学習管理から学習体験へ――「BlendVision AiM」の新機能「スキルアップ・サプリ」が切り拓く次世代の人材育成
動画や会議データが社内にあふれる一方で、「活用しきれない」という課題は多くの企業に共通しています。
KKCompanyが提供するマルチメディア対応AIプラットフォーム「BlendVision AiM」は、2024年のリリース以降、社内研修や会議データを研修教材として活用できる仕組みを整え、企業の教育環境を支えてきました。また2025年のアップデートでは、管理機能や動画検索・分析機能の強化が行われました。研修の運用効率をさらに高めています。
そして2026年1月28日には、新機能「スキルアップ・サプリ」を搭載したバージョンが公開されました。
社員一人ひとりが自分の学習を選び、AIが最適な学習プランを提示することで、受け身の研修から主体的な学びへと進化。BlendVision AiMは今、学習を管理するツールから、学習体験を支えるプラットフォームへと進化しています。
進化を遂げるAIプラットフォーム「BlendVision AiM」

「BlendVision AiM」は、アジア太平洋圏に事業拠点を持つAIマルチメディアテクノロジーグループ、KKCompany Technologiesの日本法人であるKKCompany Japan合同会社(以下、KKCompany)が2024年4月にリリースした、マルチメディア対応AIプラットフォームです。
会議録画や研修動画などの動画コンテンツを自動で文字起こし・要約。必要な情報に素早くアクセスできる環境を提供しています。
特徴は、動画活用を前提とした設計や、法人利用に必要な管理機能、直感的に操作できるUIを備え、企業の現場で“使われること”を重視している点です。
これまでBlendVision AiMは、業務効率化や情報共有を支えるツールとして、LMS(学習管理システム)的な役割を担ってきました。
では今回のアップデートで、BlendVision AiMはどのように進化したのでしょうか。
新サービス「スキルアップ・サプリ」が追加

今回のアップデートで新たに追加されたのが、学習支援機能「スキルアップ・サプリ」です。
これは単なる機能追加ではなく、BlendVision AiMの役割そのものを拡張する存在として位置づけられています。
スキルアップ・サプリは、BlendVision AiMの動画解析や検索などの基盤技術はそのままに、学びの設計そのものが見直されたツールです。
まず学習コンテンツ。DXやAIなどビジネスに直結するテーマを中心に1000本以上が提供されます。必要に応じて専門性の高いオプションも追加でき、企業ごとに柔軟な活用が可能です。
次に、AIによる個別学習プラン。社員一人ひとりの経歴や目標に合わせ、最適な学習ロードマップが提示されます。これにより、迷う時間を減らし、学びに集中できる環境が実現します。さらに、AIが自動で作るテストと認定証の発行も可能。学習成果が“形”として残る仕組みも整えられています。

これらの機能は、専用モバイルアプリにも対応。移動やスキマ時間を、そのまま学習に活かせます。
スキルアップ・サプリは単なる便利機能ではありません。「学ばせる仕組み」から「学び続けられる環境」へ、学習の重心を移すアップデートといえるでしょう。
なぜ今、LMSからLXPなのか

スキルアップ・サプリの背景にあるのが、LMS(Learning Management System、学習管理システム)からLXP(Experience Platform、学習体験型プラットフォーム)への転換です。これは、学習の主体を“組織”から“個人”へと戻す発想といえます。
学習者視点
従来のLMSでは、用意された研修を「受ける」ことが目的になりがちでした。 スキルアップ・サプリでは、学習者自身のスキルやキャリアを起点に、AIが必要な学びを提示します。成果はテストや認定証によって可視化され、次の学びへと自然につながります。
管理者視点
管理側にとっても、LXP化の意義は大きいといえます。
必修研修の配信や受講状況の把握、テスト作成・採点を自動化することで、運用負荷を大幅に軽減。細かな管理を強化するのではなく、学習が自然に回る仕組みを整える設計です。
テクノロジーや業務の複雑化が進む現在のグローバル企業環境では、社員一人ひとりの自律的な学びが成果やイノベーションに直結します。
LXP化は、単に学習管理の効率化だけではなく、社員の意欲を引き出し、自ら学びを選択できる環境をつくることで、組織全体の成長や社会への貢献へとつなげる取り組みとなるでしょう。
AI進化が支えるこれからの人材育成

KKCompanyが描く人材育成の将来像は、過去の挑戦と失敗、そしてAIの進化を踏まえた先にあります。
数年前、同社ではIDP(Individual Development Plan、個人開発計画)の導入に挑戦しました。しかしそれは実に困難を極めたものだったといいます。代表のトニー・マツハシ氏は、少し苦笑を浮かべながら当時をこう振り返ります。
「理想は正しかった。ですが、社員ごとに面談を重ね、ニーズや必要な学習を整理して合意して、進捗を確認して……。この膨大なプロセスを人間の手だけで行うのに限界を感じたんですよね。結局とん挫してしまいました」
そんな状況を変えたのが、マルチモーダルAIの進化です。音声やテキスト、映像までをAIが解析し、動画は自動でタグ付け・要約されます。
「何もしなくても、AIが勝手に分析してくれる。タグを見れば、一発で欲しい情報に辿り着けます」こうして、個人の経験に留まっていた知見は、誰もが活用できる共有資産へと変わっていきました。社員一人ひとりの学びが、組織全体の成長につながる環境が生まれたのです。
「BlendVision AiMは、AIに詳しい人だけのためのツールではない。誰もが直感的に使え、自然と学びを引き出せる設計を重視しています」
そう語るトニー氏の表情は、自信に満ちたものでした。
AIを“使いこなす”ことを求めるのではなく、誰もが“使えてしまう”状態を目指す。
それが、KKCompanyが描く次世代の人材育成です。
次世代AIプラットフォームが見据える将来の人材育成の形

かつて頓挫したIDPの理想は、AIの進化と企業環境の変化に支えられ、着実な前進を予感させます。
BlendVision AiMは、人材育成のあり方に悩む企業にとって、学習体験を支える次世代プラットフォームとしての有力な選択肢の一つとして注目されます。
<取材・撮影・文/櫻井れき>