旧統一教会に東京高裁も解散命令で今後どうなる?「法人」失うも活動は継続可能 清算手続きに2つの懸念【Nスタ解説】

TBS NEWS DIG Powered by JNN
2026-03-04 20:08

旧統一教会に対する文科省による解散命令請求。東京地裁に続き、4日、東京高裁も解散を命じました。

【画像を見る】「解散命令」の決定に現役信者は…

献金収入額から判断か 東京高裁が「旧統一教会」に解散命令 

南波雅俊キャスター:
東京高裁による「旧統一教会」解散命令の決定は、高額な献金を集めてきた教団の体質について、東京高裁がどう評価するのかが大きなポイントでした。

教団側は高額献金問題を受けて、2009年に組織の変革を図る「コンプライアンス宣言」を行いました。

「コンプライアンス宣言」が行われるまでは、予算額(献金目標額)は約500億円を超えていました。その後は下降傾向にあったものの、だんだんと増加し、安倍元総理銃撃事件があった2022年度には、予算額は560億円となりました。

TBS報道局 社会部 永橋風香 記者:
教団側は、「『コンプライアンス宣言』以降の献金については、民事訴訟が減っている。状況は改善された」と主張していました。

しかし、東京高裁は「献金収入の推移から、高い献金目標額を設定しており、信者たちが不法な献金の勧誘行為を行ってきたことが認められる」と判断。

また、安倍氏銃撃事件以降は献金の目標値を下げましたが、「対外的な批判に対応する暫定的な措置に過ぎない」と評価しました。

ポイントは“清算手続き”の開始 解散でどう変わる?

南波キャスター:
解散命令が行われましたが、「解散」としつつも、団体として「解散」するわけではありません。

大きなポイントは、「宗教法人でなくなる」というところです。

憲法が保障している「信教の自由」のもと、任意団体として宗教活動は続けることができます。

しかし、宗教法人ではなくなるため、▼信者の寄付、▼お守りの販売など、これまで非課税だったものが、課税されることになります。さらに、礼拝施設などの▼固定資産税がかからないといった優遇措置がなくなります。

そして、大きなポイントは「清算手続き」が始まるということです。

「清算手続き」とは、教団が持っている財産を整理すること。
東京地裁が選んだ“清算人”が、教団の財産の管理や処分を行います。その中には、高額献金をした被害者への弁済も行われていきます。

今後、本格的に清算手続きが始まりますが、被害者側の弁護団は懸念も口にしています。

「清算手続き」にある2つの懸念点 

被害救済に取り組む弁護団
「人生の深刻な影響を受けた被害者、その家族が長く待ち望んできたものです」

4日午後1時半すぎ、教団による被害の救済に取り組む弁護団が会見を行いました。

東京高裁が旧統一教会に解散を命じたことで、今後、清算手続きが始まりますが、弁護団は高額の献金をした被害者への救済が進むことに期待をにじませる一方、懸念も語っています。

被害救済に取り組む弁護団
「清算人が実際に活動を始めて、(教団に)どこまでの現預金を確認できるのかは、蓋を開けてみなければわからないんだろうなと」
「清算人は大変だと思います。お金はしかるべきところに隠されているという状況のようですから」

南波キャスター:
大きく分けると2つの懸念点があるということです。

1つは「賠償額が不透明」という点。
数十年前に献金をしていて物証がないケースや、時間が経ってから被害に気づくケースもあり、どこまで被害の実態を把握できるのかわからないということです。

被害者の弁護団は、「まだまだ隠れた被害者がいる」と訴えていて、その被害額は数千億円を超える可能性もあると指摘しています。

教団の施設は全国に約280か所あり、資産は1040億円とされていて、資産を上回ってくる可能性もあるところが大きな懸念点です。

2つ目は「清算人の権限があいまい」という点。

TBS報道局 社会部 永橋 記者:
「清算手続き」と似たものに、「破産手続き」があります。破産管財人は、法律に「調査権限がある」と明記されており、「調査に破産者が協力しない場合や、財産を隠したりした場合には、拘禁刑や罰金刑などの刑事罰が科されることもある」と法律に記載されています。

一方で、法律に書かれている「清算人」の職務は(1)残務を終わらせる、(2)債権の取立て・弁済、(3)残った財産の分配、の3つだけです。
職務を行うために「必要な一切の行為をすることができる」と書かれていますが、「必要な一切の行為」というのは、どこまでのものなのかが曖昧になっています。

例えば、「財産を隠していた」ことが実際にあった際、どこまで強い権限を持って対応できるのかどうか。その点が心配されています。

名前を変えて存続の可能性も…今後の動向に注視か

井上貴博キャスター
旧統一教会は韓国に本部があり、多くの送金をしていたと言われます。海外に隠し資産があった場合、どう清算していくのかが難しいと思います。

さらに、「清算を終えて余った財産は、旧統一教会が指定した団体に送って良い」とされています。旧統一教会は今のところ「北海道にある宗教法人に送る」と言っていますが、旧統一教会が名前を変えて、中身とお金を移して、存続することができそうです。

お笑い芸人 令和ロマン 松井ケムリさん:
教会側も被害者補償の委員会を作っていますが、その補償もスピード感や額が疑問視されています。清算人がスピード感を持って、正しい金額を算定して、補償してくれることを注視していくしかないですよね。

井上キャスター:
今後、任意団体として残る可能性もあるということですから、動向はしっかり見ていかないといけないですね。

過去には、オウム真理教も解散命令を受けて、継続団体が国の監視下に入っています。旧統一教会も同様に監視していくのかなどは、今後の課題になりますよね。

TBS報道局 社会部 永橋 記者:
文科省は、清算人について「刑事罰を科すことも検討するように」と指針を出していますが、あくまで法的拘束力はないものになっています。

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<プロフィール>
永橋風香
TBS報道局社会部 法務省・裁判担当
ジェンダーや家族のあり方を取材

お笑い芸人 令和ロマン 松井ケムリさん
1993年生まれ 慶應義塾大学法学部卒業
M-1グランプリ2023・2024 史上初の連覇達成

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