食料品「消費税ゼロ」4人家族で年間6万7272円減の試算、迫る選挙と「5兆円の減収」という厳しい現実【Nスタ解説】
選挙を前に各党が取り上げているのが「食料品の消費税ゼロ」。もしそうなった場合、ある試算では4人家族で月に「5606円」の負担減、という数字が示されました。
【画像を見る】「今の世代が将来の世代に対して約30兆円もの借金を付け回している」社会保障費の財源は?
食料品の消費税ゼロで「年間6万7272円」の家計負担減か
出水麻衣キャスター:
現在、食料品の消費税は▲酒類・外食などには「10%」、▲野菜・肉・加工食品・テイクアウトなどには「8%(軽減税率)」 が課せられています。
この「8%(軽減税率)」の消費税を“ゼロ”にしようという案が急浮上しています。
野村総研のエグゼクティブ・エコノミストである木内登英さんによると、1か月あたりの4人家族の食料品の平均支出が「7万5681円」のため、食料品の消費税がゼロになった場合を計算すると、家計負担が「月額で5606円」「年間6万7272円」減少するのではないかということです。
“食料品の消費税ゼロ”を、街の人はどう受け止めているのでしょうか。
「なったら言うことない」食料品の消費税ゼロに街の声
お昼過ぎの横浜市のスーパー「スーパーセルシオ和田町店」。
1月22日、何を買ったのか?
70代
「野菜類。炒め物でも作ろうかなと、酒のつまみに」
レシートを見せてもらうと、商品の合計は2757円。そこに消費税8%の220円が上乗せされ、総額2977円の支払いでした。
80代
「合計1699円、消費税125円。食費だけでも10万円使ってるから、1か月ね。(消費税が)ゼロになったら言うことない」
7人家族の女性は…
70代(7人家族)
「合計1072円、消費税79円」
--消費税がゼロになったら、4人家族で年間6万7000円ほど浮くそうだが?
「うちは約2倍だよね。だから10万円ぐらいってことか。10万円あったら1か月まるまる暮らせるからね、7人でも」
一方で、店側は…
スーパーセルシオ和田町店 鶴田英明 店長
「POPの張り替え作業はアナログ的な作業になるので、かなり時間を要するのではないかと頭を痛めています」
店で扱う食料品は約1万点。全ての商品の値札を新しくするのに、約1か月の時間がかかるといいます。
また、期待することも…
スーパーセルシオ和田町店 鶴田英明 店長
「8%が0%になることで消費が活発化するというところでは、売り上げアップを少し期待してもいいのかな」
税収5兆円減少か 積み上げられる借金に“国際金融の番人”は …
出水キャスター:
消費税は何に使われているのでしょうか。
消費税は、▼年金、▼医療、▼介護、▼子ども・子育て支援といった社会保障に充てるということが法律で定められています。
高齢化に伴い、社会保障費が足りないのではないかという話があります。
2025年度の一般会計の予算によると、消費税による歳入が約24.9兆円(全体の21.6%)の一方、社会保障の歳出は約38.3兆円と約13.4兆円も不足しています。
この足りない部分はどう賄っているのでしょうか。
TBSスペシャルコメンテーター 星さん:
基本的に借金です。今の世代が将来の世代に対して、約120兆円の予算のうち約30兆円もの借金を付け回しているということです。
出水キャスター:
財務省の試算によると、消費税を減税すると歳入がさらに5兆円程度減ってしまい、社会保障費に充てるお金がさらに足りなくなるとのことです。
この不安はどう捉えたらいいでしょうか。
TBSスペシャルコメンテーター 星さん:
「食料品の消費税をゼロにする」という話が具体化していくと、長期金利が跳ね上がったりと、マーケットは日本の将来への不安に明確に反応しています。
仮に減税に踏み切るとしても、財源を明確にしないと、マーケットからますます不信感を浴びせられると思います。
井上キャスター:
減税したら税収が増えるという理論も、数値を出していただきたいと感じます。
出水キャスター:
国際金融の“番人”であるIMF(国際通貨基金)から、ある指摘があります。
IMF(国際通貨基金)は、日本の消費税について、以下のような提言をしています。
▼2019年
消費税率を2030年までに15%、2050年までに20%に段階的に引き上げる必要がある。
▼2025年
消費税率の単一税率化および最終的な引き上げなどの選択肢がある。
このあたりをどう考えるかも大切です。選挙の投票日までに皆さん、冷静に消費税の減税についても考えてみてください。
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〈プロフィール〉
星浩さん
TBSスペシャルコメンテーター
1955年生まれ 福島県出身
政治記者歴30年