タイ国内で初 心臓病の猫に「ペースメーカー」を装着する大手術が成功 今後の高度医療に期待高まる

2025-12-28 06:00

このたびタイ国内では初めてとなる「猫への心臓ペースメーカー埋め込み手術」が成功しました。心臓病に悩む猫を、人間並みの「高度な技術を使った手術」で健康な状態にすることが可能になったと期待が高まっています。

猫にペースメーカーを

手術を受ける猫

画像はイメージです

Chulalongkorn大学獣医学部の獣医師たちが、タイで初めて猫へのペースメーカー植え込み手術に成功しました。生理学科のAnusak Kijtawornrat准教授が中心になったこの手術は、高度な動物の心臓病治療として画期的なものになりました。

患者は8歳の雌猫Pepsiです。この猫は1日に3、4回ほど失神する「発作」に悩まされていました。でも手術のあとは完全に回復し、体力もついて遊び始めるようになり、今では普通の質の高い生活を楽しんでいます。

Anusak医師によると、Pepsiは無気力になり、衰弱して虚脱状態になったり、筋肉が硬直したり、突然鳴き声を上げたりといった症状のため、同大学付属の小動物病院に連れてこられました。初期の検査では神経か心臓の疾患ではないかと疑われましたが、薬物療法では改善しませんでした。

さらに検査を続けたところ、「重度の不整脈」があることがわかったのです。心房と心室の間の電気信号が遮断されてしまい、心臓の下部にある心室から脳へ十分な血液が送られなくなって、失神発作を起こしていたのでした。

「ふつう猫の心臓は1分間に約140~220回鼓動しています。しかし電気刺激が遮断されて心臓が効果的に収縮しなくなると、失神を引き起こします。こうした症例はめずらしく、猫の心臓疾患のうち約10%に過ぎませんが、高齢の猫ではより多く見られる傾向があります」と話すAnusak医師。そこで正確な診断のため、24時間の心電図を記録する「ホルター心電図検査」が行われました。

犬と違って難しい手術

聴診器を当てられる猫

画像はイメージです

心臓をきちんと収縮させるためには、ペースメーカーを埋め込むことが必要です。でも首の静脈から導線を挿入できる犬の場合と違って、猫は細い静脈をもつうえ心筋の厚さも薄いのです。菅が心臓を刺してしまう危険もあり、非常に難しい手術になることが心配されました。

そこで手術チームは肋骨の間の胸腔を切開し、心臓に直接アクセスすることにしました。心臓表面に導線を装着し、腹筋の下に埋め込まれた小型の発電機に接続しました。

「この方法はより複雑ですが、小動物にとっては安全なのです。以前は横隔膜から導線を装着していましたが、胸腔のほうが埋め込むのが簡単で正確にできるのです」というAnusak医師。

手術は約1時間かかり、心臓専門医や外科医、麻酔科医、血管の専門医を含むチームが連携しながら作業を行いました。

Pepsiのペースメーカーは、人間用のものと同型ですが、猫の体にあった短い導線が取り付けられています。ペースメーカー本体は約45000バーツ(約22万円)、リードは10000バーツ(約4万9千円)かかります。幸いなことに、今回のペースメーカーは寄付されていたものを滅菌して再利用したため、飼い主が負担する費用はさほど高額ではありませんでした。

今後の高度医療へ期待が高まる

アジア人医師に診察される猫

画像はイメージです

手術後、Pepsiは急速に回復し、失神することもなくなりました。餌も普通にとれるし、飼い主や他の同居猫たちとも元気に交流しています。ただしペースメーカーが正常に機能していることを確認するため、3ヵ月ごとに検査を受けることになっています。

これまで猫へのペースメーカー植え込みは、診断の難しさや専門的な研修の不足、機器のコストなどから、タイ国内ではあまり進んでいませんでした。

「今回の成功は、タイの動物医療が高度な手術を実施できる段階にあることを示しています」と話すAnusak医師。

「飼い主のみなさんには、愛猫が衰弱したり失神したりする場合、すぐに獣医師の診察を受けていただきたいですね。また、獣医学を専攻する学生の方々は、常に進歩する技術を学び続けて適応していってほしいと願っています。確固たる基礎を築いたうえで継続的に自己研鑽を続けることで、タイ国内では不可能だと思われていたような高度な医療も、現実のものになるのです」(Anusak医師)

