中国が「圧倒的に先進的」 AIで競争激化のヒト型ロボット 日中で緊張続くも「ロボット展」には中国企業80社以上【サンデーモーニング】

ロボット産業も日進月歩の中、世界最大級のロボット展が開かれました。中国企業が特に力を入れている、ヒト型ロボットが進化しています。
日中で緊張続くもビジネスは…「ロボット展」に80社以上の中国企業
東京で開かれた「国際ロボット展」には、中国政府が渡航自粛を呼びかける中でも、中国からは80社以上が参加。出展を取りやめた企業はなかったといいます。
中国企業からは「政治とビジネスは別」との声が聞かれました。
50年以上の歴史を持つこの「ロボット展」は、大きな変革期を迎えています。
中西悠理キャスター
「いまロボットが大きく進化しています。キーワードはAIとの融合です」
クマのぬいぐるみに包まれるように座る「未来の椅子」。
中西キャスター
「ぎゅっとしてくれるので癒やされますね」
AIと会話も楽しめます。
中西キャスター
「最近、寒くて朝起きるのがつらいけどどうしたらいいかな?」
AI
「目覚ましを遠くに置くと起きやすくなりますよ」
産業用ロボットも、AIによって自律が進んでいます。
中西キャスター
「黄色のサイコロを振って、出た目の数字の所に青を置いて下さい」
口頭での指示を理解したうえで、サイコロの目を認識してモノを運ぶロボット。
AI
「エリア3に移動します」
他にも、ネジを締めるロボットは、AIによって対象物の動きにあわせた作業ができるようになりました。
AIの急速な進歩を受けて、開発競争が激化しているのがヒト型のロボット。
11月にロシアでも初めて披露されましたが...
登場直後に転倒。
各国の開発力に差が出るなか、存在感を見せているのが中国です。
AIで競争激化の「ヒト型ロボット」
川崎重工が開発したロボット「Kaleido 9」。
人型ロボット
「私たちは人間型なので、ヒトの動作を再現し作業を代替することができます。まさに相棒と呼ぶにふさわしい存在です」
用途が限定される産業用ロボットとは違い、ヒトの動作を再現できるヒト型ロボット。
例えば...
人型ロボット
「(Q.このほうきを使って落ち葉を集めてくれる?) 了解です。ほうきを貸してください」
道具を使って人間と同じ作業が可能に。
危険を伴う災害現場では、重い障害物をどかすパワーも必要になりますが、重さ30kgの棚も軽々と起こします。
川崎重工業ソーシャルロボット事業戦略部 村上潤一課長
「(Q.ヒトの形であることに何かメリットがある?) この世界は人間が生活しやすいようにできている。ドアの形も人間が開きやすいような形に設計されているし、最終的に全てのことをやろうとすると、ヒトの形というのがベスト」
「圧倒的に先進的」ヒト型でリードする中国の“ロボット戦略”とは
「国際ロボット展」でひと際目を引いたのが、軽快に踊るロボットに、ボクシングをするロボット。ヒトのような滑らかな動きを実現したのは、中国の企業です。
中国のロボットメーカーと日本企業の仲介に乗り出した日本の商社は
GMO AI&ロボティクス商事 内田朋宏社長
「動きも価格の安さも圧倒的に先進的な感じになっているので、一番社会の現場で今通用するのが中国のロボットではないかと思う」
ヒト型ロボットで先端を行く中国。最先端技術を結集すべく政府が支援しているのだといいます。
PaXini 張恒第 最高技術責任者
「中国政府は産業全体の成長につながる産業を見つけて、引き上げようとしている。ヒト型ロボットはEVのようなもので、その牽引力で、センサーやAIのメーカー、製造業、すべてがこの業界に集まるんです」
また中国では、日本と同様に高齢化社会が急速に進行。「労働力不足」を埋める切り札としても開発を急いでいるといいます。
「新技術立国」を掲げる日本は、先行する大国にどう対抗していくのでしょうか。