【リスキリング】「週休3日」「休暇給付金」 社会人の“学び直し” 企業や国の支援制度が続々【news23】

TBS NEWS DIG Powered by JNN
2026-01-29 14:30

いま、仕事に役立つ新たなスキルや知識を身につける「リスキリング」に取り組む社会人が増えています。一方で、その意欲の裏には「仕事との両立」や「費用の負担」などのハードルも。みなさんは“学び直し”をしてみたいと思いますか?

【データを見る】Q.リスキリングするなら何を学びたい?(NEWS DIGアプリのアンケート結果)

社会人の“学び直し” 両立は?

とある平日の夕方。喫茶店でひとり、本を広げる女性がいました。

安瀬美香さん(27)
「簿記を勉強するための問題集を今やっているので、それをやっていこうかなと思います」

取り組んでいたのは、会社のお金の流れなどを読み解く「簿記」の勉強です。2年前から独学で始め、休日や往復2時間の通勤時間を活用しています。

そんな安瀬さん、普段の職場は…

安瀬さん
「お預かりいたします。こちら袋はご用意しますか?」

都内のドラッグストアです。大学で取った管理栄養士の資格を生かしながら、働いて6年目になります。

お客さん
「乾燥肌にいいクリームって?」

安瀬さん
「これが、ヘパリンの成分が入っているのと、痒み止めとかが入っているので…」

化粧品売り場を主に担当。丁寧な接客が評判ですが、なぜ「簿記」を?

ココカラファインヘルスケア 安瀬美香さん
「今の仕事って体力が必要なので、『この先続けていけるのかな』という不安はあって。本社を目指していて、経理やりたいので、一番役に立つ資格になるのかなと」

安瀬さんのように、働きながら新たなスキルを習得する「リスキリング」。

【リスキリングに対する意識調査】
経験あり:24.3%
意向あり:12.8%

1位:自己成長や自己実現のため
2位:年収を上げるため、キャリアアップ・昇進を目指すため
※マイナビ転職調べ(対象:正社員800人)

民間の調査によると、約3人に1人は「リスキリングしたい」、または「経験がある」としていて、その多くが「年収アップ」や「キャリアアップ」を意識しています。 

リスキリング中 会社員(30代)
「いま英会話学校とそろばん教室に行っています。(会社の)昇格要件になっていたりするので」

リスキリング中 営業職(20代)
「資格を持っていると、例えば転職の時にもすごく有利に働いていくと思いますし、今すごく大事なことかなと思っています」

リスキリング経験者 IT系(20代)
「今働いているチーム内で、お金の知識が必要だなと感じたので、簿記の資格を勉強して取りました」

両立のカギは…週休3日制

学び直しで得た知見を自社で生かしてもらおうと、企業側もリスキリング支援に前向きです。中でも、いま広がりつつあるのが「時間面」でのサポート。

さきほどの安瀬さんが勤める「マツキヨココカラ&カンパニー」では、2024年から「週休3日制」を選択できる制度を導入していて、安瀬さんも利用しています。

本来働くはずだった1日の勤務時間を、残り4日に2時間ずつ割り振ることが認められているので、給与を維持したまま、勉強に専念できる時間が確保できました。

ココカラファインヘルスケア 安瀬さん
「勉強を始めたら結構楽しくて、(簿記)3級は取ったんですけど、今2級に挑戦してる感じです」

より思い切った方法で、社員のリスキリングを推し進める企業もあります。

人手不足でも“休職”後押し

大手旅行会社に勤める酒井萌生さん(40代)。長年いた法人営業部からの部署異動が転機となり、3年前にキャリアを一時中断しました。

グッドフェローズJTB 酒井萌生さん
「経営に携わるような仕事内容になったことで、自分の限界を感じた。異次元レベルの進化をしないと多分限界突破できないと思って、2年の休職っていうのを選んだという形です」

酒井さんの挑戦を後押ししたのは、会社独自の“リスキリング休職”制度。

ビジネススキルの向上や語学留学など、自己研鑽のために最大2年間会社を休めるというものです。(JTB:2021年~)

休職中は大学院でMBA(経営学修士号)を取得し、人材系コンサルティング会社でインターンシップにも挑戦。復職した現在は、グループ会社の経営戦略部でチームを率いる存在として活躍しています。

一方で、こんな苦労も…

リスキリングには資金負担も

グッドフェローズJTB 酒井さん
「『まあ貯金もあるし大丈夫だろう』ぐらいしか考えていなかったですね。500万円くらいかかったんじゃないかな。結局(貯金が)底を尽きそうになったので、夫との共通口座から『ちょっと貸して』って」

投じた費用は総額500万円。学費や社会保険料の支払いで貯金は底をつきましたが、それでも、得られたものの方が大きいと話します。

グッドフェローズJTB 酒井さん
「どこが正解かというのがない中で、自分なりに『ここなんじゃないか』という所を見つけながら、1個1個解決していくことは、大学院とかインターンシップとかで体験してたことが、そのまま実行できているのかなって」

