年末年始に増える“胃疲れ”に専門家が警鐘 胃を労わる「胃活」のポイントと簡単レシピを紹介

2025-12-12 17:00

年末年始は食事の機会が増え、生活リズムが乱れやすいことから“胃の不調”を訴える人が例年多くなります。実際、今回の調査でも年代を問わず多くの人が胃の違和感を抱えており、仕事のパフォーマンスや日常生活に影響を感じているという結果が示されました。こうした背景を受け、専門家は「早めに胃を労わる習慣づくりが大切」と呼びかけています。

この記事では、胃の不調が起きやすい理由を医師の解説とともに紹介し、日常で無理なく取り入れられる“胃活”のポイントをまとめました。さらに、管理栄養士が考案した胃にやさしいレシピもあわせて紹介します。食べ過ぎや冷えが気になりやすい季節だからこそ、体に負担をかけすぎず過ごすためのヒントとして参考にしてみてください。

年末年始は“胃疲れ”が急増

年末年始は食事の量や回数が増え、普段と異なる生活リズムになりやすいことから、胃の負担が大きくなる時期といわれています。調査結果でも、年代を問わず多くの人が胃の不調を自覚しており、推計では約1,213万人が胃の不調を抱えていると示されました。

中でも「食べすぎ」「ストレス」「生活リズムの乱れ」は共通して上位に挙がり、忙しい時期ほど胃の休まる時間が少なくなることがわかります。

また、胃の不調は身体面だけでなく、仕事や家事のパフォーマンスにも影響を与えるとされており、「集中しにくい」「疲れやすい」といった声も多く見られました。年末年始はイベントが続く一方で、冷え込みが強くなる季節でもあるため、胃腸への負担が重なりやすい状況といえます。こうした背景から、専門家は早めのセルフケアを意識することの重要性を指摘しています。

なぜ不調が起きる? 医師が語る「胃の不調の正体」

三輪洋人先生
(川西市立総合医療センター 総長)

日本消化器病学会前理事・財団評議員・専門医・指導医、日本内科学会前理事・評議員・指導医・認定内科医、日本内視鏡学会社団評議員・指導医・専門医、日本消化管学会功労会員・代議員・専門医・指導医・胃腸科認定医、日本神経消化器病学会前理事長、Asian Neurogastroenterology & Motility Association ANMA 前理事長。1982 年鹿児島大学医学部卒業。順天堂大学、米国ミシガン大学を経て、2004 年兵庫医科大学消化器内科主任教授に就任。その後、同大副学長、理事なども歴任し、2022 年より現職。著書やメディア出演も多く、2022 年 9 月からは YouTube「Dr.三輪洋人の健康チャンネル」を開設。幅広い世代に健康情報を発信している。2025 年 7 月 14 日に「胃の不調の原因と対策 胃活の教科書」(毎日新聞出版)を出版。

胃の不調が起きやすい背景について、川西市立総合医療センター総長の三輪洋人先生は「胃はストレスや生活リズムの影響を強く受ける臓器であり、年末年始は特に負担がかかりやすい時期です」と指摘します。暴飲暴食や早食い、寝不足が続くと胃の働きが乱れ、消化に必要な時間が確保できないまま次の食事を迎えることで、さらに負担が蓄積してしまうといいます。

また、調査では「年齢に関係なく胃の不調が起きている」ことも示されており、特に20代後半で不調のピークが見られる傾向がありました。仕事や生活が忙しくなる年代では、ストレスや不規則な食事が重なりやすく、胃のコンディションを崩す一因となっているようです。「胃の違和感をそのままにせず、早めに生活習慣を整えることが大切です」と三輪先生は話します。

日常でできる“胃活”とは?

