米・一部攻撃“5日延期”表明もイラン側と食い違う主張 攻撃の応酬で原油生産量「7割」減少のおそれも 日本では26日から石油“国家備蓄”放出へ【news23】

TBS NEWS DIG Powered by JNN
2026-03-25 12:49

衝突するアメリカとイランが今週中にも協議を行う可能性があると報じられました。トランプ大統領は交渉を進めているとしていますが、イランはこれを否定しています。両国の思惑は…。

【画像で見る】米イラン「1か月停戦+15項目協議」構想の内容は

トランプ氏「攻撃を5日間延期」と表明 今週中にも停戦に向け協議か

取材の冒頭、記者から「イラン外務省は、大統領が真実を語っていないと述べているが」と投げかけられたトランプ大統領。

トランプ大統領
「我々は非常に有意義な話し合いをしてきた。重要な点で合意した。 ほぼすべての点で合意したと言ってもいいだろう。おそらくそれが伝わっていないのだろう」

トランプ大統領のSNS(23日)
「イランの発電所とエネルギー施設への攻撃を5日間延期するよう、国防総省に指示した」

トランプ氏は23日、戦闘停止に向けてイランと「生産的な協議」が行われたとし、発電所などへの攻撃を5日間延期すると表明しました。

トランプ大統領
「イランも我々も合意を望んでいる。期間は5日間ある。どうなるか見てみよう。うまくいけば解決できるだろう。さもなければ、爆撃を続けるだけだ」

ロイター通信は、早ければ今週中にも、パキスタンで協議が行われる可能性があると伝えています。

トランプ大統領
「イランは平和を望んでいる。核兵器を保有しないことなどに合意しているが、どうなるか見てみよう。実現の可能性は高い」

イランが「核兵器を保有しない」ことに合意していると主張。「非常に大きなチャンスだ」と強調しました。

一方、イラン側の説明は、アメリカ側とは食い違っています。

イラン側は「交渉を行っていない」 アメリカ・イラン双方の思惑は?

イラン外務省の報道官は23日、国営メディアに「アメリカとは交渉を行っていない」としつつも、「仲介国を通じて戦闘終結の交渉を求めるアメリカの要請を受け取った」と明らかにしました。

では、トランプ政権は、イラン側の誰と協議をしているのか。

トランプ大統領
「トップ、つまりトップの人物だ。我々は最も尊敬され、指導者であると私が信じる人物を相手にしている」

――最高指導者か?
「最高指導者ではない」

トランプ氏は交渉相手について明かしていませんが、アメリカのニュースサイト「アクシオス」は、その人物がイランの国会議長・ガリバフ氏だと報じています。

ガリバフ氏は、イランの軍事精鋭部隊「革命防衛隊」の司令官を務めた保守強硬派。前の最高指導者・ハメネイ師らが殺害されて以降、新体制で強い影響力を持っているとされています。

ただ、ガリバフ氏は自身のSNSで…

ガリバフ氏
「アメリカとの交渉は一切行われていない。こうした偽情報は、金融市場や原油市場を操作し、 アメリカとイスラエルが陥っている泥沼から逃れようとする意図によるものだ」

石油「国家備蓄」26日から放出へ 桜クルーズにも“燃料高騰”が直撃

収束が見えないイラン情勢。

エネルギー分野の分析で、大手の調査会社ライスタッド・エナジーは14日、今後の原油の供給についての分析を発表。

攻撃の応酬が長引いた場合、中東地域の原油生産量が紛争前から「7割」減少するおそれがあるとしています。

その原油は、アメリカとイスラエルが攻撃を開始して以来、価格の高止まりが続いています。

まもなく見頃を迎える東京の桜。

フランスからの観光客
「It’s beautiful」
「フランスに桜はないので、大好きです。本当に幻想的です」

名所・目黒川の桜を船上から楽しめるクルーズ船は、これからがかき入れ時ですが、船を動かす燃料の高騰が直撃。

東京ウォータウェイズ 原田和義 代表
「リッターあたり228円くらいだったが、今月から248円。一気に20円とか上がってしまっていて、そこがかなりの痛手ですね」

始発と最終便については、予約が10人未満の場合、運航を取りやめているといいます。

東京ウォータウェイズ 原田和義 代表
「地方から来てるお客様や海外からのお客様も多いものですから、本当に申し訳ない気持ちで連絡を差し上げている次第です。なるべく紛争が早く終わることが一番の願いですね」

対応に追われる政府は24日、中東情勢に関する閣僚会議を開き、その中で高市総理が、26日から、石油の国家備蓄の放出を始めると明らかにしました。

全国11か所の備蓄基地から順次、放出していく計画で、予定量は国内需要の1か月分=あわせて850万キロリットル。

ENEOSなど石油元売り各社と随意契約を結び、総額約5400億円で譲渡される見通しです。

あまり存在が知られていない、石油の「国家備蓄基地」とはどんな施設なのか。

放出後の備蓄は「200日分」にも… 新規の調達ルート開拓なるか

全国でも最大級の北海道・苫小牧市の備蓄基地には、東京ドーム58個分、57基のタンクが並んでいます。

記者
「タンクの中に原油が入っていて、高さは11階相当、1周250メートルの巨大なタンクです」

タンクには、ジャンボジェット機が丸ごと入るそうです。

JOGMEC苫小牧東部基地 宅間之紀 所長
「原油輸送配管です。配管で桟橋の方へといきます」

石油はパイプから港に送られ、タンカーで出荷されます。

JOGMEC苫小牧東部基地 宅間之紀 所長
「我々としても体制維持は常に行っています。国から指示が出れば、出せるということをやっていきたいと思っています」

今回の放出を終えれば、国内に残る備蓄は200日分を切るとみられます。

新規の調達ルート開拓が急務となる中、赤沢経済産業大臣は、サウジアラビアのヤンブー港で原油を積んで、紅海を通ってきたタンカーが、3月28日に愛媛県に到着すると発表しました。