酒井さんの上司
「いろんな人材、スキルを持ったスタッフが集まることによってチームや会社のパフォーマンスは上がる」

個人だけでなく、会社の成長にもつながるというリスキリング。休職制度の導入には人材流出を防ぐ狙いもあります。

JTB人事企画担当 長谷川潤さん
「短期的には社員が休まれることで、周りの方も含めて負荷はかかると思いますが、将来的な人材定着とか、社員の方にとってのエンゲージメント(会社との結びつき)が上がっていくことは、今後期待できると思います」

国も支援を加速「教育訓練休暇給付金」

藤森祥平キャスター:
皆さんそれぞれの時間を有効に使って、学び直しをされてる方の様子をお伝えしました。

TBS NEWS DIGのアプリから伺っている「リスキリングするなら、何を学びたい?」です。結構割れていて、一番多かったのが「語学」です。

改めてアプリを見ると年代別に分かれていて、面白いのが、10代の方はITスキル、20代、50代、60代の方は英語であったり、趣向が変わっているところが面白いなと思いました。

小川彩佳キャスター:
藤森さんはどうですか?

藤森キャスター:
本を読んだりとか、映像を見たりするのに走ってしまって、資格までは手が回っていません。限界突破はいつも考えてるんですけど…

小川キャスター:
日々リスキリングをしているということですよね。

藤森キャスター:
うーん。トラウデンさんはどうですか?

トラウデン直美さん:
私も、「リスキリングするなら」と考えたんですが、どのスキルがあれば自分のステップアップに繋がるかというのは、明確にわからない場合もあるから、意外と難しいなと思ったりもしますね。

藤森キャスター:
志向があってるものとか、得意分野とかには行きやすいけど、それが仕事に合ってるかというのは、また別ですよね。

トラウデン直美さん:
実際に、AIを学ぶ専門部署ができた学校の取材に行ったりもしたんですが、20代、30代の方がたくさんいて、AI分野はやはり注目が高いんだなと思いました。

藤森キャスター:
現在、この取り組みに対し、国も支援を加速させています。2025年10月から国は「教育訓練休暇給付金」(※一定の要件を満たす必要あり)という制度を始めています。

これは無給の“リスキリング休暇”を、30日以上連続で取得するなどの条件を満たした人に対して、賃金の5~8割の給付金(直近6か月の賃金日額に応じて算定)を最大で150日間支給(雇用保険の加入期間に応じて異なる)するという制度があります。

ただ、これは皆さんに対して払われる訳ではなく、会社に“リスキリング休暇”制度が存在することなどが前提条件になっているということです。

【“リスキリング休暇”の導入状況】
▼導入している:7.5%
▼導入を検討している:9.1%
▼導入していない・予定していない:83.4%
※厚労省・令和6年度「能力開発基本調査」

厚生労働省の調査を見てみますと、実際に導入しているのが、まだ7.5%。1割にも満たなく、まだまだ広がっていません。

この理由を聞くと、「代替要員の確保が困難であるため」。人手が足りないので、代わりの人を確保するのが難しいから、簡単には導入できないということで、この壁を何とかしなくてはいけないようです。

支援進むも企業はジレンマ「代替要員の確保が困難」

小川キャスター:
人手不足でなるべく職場を離れて欲しくない一方で、リスキリングなどの制度を充実させていかないと、人が離れてしまうきっかけになってしまいますね。

トラウデン直美さん:
「余裕がないから、提供したくても、時間が提供できない」という場合。また、「賃金を上げる余裕がないから、リスキリングをしても満足してもらえない、むしろ離れていってしまう」というようなジレンマもありそうですね。

「導入が進んで欲しい」と手放しに言えない難しさがありますよね。

藤森キャスター:
職種とか業界とか、それぞれ立場、状況が違いますからね。

小川キャスター:
企業にとって、「プラスに働いている」という実感が積み重なっていくと、変わっていくかもしれないですね。

トラウデン直美さん:
成功体験が増えて欲しいですね。

藤森キャスター:
皆さんも学び直し、いかがでしょうか。

リスキリングについて「みんなの声」は

NEWS DIGアプリでは『リスキリング』について「みんなの声」を募集しました。

Q.リスキリングするなら、何を学びたい?
「ITスキル」…17.5%
「ビジネススキル」…8.2%
「語学」…26.0%
「資格取得」…10.0%
「興味がない」…17.5%
「その他・わからない」…20.8%

※11月28日午後11時22分時点
※統計学的手法に基づく世論調査ではありません
※動画内で紹介したアンケートは29日午前8時で終了しました

==========
<プロフィール>
トラウデン直美さん
Forbes JAPAN「世界を変える30歳未満」受賞
趣味は乗馬・園芸・旅行

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