猫を多頭飼いするとき『猫の年齢差』は考慮すべき? 相性の傾向や性別による違いも解説
一度猫飼いの魅力にハマってしまうと、もっと多くの猫に囲まれて暮らしたい、と願うものです。今回は、多頭飼いでは、「猫の年齢差」がどのように影響するのか、相性などを中心に解説します。今後の参考にしてみてください。
多頭飼いの「年齢差」は2~5歳程度が理想的

多頭飼いでの猫同士の年齢差は、一般的な目安として、2~5歳差ぐらいまでが良いと考えられています。
年齢差に大きな開きがあると、肉体的にも、精神的にも、先住猫に思わぬストレスを与えてしまいかねません。
極端な例を挙げると、雄で14歳の先住猫のいるおうちに、雄の子猫を迎え入れたとします。やんちゃ盛りの子猫は、場所やタイミングも顧みず、気の赴くままに先住猫を遊びに誘い、ちょっかいを出し続けます。先住猫からすれば、ゆっくり昼寝もできません。
7歳頃のシニア期に入ると、猫の運動量は少しずつ落ちて、眠る時間が増えてきます。猫の7歳と言えば、人間の約44歳。14歳のシニア猫は約72歳です。
仮に72歳の人が全力で幼児の相手を務めると、個人差はありますが、おそらく、体力が続かずにすぐにバテてしまうだけです。くたびれ果てている隙に、イタズラ好きな子供は、障子に穴を開け、花瓶を倒し、まるで小さな怪獣のごとく暴れ回ります。
四六時中、怪獣が襲いかかる暮らしは、大都会の住民だけでなく、マイペースなシニア猫には相当なダメージです。
その点、2~5歳程度の年齢差だと、元気いっぱいの子猫を迎え入れたとしても、先住猫が適度な遊び相手や猫社会のルール(じゃれ合い時の力加減など)を教える名教師になってくれます。まだ体力的に問題のない年頃なので、シニア猫ほどストレスがかかりません。
もしお互いに相性が良ければ、いっしょになって真夜中の大運動会をド派手に繰り広げ、飼い主さんを不眠の日々に陥れます…。
「相性が良い」or「要注意」、それぞれの組み合わせ

多頭飼いで最も理想的なのは、「子猫×子猫」の組み合わせです(親子関係、兄弟関係は当然なので割愛)。
人間と同じように、猫にも社会化期(約2~9週齢)があり、この間は見るもの、触れるものすべてが新鮮で、驚くほどのスピードでさまざまなことを吸収していきます。柔軟性があふれている時期なので、先住猫も含め、新しい環境にもスムーズに適応できます。
次に比較的良好なのは、前項でも指摘した通り、「2~5歳差の成猫×子猫」の組み合わせです。
子猫の立場で言うと、遊びを通じて、噛んだら怒られる場所など、先輩猫から猫のマナーをいろいろと学べます。相撲の兄弟子のような関係性で、迎え入れる先住猫も、絶好の稽古(遊び)相手ができて、大いに喜ぶはずです。
成猫同士の組み合わせでは、「雄×雌」、あるいは「雌×雌」の相性がいいと言われています。
後述しますが、雌の成猫は、雄の成猫ほど縄張り意識が強くなく、攻撃性も控えめです。雌同士でも、頻繁に争うことはありません。ただし、雄と雌との同居では、繁殖の予定がない限り、去勢・避妊手術の検討も必要です。
一方で、「要注意!」のパターンもあります。
前述した「シニア猫×子猫」、成猫同士の「雄×雄」の組み合わせです。
前者は運動量などのギャップにより、シニア猫に多大なストレスがかかってしまいます。
後者は、雄猫ならではの縄張り争いが起こりやすく、たびたび「抗争(ケンカ)」が勃発しがちです。下手に手を出せば、飼い主さんも容赦なく攻撃してくるかもしれません。最悪の場合、生傷の絶えない生活が続きます。
もちろん、避けたほうが無難な「シニア猫×子猫」、「雄の成猫×雄の成猫」の場合でも、個体差によって、問題なくつき合えることもあります。
特に、生後6~7か月のうちに去勢手術を済ませておくと、本来の攻撃性が収まり、穏やかな性格になって、他の猫とも仲良くなれる可能性が高くなります。
良好な関係には先住猫を優先させることが大切

理想的な組み合わせでも、新しく猫を迎え入れる際には、先住猫のフォローがとても大切です。
新入り猫の加入は、先住猫にとって、自分の守ってきたテリトリーに侵入してくることであり、ただでさえストレスフルな「事案」です。さらに、今まで独占していたはずの飼い主さんの愛情を奪われたと感じ、精神的に不安定になる場合もあります。
たとえば、飼い主さんが子猫をかかりっきりでお世話している間、先住猫はゴハンもスキンシップも後回し―そんな状況では、「なんだよ、ちくしょう。アイツが来たために、オレがこんな目に遭うなんて…」という心の不満が漏れてきます。
先住猫が「ぬぉわーん!」とやや低い声で鳴き始めたら、かなりストレスが溜まっているせいかもしれません。
多頭飼いでは、前提として、先住猫を優先させることが何よりも重要です。ゴハンもいちばん先に食べてもらい、甘えてきたらそのつど撫でるなど、先住猫の自尊心を満たす心遣いが欠かせません。
放っておかれた先住猫は、人間で言えば、弟や妹が生まれたことで、両親からの関心が薄れ、寂しい想いを抱える子供のような気持ちです。
今までと変わらず手厚くフォローし、安心感が育まれれば、先住猫も余裕を持って、新入り猫と仲良くなれます。
まとめ

猫の多頭飼いで理想的な年の差は、2~5歳ぐらいです。この程度の差であれば、体力的、精神年齢的にも隔たりが少なく、お互いに遊び相手としてもピッタリです。
逆に、気をつけたいのは、「シニア猫×子猫」です。遊び回りたがる子猫には、シニア猫もついていけません。むやみにストレスを与えることになるので、多頭飼いを検討中のみなさんは十分に注意するようにしましょう。
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