寮で食事した『女子大生59人発症』 「ウエルシュ菌」集団食中毒 調理施設を【無期限】営業禁止処分に…
2025-12-13 18:00
広島・福山市は12日、市内にある大学の寮で食事をした女子学生59人が、食中毒症状を訴えたと発表。
発症者からウエルシュ菌
市の生活衛生課によると、今月6日、大学寮で『魚国総本社』が調理した朝食・夕食を食べた18~25歳の女子学生59人が、下痢、腹痛などを発症した。

保健所が検査したところ、発症者から「ウエルシュ菌」を検出。
業者が提供した食事が原因による「ウエルシュ菌食中毒」と断定した。
また、食品衛生法に基づき、寮の調理施設に対して、無期限の営業禁止を命じた。
ミートボールや肉じゃが
6日に、寮で提供されたメニューは、
朝食:照焼きミートボール、いんげんのごまあえ、ご飯、味噌汁。

夕食:ブロッコリーの和風スパゲティ、肉じゃが、白菜の和え物、コンソメスープ。
耐久性の高い形態
ウエルシュ菌は、土壌や水、動物や人の腸内など自然界に広く存在する細菌。
この菌は酸素の少ない環境で増殖しやすく、芽胞(がほう)という耐久性の高い形態で生き残ることができる。

また、ウエルシュ菌による食中毒は、主に大量調理された食品を原因とすることが多い。
高温にも耐える性質
さらに、カレー、シチュー、煮物など、多くの量を一度に調理し、長時間室温で放置した際に菌が増殖しやすくなる。

加熱調理しても、芽胞は高温に耐えるため、死滅しきれないことがある。
調理後、温度が下がると芽胞が発芽し、菌が増殖する。
温度管理に注意
ウエルシュ菌による食中毒を予防するためには、
・調理後は、できるだけ早く食べる。
・作り置きする場合は、速やかに小分けして冷蔵・冷凍保存。
・再加熱する場合は、中心部までしっかり加熱する(75℃以上で1分以上)。

・大量調理の場合は、調理後すぐに冷却。
・調理器具や手指の衛生管理を徹底する。
特に大量調理や作り置きの際には、温度管理に十分な注意が必要だ。