日本最大級の「探究学習」の祭典「クエストカップ2026」――全国の中高生が挑む社会からの課題

2026-03-04 01:00

全国の中高生が挑む探究学習の祭典、「クエストカップ2026」が、2026年2月26・27日、立教大学池袋キャンパス・タッカーホールで開催されました。

クエストカップは、発表者数No.1を誇る探究学習の全国大会。実社会の課題や企業のミッションを題材に、探究活動を通して“生きる力”を育む「クエストエデュケーション」に取り組む全国の中高生が参加しました。

参加者は、この1年間にわたって探究活動を続け、チームごとに課題の設定からアイデアの検証、プレゼンテーション作りまでを実践。選考を経て選ばれたチームがステージに立ち、自らの探究の成果と想いを社会に発信します。
緊張と期待が入り混じる各チームの個性あふれる発表に、会場からは温かな拍手が送られました。

「クエストカップ2026」とは?

自らが問いを立てて課題を設定し、調査や分析を通じて解決策を導く――。主体的に学ぶ姿勢を育む「探究学習」は、2022年度より高校の「総合的な探究の時間」として必修化されました。
今年で21回目を迎える「クエストカップ2026」は、その学びの成果を社会に発信する全国大会。日本最大級の探究学習の祭典です。
今年は全国10万人、130校242チームの中高生代表が集結。企業から提示された“答えなき課題”に取り組みました。

舞台に輝く無限のひらめき

2日間にわたる今大会では、出場校が「Qグループ」「Eグループ」に分かれ、協賛企業から提示された「ミッション」に取り組みます。

初日の26日「Qグループ」では、ファーストステージにて企業ごとに7校が選出。セカンドステージで各社の代表チームによる最終発表が行われました。

各校の生徒たちは大きな舞台に緊張の様子を見せながらも、しっかりと自分たちの声で探究の成果を伝えます。 寸劇あり、アニメやゲーム画面などグラフィックを使った発表あり。チームそれぞれ工夫をこらした発表で会場を沸かせていました。

中でも関心を集めていたのは、「『ありのままでいられる時間』をすべての10代に届けるサントリーの社会的プロジェクトを提案せよ!」に取り組んだ、栃木県立佐野高等学校附属中学校「GRAFIGHT0.5」。舞台を大きく使って元気に語りかける演出に笑いと拍手が沸き、会場は一体感に包まれました。

また、小林学園本庄東高等学校「16年目の勇者」は、「『不思議なタブー』から人々を解放する富士製薬工業の新たな挑戦を提案せよ!」のミッションに対し、難易度の高さを思わせる「女性の生理」に着目。クエストゲーム画面を用いたアイデアで立ち向かいました。

次々飛び出すユニークな着眼点や柔軟なアイデア――。そこには、大人の視点ではたどりつけない自由さと等身大の輝きがありました。

頂点を目指した熱き挑戦――グランプリ発表

緊張と躍動が交錯する7校の発表を終え、いよいよ全国130校から「クエストカップ」の頂点が決まります。

準グランプリ 大妻中野高等学校「Reso5」――レゾナック

準グランプリ 大妻中野高等学校「Reso5(れぞふぁいぶ)

「『見えないチカラ』で社会を豊かにするレゾナックならではの実験的プロジェクトを提案せよ!」に対し、空気の状態を可視化するオブジェクトを提案。

「全編を日本語で挑戦した」という帰国子女のメンバーは、第二言語で全国大会に出場できた経験に、喜びを口にしました。

グランプリ 関西創価中学校「紗麗望仁組」――鴻池組

グランプリ 関西創価中学校「紗麗望仁組(しゃりもにぐみ)

ミッションは「『自然と人がとけあう』社会へと革新する鴻池組の未来プロジェクトを提案せよ!」。

気分が憂鬱になりがちな雨の日を、逆転の発想で“生かす形”に変えたテーマパーク「Syn Park」を提案。審査員からは「身近なテーマで提案内容がわかりやすく、みんながワクワクする企画」と高く評価されました。また、プレゼンテーション能力の高さと練習の成果も印象的で、グランプリの決め手となったようです。

グループリーダーはこの評価に「チームみんなのおかげでここまで来れて、もうすっごい楽しかったし、嬉しいです。ありがとうございます」と喜びを噛みしめていました。

探究の芽が示す未来への可能性

法政大学キャリアデザイン学部教授 児美川(こみかわ)孝一郎氏

審査員を代表し、法政大学教授の児美川氏は「無理にグランプリを決めなくてもいいじゃないか、と感じるくらい各校ともすばらしい発表」とした上で、今回のクエストカップについてこう振り返りました。

「発表のアプローチや表現方法はチームごとに違いますが、『探究』のプロセスには共通した流れや考え方が見られます。企業からのミッションをかみ砕き、日常の体験からテーマに落とし込み、そこから導きだされたアイデアを検証・データ収集する。これをしっかり行ったチームの発表には、深みと安定感があります」

また児美川氏は、提案に附随する現実的な課題も把握した上での発表を高く評価。課題解決の可能性の広がりに期待を寄せます。 最後に、全てのチームの挑戦、学び、努力に敬意を表すとともに、「今後の学生生活も、自信を持って取り組んでほしい」と締めくくり、総評としました。

探究学習が育む、これからの社会

「教育と探究社」開発・提供の「クエストエデュケーション」で培った探究の芽は、やがて社会へはばたき、大きな花を咲かせるでしょう。

「クエストカップ」は、未来のさまざまな課題に立ち向かう力となって、社会の発展に大きく貢献していくことに期待が寄せられます。

<取材・撮影・文/櫻井れき>

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