【資源めぐる外交戦】グリーンランド領有に…トランプ政権「米軍の活用“選択肢のひとつ”」 中国の対日輸出規制“レアアース”対象か【news23】

TBS NEWS DIG Powered by JNN
2026-01-08 14:51

“資源”をめぐる米中の外交戦が活発となっています。トランプ政権は、資源が豊富なグリーンランドの領有に向け、米軍の活用を「選択肢のひとつ」とする声明を発表。対する中国は、日本への輸出規制の対象にレアアースを含むことを検討しているとも報じられています。

【写真を見る】デンマーク自治領のグリーンランド

米軍の活用「選択肢のひとつ」

西半球での「覇権」の確立を狙うトランプ大統領にとって、この場所へのこだわりはひときわ強いものがあります。

アメリカ トランプ大統領
「国家安全保障の観点からグリーンランドが必要だ」

北極圏に位置するデンマーク自治領のグリーンランド。約5万7000人が暮らすこの島は、レアアースなどの豊富な資源に恵まれています。また、地球温暖化に伴い注目されている北極海航路の要衝でもあります。

この北極圏でロシアや中国が影響力を拡大していることから、アメリカは、安全保障上の重要拠点として、強い関心を示しているのです。

ホワイトハウスは6日、声明で「グリーンランドの領有はアメリカの国家安全保障上の優先事項であり、北極圏での敵対勢力の抑止に不可欠である」と主張。

そのうえで「軍の活用は大統領が自由に使える選択肢のひとつだ」と強調しました。NATO=北大西洋条約機構の加盟国への異例の圧力です。

一方、ウォール・ストリート・ジャーナルは、ルビオ国務長官の話として、こう伝えています。

「軍事行動が差し迫っていることを示すものではなく、目標はグリーンランドをデンマークから購入することだ。デンマークに交渉を迫るための圧力だ」

こうしたなか、デンマークに加えイギリス、フランスなどヨーロッパの7か国は共同声明を発表。北極圏の安全保障のためには、NATO加盟国が連携しなければならないとしてアメリカをけん制しました。

そのうえで、主権や領土の一体性といった原則は守られなければならず、「グリーンランドとデンマークの問題を判断するのは住民らだけだ」と強調しました。

さらにトランプ大統領は、SNSでこんなことを発表しました。

トランプ大統領(SNS)
「ベネズエラが制裁対象となっている3000万~5000万バレルの高品質の原油をアメリカに引き渡す」

マドゥロ氏の拘束後、世界最大の原油埋蔵量を誇るベネズエラの石油利権を狙うトランプ氏。「石油は市場価格で販売される」とし、収益は自身が管理し「ベネズエラとアメリカの国民のために活用される」と説明しました。

トランプ大統領
「石油企業と会う。どういうことか分かるでしょう。原油はたくさんあり、原油価格をさらに引き下げる」

近く、アメリカの石油企業幹部と会合を開く見通しで、石油インフラ再建などに協力を求めるとみられます。

また、トランプ政権がベネズエラのロドリゲス大統領代行に対し、中国・ロシア・イラン・キューバとの経済関係を断絶することを求め、石油生産ではアメリカとだけ協力し、原油販売でアメリカを優遇することを求めたとも報じられています。

一方、大統領代行に就任後初めての演説で、ロドリゲス氏はアメリカをけん制しました。

ベネズエラ ロドリゲス大統領代行
「ベネズエラを統治している外部の勢力など存在しない。ベネズエラが治めているのです」

今後のベネズエラ情勢が不透明な中、トランプ氏は麻薬対策が不十分だとしてコロンビアへの軍事作戦の可能性を示唆。中南米にさらなる有事への警戒が強まっています。

パンダ外交が復活?笑顔で自撮りも

覇権をめぐりアメリカと対立する中国は、自国の資源を武器に外交を展開しています。

パンダが見られるのも、残りあと2週間あまり。上野動物園のパンダ、シャオシャオとレイレイは、今月下旬に中国に返還されます。

訪れた客
「パンダまだ2回目だし、これが最後になっちゃうと思うから、とても悲しい」
「たまらない気持ちです、行ってしまうのは」
「早く中国との関係を改善してもらって、早く(パンダに)来てもらいたい」

高市総理の台湾有事をめぐる答弁から2か月。中国は反発を強めていて、新たなパンダが貸し出される見通しは立っていません。

対照的に、パンダ外交が復活しそうなのが、お隣の韓国です。

4日間にわたり中国を訪問していた韓国の李在明大統領。習近平国家主席との首脳会談で、新たなパンダの貸与を要請し、協議を進めていくことで合意しました。

一方の習主席が韓国側に求めたのは、歴史問題での“共闘”です。

中国 習近平国家主席
「両国は手を携えて第二次世界大戦の勝利の成果を守らなくてはならない」

日本と韓国の分断を図る狙いが、あるものとみられます。

李在明大統領
「写真を1枚撮ってもいいでしょうか」

習近平国家主席
「自撮り写真?撮りましょう」

李大統領が手にしているのは、2025年、習主席から贈られた中国のシャオミ製スマホです。

これまで冷え込んでいた両国ですが、関係改善に向け、大きく動き出しているのです。

中国“レアアース”輸出規制か

日本に対して見せるのは別の顔。中国は経済的な圧力を強めています。

中国外務省 毛寧報道官
「国家の安全と利益を守り拡散防止などの国際義務の履行のため、中国が法に則り措置を講じることは完全に正当で合理的かつ合法だ」

中国側が「正当だ」と訴えたのは、日本への新たな規制として打ち出した、軍事転用可能な品目の輸出禁止措置です。

対象となる具体的な品目は分かっていませんが、中国国営メディアはこう報じています。

中国国営メディア「チャイナ・デイリー」(関係者の話として)
「レアアース関連品目の輸出許可の審査を厳格化することを検討している」

中国が世界生産の7割を握るレアアース。電気自動車やスマートフォンなど、幅広いハイテク製品に使用されています。

7日に行われた日中の経済団体による新年会。中国の駐日大使は異例の欠席となりました。出席した日本企業のトップは…

ニトリ 似鳥昭雄会長
「冷蔵庫、テレビや洗濯機、その他の小物家電にも、みんなレアアースが入っていますから、ものすごく心配してます」

レアアースをめぐっては、2010年、尖閣諸島沖で起きた中国の漁船と日本の巡視船の衝突を機に中国が輸出を停止。日本の産業界は大きな打撃を受けました。

輸出規制の影響について専門家は、工業製品が値上がりする可能性を指摘します。

地経学研究所 鈴木一人所長
「中国のものは他の国から輸入するレアアースに比べて5分の1ぐらいの値段。他国から買って生産を継続できる状況であるというのはまだ救いがある。ただ当然ながら価格が高いので、どうしても最終製品の値段に跳ね返っていく」

日本政府はどう対応するのか…

木原稔官房長官
「我が国のみをターゲットにした今般の措置というものは、国際的な慣行と大きく異なり、決して許容できず極めて遺憾であります」

木原官房長官は、中国側に対し「措置の撤回を求めた」と説明しています。

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