ビニールや液体洗剤…身近な物の原料「ナフサ」って? 政府「直ちに問題はない」も専門家“ホルムズ封鎖続くと食品容器や医療資材など不足の可能性”【サンデーモーニング】

TBS NEWS DIG Powered by JNN
2026-04-05 14:06

影響の拡大が心配される原油由来の製品。なかでも重要物資である「ナフサ」のやりくりはどうなるのでしょうか。

【写真で見る】“ナフサ”はどうやってできている?

ビニール、ラップ、液体洗剤などの原料「ナフサ」とは?

プラスチック、ビニール、ラップ、液体洗剤など、生活の周りにある様々な物の原料となっているのが、無色透明の液体「ナフサ」です。

古代メソポタミアの言葉で、「地面から湧き出る燃える液体」を意味する「naptu」が語源(※諸説あり)とされています。

ナフサはガソリンと同様に石油精製工場で作られます。

まず、原油を加熱します。原油には様々な成分が含まれていて、それぞれ沸騰し始める温度である沸点、つまり液体から気体に変わる温度が違います。この性質を利用して分離させていきます。

原油に最も多く含まれるのはガソリンで全体の31%、軽油が25%、重油が17%含まれます。ナフサは、ガソリンの副産物として10%ほど生まれます。

こうしてできたナフサは分解工場に運ばれます。ナフサを分解炉に注入して加熱すると、細分化され、重さによって分類される「基礎化学品」となります。

中でも軽い物質が「エチレン」と呼ばれ、さらに化学反応を経て様々なプラスチック素材になります。例えば、「ポリエチレン」になればレジ袋に、「ポリスチレン」になれば発泡スチロールや食品トレイといった製品に加工されていくのです。

政府「直ちに問題はない」とするも… 専門家は「5月まで続けば世界的なナフサの取り合いが激しくなる」

ナフサは約4割を国内で精製してきましたが、原料となる原油は9割以上を中東から得ています。さらに精製されたナフサの輸入も、3分の2以上が中東からなので、ナフサの実質的な中東依存度は8割とされています。

そして、中東以外の輸入先として半分ほどを占めていたのが韓国ですが、この情勢を受けてナフサの輸出を禁止しています。

調達先の拡大を迫られるなか、経産省によると4月、アメリカやペルーといった国からの輸入をひろげ、中東以外からの調達が倍増する見通しです。

ナフサそのものだけではなく、加工された製品も輸入に頼るものが少なくありません。

例えば、ペットボトルの原料であるペット樹脂は、ほとんどをタイなどから輸入しています。医療現場や家庭などで幅広く使われる合成ゴムの手袋も、ほとんどをマレーシアなどからの輸入に依存しています。

今後、ナフサの安定供給は保たれていくのでしょうか。

政府は、中東以外からの輸入を増やすことなどによって約2か月分を確保でき、さらに民間企業が、ナフサから作られるポリエチレンなどの製品の在庫を2か月分保有しているため「直ちに問題はない」としています。

一方で今、国内で精製されたナフサの価格は、平時の倍近くに急騰する見通しです。

石油化学コンサルタントの柳本浩希さんは「すぐに石油化学製品の在庫が切れることは想定しづらいが、ホルムズ海峡の封鎖が5月以降も続いた場合、世界的なナフサの取り合いが激しくなる。

最低限の需要に必要な量を確保できたとしても、石油化学製品の値段も30%〜2倍の上昇は免れない。食品容器や医療資材、自動車や家電の部品、農業の肥料などが不足する可能性がある」と指摘しています。

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