「ホテルのレビュー書く仕事」が…1日14時間の電話、居眠りしたらスタンガン 日本人が証言するカンボジア詐欺拠点の“恐怖支配”【Nスタ解説】

TBS NEWS DIG Powered by JNN
2026-03-24 20:52

日本人を狙った特殊詐欺などを行う、国際的な犯罪グループ。
JNNはカンボジアの詐欺拠点で生活していたという、複数の日本人の証言を独自に入手。暴力によって支配されていた拠点の実態が見えてきました。

【写真で見る】JNNカメラが特別に許された「カンボジア特殊詐欺の大規模拠点」内部

「罰金やスタンガンで…」特殊詐欺拠点の恐怖の実態

高柳光希キャスター:
Aさん(30代男性)の証言によると、“カンボジアでホテルのレビューを書く仕事”と言われカンボジアに行ってみると、そこは特殊詐欺の拠点だったということです。

毎日14時間、“かけ子”として電話をかけ、居眠りをすると罰金やスタンガンで起こされることもあったそうです。

デスクにはタブレットとイヤフォンが並んでいて、電話詐欺を行うときには、“自動発信システム”と連動していたそうです。

TBS報道局 社会部 松田岳 記者:
“自動発信システム”の仕組みは分かっていませんが、詐欺の電話が1つ終わると、次の詐欺電話に自動的にかかるようにシステム化されていると、Aさんは証言しています。

実際に、すべてがシステム化されていたかは不明ですが、もしそうであれば、かけ子は休む間もなく、14時間ずっと電話をかけ続けていたと考えられます。

高柳キャスター:
逃走を図ると、30人ほどに囲まれ暴行を受けたこともあったそうです。

また、リーダー格は中国籍の人物なのではないかということも分かっているそうです。

“このようなうまい話はない”報酬が魅力的でも注意

井上貴博キャスター:
“カンボジアでホテルのレビューを書く仕事”という時点で詐欺に気付くのはなかなか難しいと思いますが、拠点に到着するまでに、違和感や気づき得るサインは無かったのでしょうか。

TBS報道局 社会部 松田岳 記者:
“ホテルのレビューを書く仕事”というのは、SNSから情報を得る闇バイトとみられています。一番最初に気付くポイントは、“そもそもこのようなうまい話はない”ということです。

また、Aさんは、“カンボジアに行く”ということにあまり疑問を抱かなかったのかもしれません。行ってしまった場合、知らぬ間に巻き込まれてしまうというケースがあります。

俳優・タレント 大和田美帆さん:
報酬がすごく良いなど、惹かれてしまう何かがあるのでしょうか。

TBS報道局 社会部 松田岳 記者:
Aさんの場合、報酬の面については今回の取材では言及されていません。

他のケースでは、短期間で150万~300万円稼げるという場合もあります。報酬に魅力を感じてしまうということはあると思います。

背後には巨大組織が絡む可能性も…

高柳キャスター:
Aさんとはまた別のグループだと思われますが、巨大組織が絡んでいるケースがうかがえる証言もあります。

Bさん(20代男性)の証言によると、「不動産の仕事」と紹介されてカンボジアへ行ったところ、塀の中に3階建ての建物が約300棟あったそうです。

国籍別に約20名ずつグループに振り分けられ、日本人は300棟のうちの2棟が割り当てられていたそうです。また、逃げようという気持ちを削ぐためなのか、レストランやカジノもあったと言います。出入り口には警備員が十数人いたそうです。

Aさんのケースとは少し異なり、休みの時間や勤務時間が細かく設定されていて、平日午前9時~午後5時まで働くこと(土日祝は休み)が決められていたとのこと。

かけ子が仕事をする「かけ場」1か所に、それぞれスマートフォンが約100台あり、詐欺でLINEを使用した後は、端末を燃やして処分をするなど徹底していました。

このような場所に中核的な人物として、日本人が関わっていたということもあるのでしょうか。

TBS報道局 社会部 松田岳 記者:
日本人がいる場合もあると思います。私たちの取材では7人の証言を得ており、そのうち4人は「中国人が社長」「“先生”と呼ばれている中国人夫婦がいる」という証言をしています。

あくまで証言なので、「中国籍とみられる」という表現が正しいかと思いますが、中国系のグループが関与している可能性も十分にあり得るとみています。

出水麻衣キャスター:
同じ場所に300棟もビルがあり、塀で囲まれて警備員もいると、周りから見れば異様だと思います。周りの住民が通報して、政府が働きかけるという動きはあるのでしょうか。

TBS報道局 社会部 松田岳 記者:
そのような動きもあるかと思いますが、現状分かっていない部分が多いです。実際、300棟も日本で言うと団地のようなところかもしれません。

まだ詳しく分かっていないところが多いので、これから捜査が進むにつれて実態解明が進んでいくと思います。

1年で被害額が約2倍に “ニセの警察官”に対する詐欺に注意呼びかけ

TBS報道局 社会部 松田岳 記者:
特殊詐欺の被害額は、近年増加しています。

【「特殊詐欺」被害額】※警察庁資料より
2019年:約316億円
2024年:約719億円
2025年:約1414億円

2024年から2025年にかけて、被害額は約2倍と急激に膨れ上がっています。

高柳キャスター:
最近、“トクリュウ”という言葉を耳にした方は多いのではないでしょうか。

犯罪を行っている集団の中核人物は、SNSなどで末端の人間に指示を出すため、“匿名性”があり、組織のメンバーが“流動的”に入れ替わることから、「匿名・流動型犯罪グループ」、いわゆる「トクリュウ」と呼ばれています。

警視庁は3月24日、専用のホームページを開設し、「特殊詐欺の電話音声」などを公開しています。

“ニセの警察官”による詐欺が約7割を占めているということで、下記の点に注意してください。

▼ビデオ通話で警察手帳を見せる
▼他県警への電話転送
▼必要以上に周囲に話を聞かれないように求める

井上キャスター:
AI技術が発展していくと、もっと巧妙になっていくと思います。

日本人が狙われているのか、はたまた、同じように世界中の若者が狙われているのか。日本人が狙われているとすると、なぜ日本人なのかなど、どのくらい分かっているのでしょうか。

TBS報道局 社会部 松田岳 記者:
全貌は明らかになっていないのですが、日本の他にも韓国や中国で被害が確認されているという話はあります。

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<プロフィール>
松田岳
TBS報道局 社会部 警視庁担当
特殊詐欺事件などを取材

大和田美帆さん
俳優・タレント 1児の母
音楽療法士・子供心理カウンセラーなどの資格を持つ
「一般社団法人 子どもが笑えば世界が笑う」代表

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