【解説】トランプ氏は「米軍に死者が出ることを最も危惧」 イランでの作戦長期化も懸念の中で出口戦略は?

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2026-03-01 21:47
【解説】トランプ氏は「米軍に死者が出ることを最も危惧」 イランでの作戦長期化も懸念の中で出口戦略は?

イランへの攻撃をアメリカ国内はどのように受け止めているのか?作戦長期化も懸念される中、トランプ大統領が最も危惧していることは何なのか?ワシントンで取材を続ける記者が解説します。

【写真で見る】地上侵攻の可能性は? トランプ大統領が最も危惧する「米軍の犠牲」

イランへの攻撃 アメリカ国内での反応は? 注目は「出口戦略」 

守川雄一郎記者:
現在アメリカでは、アメリカ軍がターゲットにしていた最高指導者ハメネイ師を死亡させたことが非常に大きく報道されています。

ただ攻撃自体について、アメリカ社会やアメリカメディアがどのように受けとめているかというと、大きな驚きを持って受け止めているとは言えない、と感じています。

その理由として、1点目は第二次トランプ政権の発足後、イランの核施設やベネズエラへの攻撃など、軍事行動が続いていたということです。2点目は、2025年の12月以降、トランプ大統領がイランへの攻撃について「いつあってもおかしくない」という発言を繰り返し、空母打撃群を中東地域に集めていたことです。

こうした状況が、「イランに対しいつ攻撃があってもおかしくない」というムードをアメリカ社会にもたらしていたと言えると思います。

こうした中アメリカメディアで今注目を集めているのが、トランプ大統領の出口戦略です。

トランプ大統領は、出口戦略についてインタビューで2つ示しています。1つが、攻撃を長期化させてイランの全てを掌握すること。2つ目が、攻撃を2・3日で終結させるということです。

特に注目されているのが後者です。トランプ大統領は攻撃後のCBSテレビのインタビューに対して、「外交的な解決の可能性は残されている」とした上で、「昨日(2月28日)よりも遥かに簡単になった。イランが打ちのめされているからだ」と強調しています。

ただ、自信満々なトランプ大統領ですが、すべて思惑通りにいくかというと、そう簡単ではないと言えます。

地上侵攻の可能性は? トランプ大統領が最も危惧する「米軍の犠牲」

駒田健吾キャスター:
攻撃が長期化するのか数日で終わるのかまだわかりませんが、地上侵攻というのは選択肢としてあるのでしょうか?

守川雄一郎記者:
アメリカは、地上侵攻はなかなか難しいと考えていると言えます。

過去のイラクやアフガニスタンでの軍事活動を踏まえ、トランプ大統領は「泥沼化することを最も避けたい」と考えていると思います。このことから、アメリカにとって最も懸念すべき点の一つが「アメリカ軍の対応力」です。

今回の攻撃のために集められた2隻目の最新鋭の原子力空母は、カリブ海でのベネズエラの軍事作戦から転戦してきています。25年の6月から海上で展開していて、任務の延長が続き、活動は長期に及んでいるのです。

兵士が稼働する日数の面でも、船のメンテナンスという面でも、「これ以上の長期間の作戦対応はかなり難しいのではないか」というのが、軍事関係者の一致した見方です。絶大な軍事力を持つアメリカでも、いくつもの軍事作戦を連続して続ける余力はありません。

こうした状況をイラン自体もよくわかっているので、お互いどこに落としどころを見出すのかという点からも、トランプ大統領が今回行った軍事行動という賭けは、「ローリスクだった」とは言えないと思います。

駒田健吾キャスター:
今回トランプ大統領が、「アメリカ軍の兵士に犠牲が出るかもしれない」と踏み込んだ発言をしていました。これは、トランプ大統領の本気度を示す言葉なのか、どうなのでしょうか?

守川雄一郎記者:
トランプ大統領は、この作戦の危険度を理解し死者がいつ出てもおかしくないと考えているからこそ、あらかじめ予防線を張ったと言えます。

攻撃後、アメリカ軍の公式発表の中で何が強調されているかというと、「現在までにアメリカ軍の死傷者はゼロである」ということです。イラン側は、「アメリカ軍の人員に数十人の被害が出ている」と発表していますが、アメリカ側は、「死者はゼロで防御の作戦は非常に上手くいっている」ということを盛んに強調しています。

アメリカ軍に死者が出ることが、いかに世論に影響を与えるかが、トランプ大統領が最も危惧している点だと言えます。

トランプ大統領が指す「You」とは? 念頭にはベネズエラか

秌場聖治 元JNN中東支局長:
トランプ大統領が、ビデオメッセージの中で「イランの人々立ち上がれ」という趣旨の発言をしました。「これがあなた方の最後で最大のチャンスだ」ということを言っていましたが、この「あなた方」とは誰なのかが気になっています。

例えばシリアでアサド政権が倒れたときは、反体制派が周辺国の支援を受けてダマスカスまで攻めていきました。ただ今回のイランでは、そのような勢力がなかなか見えにくい。バロチスタンやクルディスタンの方に武装勢力がいるかも知れない一方で、民主派のデモをやっていた人たちもいます。トランプ大統領が言っていた「You」とは誰だと、アメリカでは分析されているのでしょうか?

守川雄一郎記者:
その「You」は、2つ指摘できると思います。1つが、これまで反政府デモなどを行っていたイランの市民層です。2つ目が、イランの精鋭部隊の革命防衛隊や治安当局などの体制側です。トランプ大統領はメッセージの中で彼らに対して、「抵抗を止めて、アメリカ側に向き合う」ことを求めています。つまり、体制側もアメリカ側に取り込むことが、イランがアメリカが望む体制へ円滑に移行することに繋がると考えていると思います。

この背景には、国の規模が小さくて簡単な比較対象にはなりませんが、アメリカにとってベネズエラの事例があるとも言えます。

ベネズエラ攻撃の際には、マドゥロ大統領は拘束したけれど、マドゥロ体制は残したままで、アメリカへの協力に移行させるという流れを今作っています。イランに対しても、そのように進んだら100点だ、というイメージを描いていると言えます。

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