ジャガイモが小玉化…ポテトチップスは“焦げ”の危機?企業が挑む10年にわたる「暑さに強い品種作り」【Nスタ解説】
ジャガイモが今、生産量が少なく、小玉傾向にあり高騰しています。
このままではいけない!と北海道のJAが、ジャガイモの品種改良に取り組んでいます。
【画像を見る】「こんなにサイズが違う?」生育不良の影響でポテトチップスが…
ジャガイモの価格が高騰 サイズも小玉に…
出水麻衣キャスター:
“ジャガイモ”の価格が、平年と比べると約1.6倍に跳ね上がっていて、1月27日時点で1kgあたり314円になっています。
埼玉・川口市にあるスーパー「新鮮市場 東本郷店」では、例年のこの時期1袋約200円のジャガイモが、1袋278円で売られていました。
実は今、こちらのお店では、2025年の同じ時期と比べて、北海道産のジャガイモの仕入れ価格が、10kgあたり1000円以上も値上がりしているそうです。
さらに…
新鮮市場 東本郷店 飯田智成 店長
「当店だと(ジャガイモの大きさは)Lサイズだけど一回り小さい感じ。Mサイズが混ざっている。今年はちょっと小さいのも(Lサイズの)基準をクリアしちゃってる。袋詰めするときはグラム売りで」
「春先までは高値の見通し」原因は夏の高温
出水キャスター:
最近スーパーでジャガイモを買うと、『大きいものと一緒に小ぶりなものも混じっているな』と思っていました。
「ジャガイモ卸売り価格の推移(東京都中央卸売市場)」を見ると、2025年の秋頃から少しずつ値段が上がっています。
平年値198円と比較すると、1月27日は314円と1.6倍の価格になっています。
※資料:農林水産省統計部「青果物卸売市場調査(日別調査)」
様々な料理に使える汎用性の高い食材ですから、「高い」と思っている方も多いかと思います。
ジャガイモの値段が上がっている理由は、農林水産省によりますと、生産量の8割を占める北海道産が、▼夏季の高温、▼干ばつの影響により、出荷量が少なく、小玉の傾向にあるということです。
今後の価格がどうなるのか聞いたところ、「今月から鹿児島産も出始めているが、春先までは高値が続く見通し」ということです。
ジャガイモは「小さいとコゲやすい」とのこと。“コゲる”と、どの業界が困るのでしょうか。
小さく、焦げやすく…ポテトチップスにも影響
埼玉県八潮市にある「菊水堂」の工場で作られていたのは、“ポテトチップ”。
創業73年、“出来たてをその日に出荷”が売りですが、今、頭を抱えていることがあります。
菊水堂 岩井菊之 社長
「いま揚がっているポテトチップをとりました。小さなものが大変多くなっている。大きいかなと思っても小さめ。小ぶりなジャガイモが大変多い。イモが弱いので、部分的に焦げるものが増えてきます」
生育が良くないと、うまくデンプンに変換できない糖が増加します。糖度が上がることで焦げやすくなり、選別の工程で廃棄になってしまうものが、いま増えているといいます。
ジャガイモを見せてもらうと、通常の3分の1ほどの小ささです。約9割が北海道産ということです。
菊水堂 岩井菊之 社長
「ジャガイモのサイズは天候やいろんな影響を受けています。私どもではどうしようもない。農家さんに頑張ってもらいたい」
ポテトチップに、このような影響が出ることについて、いかがでしょうか。
「カルビー」は研究所を設立!?進むジャガイモの品種改良
出水キャスター:
このままではいけないということで、ジャガイモの品種改良に乗り出しています。
北海道JAの対策では、毎年気温や天候が違うので、そういった環境の変化に適した品種改良を行っているとのこと。
試験研究機関に依頼し、「暑さ」「害虫」などに強いものを、10年以上に渡って研究しています。近年は「高温に強い」品種作りに注力しているということです。
さらに、日本で生産されているジャガイモの約2割を調達している「カルビー」では、1985年から「馬鈴薯研究所」を設立し、品種改良や栽培・貯蔵技術の研究を行っています。
近年では、▼潅水設備を導入し、水の量・タイミングを研究、▼貯蔵施設の拡充をすることで、温度上昇で病気が発生しないよう冷蔵設備を導入し品質管理など、研究に注力しているということです。
生産量の約2割を調達しているカルビーが研究を進めることによって、私たちの食卓に届くジャガイモにも研究成果が浸透し、安定供給に繋がっていくのではないでしょうか。