90年の時をへて、再び自宅に戻ってきた! モネの「白い猫」 フランス
画家モネが制作し自宅に飾っていた「白い猫の像」は、長年その所在がわからなくなっていました。ところが2017年になってこの像が競売にかけられ、購入者がモネの自宅に寄贈したことで、猫は再び家に戻ってくることができたのです。
モネの自宅ソファには「白い猫の像」が

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クロード・モネは「スイレン」を描いた絵画などで有名な、印象派の画家です。
彼のGivernyにある自宅には、自身が制作したテラコッタ製の「白い猫の像」が飾られていました。彼の友人たちは、まるでモネのダイニングルームのソファの上に猫が丸まっているように見えるこの像をよく覚えていました。
モネが1926年に亡くなった後、この像は息子Michelの手に渡りました。Michelは、フランスのAcadémie des Beaux-Arts や Marmottanモネ美術館に膨大な工芸品や絵画を遺贈したのですが、モネの自宅にあった少数の作品はその後所在がわからなくなっていました。白い猫の像もそうした作品の一部です。40年後にMichelが亡くなり、猫の像は消えてしまったかと危惧されました。
でも「the Art Newspaper」誌のMartin Baileyさんによると、この猫の像は2017年からフランス北部のモネの邸宅に戻っているというのです。
思わぬ状況で「猫」が発見される

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2011年になって、くわしい事情がわかりました。
Christie’sオークションハウスの Adrien Meyerさんがある人の家を訪れたとき、モネの絵画や眼鏡などの遺品が引き出しや段ボール箱に保管されているのを発見しました。子供がいないと考えられていたMichelには、正式に認知していない娘Rolande Verneigesがいて、有名な祖父の品々をたくさん贈られていたことがわかったのです。1914年頃に生まれた彼女は、2008年に亡くなるまで、これらの絵画や遺品を自宅に保管していたのでした。「白い猫の像」も、彼女のピアノの上に置かれてスヤスヤと眠っていました。
再びモネの家に戻った「猫」

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彼女の死後、作品は相続人に引き継がれて売却されることになりました。モネ研究家でさえ、こうした遺品の存在を2016年秋まで知らなかったというのですから驚きです。
作品は2017年11月に、香港で競売にかけられました。オークションの売上高は1090万ドル(約16億8500万円)に達し、白い猫の像は6万7000ドル(約1036万円)で落札されました。
この猫を購入したのは日本人男性で、うれしいことに彼は像をモネの自宅を運営する「クロード・モネ財団」に寄贈したのです。
こうして白い猫は家に戻り、いまはダイニングルームのソファでのんびり眠っています。長い旅路でしたが、ふたたび自宅に戻ってきたことを喜んでいるに違いありませんね。
出典:Claude Monet’s Glazed Biscuit Kitty Cat Returns to the Artist’s Home
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