名優と「ハプニング共演」した野良猫…50年以上たった今でも印象的な名場面に
映画「ゴッドファーザー」の冒頭でマフィアのボス役のマーロン・ブランドが猫を抱くシーンは、観る人に強い印象を与えます。でも実はこの猫は台本にはなく、コッポラ監督が撮影中に即興で猫を拾い上げ、名優の膝に乗せたというのです。
静かで不気味なオープニングシーン

画像はイメージです
映画史上、もっとも静かで不気味なオープニングシーン。それは1972年に公開された映画「ゴッドファーザー」の冒頭で、自宅で娘の結婚式が行われるなか、マーロン・ブランドが演じるマフィアのボスが猫を撫でながら静かに殺人について語る場面ではないでしょうか。ゴロゴロ喉を鳴らすかわいい猫と、彼の口からこぼれ出る暴力的なことばは、観る人に強い印象を与えます。
実はこのシーン、猫は台本には登場していません。まったくの偶然だったのです。フランシス・コッポラ監督は撮影日の朝、スタジオの敷地内をうろついている野良猫に気づきました。小さな体のわりに大きな目をした、自信たっぷりの雑種の猫です。
撮影直前、彼は衝動的にその猫を拾い上げてブランドの膝の上に置いたのです。何も指示を与えず、話し合いもありませんでした。しかし動物好きなブランドは、撮影中ずっとこの猫をやさしくなで続け、しかも決して「マフィア役」のキャラクターを崩しませんでした。
彼の猫の扱い方はあまりにも自然だったので、まるで最初から台本に書かれていたかのようだったといいます。
監督が「即興で」猫を起用

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その結果、このシーンは映画史に残る忘れ難いものになったのです。つまり野良猫は、撮影を台無しにするどころか、かえって印象的なものへと変えてくれたのです。
コッポラ監督は、かわいい猫とマフィアの密談とのコントラストを浮き彫りにしました。猫は悪人に奇妙な温かさを与え、そのことばの冷たさと正反対のイメージを作り出したのです。しかし監督自身はのちに「意図的なものではなかった」と話しています。
「スタジオ内を走り回っているのを見て、ただ何もいわずに彼(ブランド)の手に猫を置いただけなんだ」(コッポラ監督)
意図的かどうかはさておき、猫はシーンに不気味な静けさを添えたのでした。部屋にいるほかの全員が恐怖で身動きがとれない中、主人公は静かに猫をなでており、猫のゴロゴロ音が彼の冷静さをより一層ひきたてました。声を張り上げなくても、マフィアのボスとしての力を誇示していたのです。
大音量のゴロゴロ音

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ただしこの猫は、ただ座ってかわいい小道具のように喉を鳴らしていたわけではありませんでした。大音量でゴロゴロし続けていたため、音声マイクはブランドのしゃがれた話し声よりも猫のゴロゴロ音を拾ってしまいました。
そこでスタッフはセリフのほとんどを再編集し、一部を撮り直しする必要があったのです。
「猫は共演者のだれよりも一番大きな音をたてていました。しかも監督の合図を聞き逃さなかっただた1人(1匹)の俳優だったのです。その演技はあまりにも目立つので、あやうく人間たちのオープニングシーンを台無しにするところでした」(スタッフの1人)
猫はブランドの体を這い上り、スーツ生地をもんだり、彼の膝から落ちそうになったりしていましたが、彼は平然と演技を続けました。自然に体勢を変えながら、猫が望むように動けるようにしたのです。猫を小道具として扱うのではなく、猫に主導権を取らせたともいえるでしょう。
このためときに猫がそわそわしても、ブランドが平静を保っているため、シーン全体に魅惑的な雰囲気と存在感が生まれたのです。
現在、猫は映画やアニメ、ビデオゲーム、SNSにたびたび登場しています。ガジェット警部の「Dr.クロー」からオースティン・パワーズの「Dr.イーブル」まで、悪役がペットをなでる姿は、この「ゴッドファーザー」に由来するのかもしれませんね。
出典:The Godfather’s Cat: A Furry Accident That Made Film History
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