教育格差の解消を目指して。大学生を中心としたNPO法人による「オンライン家庭教師」

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2026-01-27 07:30
教育格差の解消を目指して。大学生を中心としたNPO法人による「オンライン家庭教師」

大学生らが設立したNPO法人によるオンライン家庭教師

今回は、大学生のNPOが始めたオンラインによる家庭教師について取材しました。

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多摩地域に在住・在学の大学生らが設立した団体「BORDER FREE」は、教育格差の解消を目指して2021年にサークルが発足し、2023年にNPO法人化しました。

活動内容の一つが「オンライン家庭教師」です。

生徒は、都内の中学2年生。
講師は、早稲田大学2年生の石井陽斗さんです。
この日は、学校で習った国語のフォローをしていました。 

オンライン授業の様子から
講師:今日は国語の冬期講習。文法の解説をします。
   可能動詞を作りなさい。「狙われる」を終止形に変えると?

生徒:狙う。

講師:そうだね。「狙う」になるよね。じゃあそれを可能動詞にするとどうなる?

生徒:狙える。

講師:OKです。残りの宿題はそれだけ?

生徒:いや、いっぱいあります。

講師:国語に関してはわからないところは、言ってくれればサポートするので、
   いつでも言ってください。

「オンライン家庭教師」は対面ではないので、石井さんのように相槌や質問をして生徒のリアクションを見ながら、きちんと参加しているか確認しているそうです。

ほかにも、画面にホワイトボードのようなものを出して講師が赤ペンで問題文に書き込みながら授業を進めるなど、随所に工夫が見えました。

教育格差を解消するためにはじめた「オンライン家庭教師」

このNPO法人BORDER FREEは元々、塾代の支払いが困難な家庭や不登校の子どもたちに向けて、多摩地域や新宿、千葉県など関東近郊で対面による「放課後学習教室」を開いてきました。

対面の教室に加えて、なぜオンライン家庭教師も導入することになったのか。
BORDER FREE理事長の二宮龍斗さんに聞きました。

BORDER FREE理事長の二宮龍斗さん
「教育格差といっても、経済格差とか情報格差とか地方格差とか、いろんな格差が絡み合うことで生まれていると思います。
対面で教室が作れたら理想ですが全国の格差に向き合っていくための手段として、オンラインの家庭教師を作るに至りました。
だいたい6~7割が何かしらの悩みを抱えて来ている方だと思います。
軽度の発達障害を抱えていたり、聴覚過敏で騒がしい環境だとなかなか勉強に集中できないみたいなお子さんもいたりします」

今回のオンライン家庭教師の導入で、二宮さんの出身である多摩地域や関東に加えて、全国の生徒にむけて学習指導ができるようになりました。
授業料は、週1コマ・1時間、月に4コマで10,000円です。
講師によると、一般的な対面の家庭教師の相場より安いそうです。

対面の放課後学習教室でも新しい取り組みを

BORDER FREEはオンライン教室と並行して、対面で続けてきた「放課後学習教室」でも新たな取り組みを始めたそうです。
こちらも取材しました。

それは、老人ホームでの放課後学習教室です。
東京都稲城市の「ハーモニー松葉」という老人ホームで、入居者も交えながら毎週金曜日の夕方に開かれています。
学校の教室2つ分ほどの広さのあるデイルームで、メンターに勉強を教わったり、自習をしたりできる空間です。
取材した日は、小中学生たちの姿がありました。

放課後学習教室の子供たち
(ここを知ったきっかけは何ですか?)
ひいおばあちゃんがここ通ってて教えてくれてここに来ました。
(おばあちゃんたちとどんなお喋りしますか?)
頑張ってるね、こんにちはって。
(何年生ですか?)
中1です。
(ここでのお勉強は捗りますか?)
えっと、まあちょっと騒がしい時もあるんですけれど、家で絶対勉強しないのでそういう時間が金曜日のここで取れるのはいいと思ってます。

この学習教室は月額2,000円で、住民税非課税世帯と児童扶養手当受給世帯の子どもは無料です。

BORDER FREE理事長の二宮さんに老人ホームでの学習教室を始めた理由についても聴きました。

BORDER FREE理事長の二宮龍斗さん
「多世代交流みたいなのができたらいいなと。私たちは学生主体の団体で、学生の強みって、大人っぽい側面と、ちょっとお兄ちゃんお姉ちゃんっぽい側面と二面性を持っているかなと思っていて。私たちは『斜めの関係』と呼んでいます。それが子ども達にとっても親しみやすかったり、質の高い学習支援を届けられている一因かなと思っています。一方で私たちは経験値がない。シニアの方の経験値は時に子どもたちの刺激になったりするかなというところで。
ハーモニー松葉さんでも、利用者の方が元気になってくれたらいいなと当初おっしゃっていたのでそういったところが実現できているのはいいなと思っています」

子どもも保護者も悩みは多様です。
学生が主体となって教育格差の是正に取り組んでいる姿を通して、これからのよりよい学習支援のあり方を私たち大人の社会も考えていきたいと感じました。

(TBSラジオ「人権TODAY」担当・TBSラジオキャスター 加藤奈央)

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