出典:Chula Veterinarians Achieve National First with Pacemaker Implant in a Cat

関連記事

猫が冬毛に切り替わって『ふわふわモコモコになる』と思っていたら…まさかの光景に6万いいね「ツチノコみたい」「触り心地よさそう」
猫が鼻を「フンフン」鳴らす理由と注意すべきこと
なぜかドアが開いて『部屋から出てくる子猫』→不思議に思っていたら…『衝撃の瞬間』が216万再生「連携プレイw」「えーすごい」と絶賛
お互いを毛づくろいしていた『仲良しの兄弟子猫』→1年後…泣けるほど尊い『現在の光景』が34万再生「自然と涙が出た」「愛がすごい」
猫が「アオーン」と鳴く時の気持ち

  1. 中道・国民が独自の特例公債法案を提出 国債発行期限を単年度のみ延長 「毎年チェック機能を働かせる」
  2. トランプ大統領、イラン攻撃「まもなく終結」前倒しで進んでいること強調 原油価格抑制へロシア制裁の解除示唆
  3. 10-12月期GDP上方修正 年率1.3%増 「個人消費」+0.3% 設備投資の増加も寄与
  4. 1月の消費支出-1.0% 2か月連続のマイナス お年玉ふくむ贈与金が13.8%減少
  5. 髪の毛を引っ張ってきた猫→何事かと思ったら、『お皿の上』に…予想外の瞬間に「賢すぎる」「素敵なサプライズ」「えーかわいいw」の声
  6. トイレトレーニング中の『赤ちゃん猫』→真剣な表情を浮かべて…思わず応援したくなる『尊い光景』が32万再生「もうやばい」「泣ける」
  7. 【速報】日経平均株価が大幅反発 一時1700円超の値上がり トランプ大統領の「戦争ほぼ完全に終結した」発言報道で中東での混乱が早期収束するとの期待感広がる
  8. ガンバレルーヤも応援!国際女性デーに広がる理系の選択肢 女子小中学生がSTEMの魅力を体験
  9. 90歳のおばあちゃんと犬のお留守番を『カメラでのぞき見』した結果…尊くて儚い『しあわせな光景』に反響「ほっこりした」「波長が合うのかな」
  10. スマホにストラップをつけた結果→なぜか犬が頭を突っ込んで…想定外だった『まさかの使い方』に8万いいね「フィット感がww」「可愛すぎる」
  1. 岡山市の裸祭り「西大寺会陽」で重体だった男性3人のうち1人が死亡 死因は低酸素脳症
  2. 【速報】日経平均株価が大幅反発 一時1700円超の値上がり トランプ大統領の「戦争ほぼ完全に終結した」発言報道で中東での混乱が早期収束するとの期待感広がる
  3. 90歳のおばあちゃんと犬のお留守番を『カメラでのぞき見』した結果…尊くて儚い『しあわせな光景』に反響「ほっこりした」「波長が合うのかな」
  4. ニューヨーク原油は高値から急落もガソリン高 NY市民「満タンでなく半分」
  5. トランプ大統領、イラン攻撃「まもなく終結」前倒しで進んでいること強調 原油価格抑制へロシア制裁の解除示唆
  6. 【速報】防衛大学校の校長に“異例”の前統幕長の吉田圭秀氏 政府が人事を閣議決定
  7. スマホにストラップをつけた結果→なぜか犬が頭を突っ込んで…想定外だった『まさかの使い方』に8万いいね「フィット感がww」「可愛すぎる」
  8. ロシア・プーチン大統領 エネルギー価格が高騰する中「ヨーロッパ諸国とも協力する用意」
  9. ガンバレルーヤも応援!国際女性デーに広がる理系の選択肢 女子小中学生がSTEMの魅力を体験
  10. 柴犬を『甘やかして育てた』結果→「わかりすぎるww」「我が家も全く同じです」思わず共感してしまう『可愛すぎる成長』に82万再生の反響
  11. 1月の消費支出-1.0% 2か月連続のマイナス お年玉ふくむ贈与金が13.8%減少
  12. 米ロ首脳が電話会談 イラン・ウクライナ問題など討議