イランが事実上、封鎖するホルムズ海峡を通らず、日本に到着する初めてのタンカーになるということです。

赤沢亮正 経済産業大臣
「ホルムズ海峡を経由しない代替ルートからの調達を拡大する動きも進めている。引き続き状況を注視しつつ、我が国のエネルギー安定供給の確保に万全を期していく」

協議めぐり食い違う双方の主張 思惑は?

藤森祥平キャスター:
アメリカのニュースサイト「アクシオス」は23日、イスラエル当局者の話として、仲介国がアメリカとイランの協議の開催を調整しているとし、早ければ今週中にパキスタンの首都イスラマバードで行われる可能性があると報じています。

トランプ大統領は「生産的な協議が進んでいる」といいますが、一方のイラン側・ガリバフ国会議長は、アメリカとの協議は一切行われていないとしています。何が真実なのでしょうか。

秌場聖治 元JNN中東支局長:
どこまでが真実なのか分からないとはいえ、イラン側も「メッセージを受け取った」というようなことは言っているので、直接協議ではないにせよ間接的なやり取り、仲介国を介したやりとりはあるのだろうと推測されます。

ただ、トランプ大統領のいうような、“非常に有意義”で“重要な点で合意”したというのは“眉唾”かなと思います。

トランプ大統領は、「イランが核兵器を持たないと言っている」としていますが、これは核開発が露見した当初からイランはずっと言っていて、それでも疑いがあるということで問題になっているのです。イランが言っているというだけでは、何の進展もしていません。

小川彩佳キャスター:
(協議について)否定しているイラン側の思惑をどうみていますか。

秌場聖治 元JNN中東支局長:
これは少し強めのポジションを取るということだと思います。

自分たち(イラン)は、「交渉してください」と言っている立場ではなく、向こう(アメリカ)が「交渉してくれ」と言っているという形を取りたいのだと思います。

落としどころは? 「双方が“実質的に勝利”として収まること」との見立ても

小川彩佳キャスター:
一部では、イランの最高指導者のモジタバ師が、アメリカとの交渉に合意したという報道もあります。これはどうなのでしょうか。

秌場聖治 元JNN中東支局長:
そもそも対米交渉は、これまでも最高指導者の意思決定でやってきたので、実際に行われているのであれば、同意していない方が不自然です。なので、これはそうだろうと思います。

ただ、問題は中身です。現時点ではイランが有利とまでは言えないとしても、主導権を握っているというふうにイランは思っているでしょう。

トランプ大統領は、短期的な目標に向けて動いているような気がしますが、イランはもう少し長いスパンで見ているようにみえますので、どう折り合っていくかだと思います。

小説家 真山仁さん:
何となくトランプ大統領は焦っているのかなという気がします。

交渉をしている間の発信は、自分たちの思惑に引っ張りたいみたいなところがありますよね。トランプ大統領が、指を折って「これだけできている」というのは、いつものやり方以上に、“早く結果を出さなければいけない”という焦りを感じますが、イラン側からすると、「我々は被害者だ」となるでしょう。

イランがどこかで「テーブルに着いてあげてもいい」「しばらくは無理」などと、シグナルを出す可能性があると思うのですが、秌場さんが中東をみていて、そうした独特のシグナルのようなものはあるのでしょうか。

秌場聖治 元JNN中東支局長:
イランは、イスラム共和国体制が生き延びれば“勝ち”だと思っていると思います。

しかも、ホルムズ海峡を人質に取れば、アメリカも降りてくるということが、おそらく成功体験として残るでしょう。イスラム共和国体制の存続と、ホルムズ海峡の何らかのレバレッジを保存する形の提案をアメリカがしてくるのであれば「乗ってやってもいい」となるのではないでしょうか。

小説家 真山仁さん:
謝らなくてもいい、そこは我々(イラン)のほうが大人だと言いたいわけですか?

秌場聖治 元JNN中東支局長:
謝らなくても良いのではないでしょうか。「実質的に勝利を勝ち取った」と双方が言って、収まるというのが一つの落としどころなのかなと思います。

その際にイスラエルが何と言うかというのは、ジョーカーとしてはあります。体制交代をしたかったのだと思いますが、今回は無理かもしれないと思っているかもしれませんし、トランプ大統領のことは尊重しないといけない立場だと思います。

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<プロフィール>
真山仁さん
小説家 著書に能登地震がテーマの「ここにいるよ」
最新作は「チップス ハゲタカ6」

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