係に見えた4人に「熊谷のペットショップ」という接点が

最初の被害者が姿を消したのは1993年4月のことでした。
ペットの購入をめぐるトラブルを抱えていた男性が、帰宅途中に突然消息を絶ちます。
その後7月には暴力団関係者とその運転手の2人が、さらに8月には女性1人が行方不明となり、短期間に4人が立て続けに失踪する事態となりました。

いずれも熊谷のペットショップ「アフリカケンネル」と関わりがあったことから、捜査は次第に店舗経営者へと向かっていきます。

被害者は毒殺され、遺体は見えないように処理された

犯行に使われたのは、犬の処分用として仕入れた猛毒・硝酸ストリキニーネでした。
被害者はいずれも、この毒を混入された飲食物を口にして死亡したとみられています。

さらに事件の残虐性が注目されたのは、遺体の処理方法でした。遺体は風呂場で切断され、肉片は川に流され、骨はドラム缶で焼却されるなど、証拠を完全に消すための徹底した作業が行われていたとされています。
しかし当初、容疑者の夫婦は知らぬ存ぜぬを貫き通していたのです。 

従業員の供述で逮捕

事態が急展開したのは、アフリカケンネルの従業員だった男性が供述を始めたことでした。

彼の証言をもとに、1994年末、群馬県片品村の山林から遺留品や遺骨の一部が発見され、事件の全容が明らかになっていきます。そして1995年1月、関根と風間の2容疑者は殺人と死体損壊・遺棄の容疑で逮捕されました。

従業員の手記「共犯者」には、関根容疑者が殺害方法について語る様子などが赤裸々に描かれています。

殺害の動機と「愛犬家がいない」という奇妙さ

殺害動機は、最初の被害者は「ペットの繁殖利権をめぐるトラブル」でした。
2人目の暴力団員は、殺人を嗅ぎつけて、関根容疑者を強請っていました。そのことが理由で毒殺されたのです。
3人目の運転手は、その口封じのための殺人でした。
4人目の主婦は関根容疑者の愛人でしたが、関根容疑者は「面倒くさくなって殺害した」と証言しています。

奇妙なことに「愛犬家」がどこにも出てこないのです。事件の名称は少々相応しくないかもしれません。

1995年という特殊性、そして2009年に死刑が確定

じつはこの事件、事件のミスステリー性、猟奇性から、逮捕の日までテレビニュースやワイドショーが、猛烈な「取材」を続けていました。ところが直後に阪神淡路大震災が起き、翌々月に一連のオウム真理教事件がスタートしました。猛烈な取材は大震災とオウムに隠れてしまって、放送に結びつかなかったという側面があるのです。

裁判では、第一審のさいたま地方裁判所が2001年、2人に死刑判決を言い渡しました。控訴審、上告審でも判断は変わらず、2009年に死刑が確定しました。
その後、関根被告は2017年に拘置所で病死し、風間被告は現在も収監されています。

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