年末年始は食事量が増えやすく、生活リズムも乱れがちなため、胃に負担がかかりやすい時期です。こうした不調を軽減するために、専門家が推奨するのが“胃活”と呼ばれる日常的なセルフケアです。無理なく続けられる工夫が中心なので、忙しい日でも取り入れやすい点が特徴です。
まず意識したいのは、朝に何か一口でも食べる習慣です。胃が空っぽのまま長時間過ごすと胃酸が増え、胃もたれやむかつきの原因になることがあります。ヨーグルトやバナナなど、準備がいらずすぐ食べられるものを選ぶと負担が少なく続けやすくなります。

また、腸内環境を整える乳酸菌を日常的に取り入れる“菌活”も、胃のコンディションを保つ助けになります。では、胃にも菌活は有効なのでしょうか?胃の中には胃酸が分泌されています。胃酸には塩酸が含まれていて、この塩酸には食べ物と一緒に入ってきたばい菌を死滅させるほど強い殺菌作用があります。
善玉菌たちの多くも、胃酸にやられて死んでしまいます。しかし、強烈な胃酸に負けずに活躍する乳酸菌もあります。中にはピロリ菌の活性を抑えたり、胃痛や胃もたれなどを和らげたりする作用をもったLG21乳酸菌入りヨーグルトなどもあります。

このように、善玉菌を含む食品を利用して、胃のための菌活を始めてみてもよいでしょう。温かい飲み物で身体を冷やさないようにする“温活”や、食後の姿勢を意識して背中を丸めないようにするなど、ちょっとした生活習慣の積み重ねが胃の負担軽減につながります。

管理栄養士がすすめる「胃にやさしいレシピ」3選

胃の負担をやわらげたい時は、温かく消化の良い食材を使った料理が役立ちます。ここでは、管理栄養士・渥美まゆ美先生が考案した、日常に取り入れやすい“胃活レシピ”を3つ紹介します。どれも簡単に作れるものばかりなので、年末年始の食べ疲れが気になる時の一品として活用できます。

しょうが香るホットスムージー

しょうがの香りが身体を内側から温めてくれるドリンクです。温かい飲み物は胃腸の動きをサポートしやすく、冷えによる負担を和らげてくれます。朝食代わりに少量取り入れるのもおすすめで、胃を休ませつつエネルギー補給ができます。

胃にやさしいポイント

  • しょうがで身体が温まり、胃腸の動きをサポート
  • 飲みやすく、負担をかけずに栄養を摂れる
  • 朝の“空腹時間が長くなる”ことを避けられる

ふんわりオム焼き

ふわふわの卵にやさしい味付けを施した一品です。卵は消化が良く、胃に負担をかけにくい食材として知られています。具材もやわらかく仕上げられており、食べ応えがありながらも胃が重くなりにくいのが特徴です。

胃にやさしいポイント

  • 卵は消化が良く、胃の負担を抑えながらタンパク質補給ができる
  • やわらかい食感で食べ進めやすい
  • 小腹満たしにも使える“軽い主菜”として活躍

まろやか豆乳スープ

豆乳のコクがありながら後味は軽く、胃にやさしい温かいスープです。冬場の“冷え”は胃の働きを鈍らせやすいため、温かい汁物を食事に取り入れることは胃活にもつながります。具材もやわらかく、夜遅い食事でも比較的負担をかけにくい点も魅力です。

胃にやさしいポイント

  • 温かいスープで内臓をしっかり温められる
  • 豆乳のまろやかさでやさしい口当たりになり、食べやすい
  • 消化の良い具材で満足感も出しやすい

年末年始こそ、無理のない“胃活”で体を労わる習慣を

年末年始は、ふだんよりも食事の機会が増え、体調の変化に気づきにくい時期です。調査でも多くの人が胃の違和感を抱えていることが示されており、忙しさや冷えが重なることで負担が大きくなりやすいことがわかりました。気になる症状を放置せず、生活の中でできる小さな工夫を積み重ねることが、胃のコンディションを整える第一歩になります。

朝に一口だけでも何かを食べる、温かい飲み物を選ぶ、姿勢を意識するなど、どれも今日から続けられる習慣です。さらに、料理を少し工夫するだけでも胃の負担は軽くできます。紹介したレシピのように、温かく消化の良いメニューを取り入れることも、体を休める助けになります。

イベントが続く季節だからこそ、体に無理をさせない過ごし方が大切です。年末年始の楽しみを味わいながら、日々の胃活で自分の体を労わる時間をつくってみてはいかがでしょうか。

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