柔道 東京五輪金メダルの髙藤直寿「柔道選手として一区切り」「すべてが私の青春」引退会見

東京オリンピック柔道男子60kg級で金メダルを獲得した髙藤直寿(32)が、所属するパーク24本社で行われた会見で「柔道選手として一区切りつけた」と引退を発表した。「今までたくさんの方々に支えてもらい、ここまでやり切ることができた。本当にありがとうございました」と感謝の思いを伝えた。
引退を決意した経緯について、髙藤は「(昨年の)講道館杯で負けたときに、(2028年)ロス五輪は厳しいだろうなと思い、自分自身諦めたくない気持ちはあったが、現状を見て無理だと思った。グランドスラムを見て後輩が勝った時に嬉しかったというのもあり、選手としては戦うべきではないと思った。あとはもう負けたくないっていう思いもあった」と率直に語った。
髙藤はリオ五輪(16年)で銅メダル、東京五輪(21年)では金メダルを獲得。パリ五輪での連覇に期待がかかっていたが、東海大学の後輩である永山竜樹(29)に代表選考で後れを取り、パリ五輪(24年)の出場を逃していた。
「パリ五輪に出られなかったときに、もうやめようかなと思い『引退』という言葉が出てきた。しかし、このまま終わっていいのかという葛藤と戦いながら、パリ五輪を現地で見てロス五輪を目指したいと思った。その気持ちだけでやってきたが、気持ちだけではどうにもできなかった」と、引退決断に至るまでの苦しい胸の内を明かした。
長年戦ってきたライバルである永山に対しては「永山選手がいなかったら東京五輪で勝てなかったと思う。(永山選手がいなかったら)そこまで熱くなれなかったと思うので感謝している」と感謝を口にした。
これまでの競技人生を「柔道を続けてこられた一瞬一瞬が今となっては思い出。当時は苦しいこともあったが、すべてが私の青春だった」と振り返った髙藤。今後は所属先で男子のコーチと女子のアドバイザーを務める。「目標は全員が強化選手に入ること。みんなの夢を叶えるサポートをしていきたい」と意気込んだ。
会見に同席した吉田秀彦総監督(56)は「よくパーク24に入ってきてくれた。同時にこんなやんちゃな奴が入って来るんだなという印象があった」と入部当時を振り返り、「会見を聞いていてすごく大人になった。人としても成長してくれた。これからはコーチとして髙藤2世を作っていってもらえたら」とエールを送った。