山梨県北杜市がつくる自然の中の学び 小中学生向け登山学校「ほくと山の学校2026」
子どもの頃、自然の中で過ごした時間は、なぜか今でも強く記憶に残っているものです。山を登ったこと、川で遊んだこと、ふとした瞬間に感じた空気や景色。そうした体験は、ただ楽しいだけでなく、知らないうちに多くのことを教えてくれていたのかもしれません。
そんな“自然の中で学ぶ時間”を、今の子どもたちにも届けようとする取り組みがあります。山梨県北杜市で行われている「ほくと山の学校」は、登山を通じて自然と向き合い、体を動かしながら学びを深めていくプログラムです。
アウトドアブランドとの連携により、安全性や専門性にも配慮されている点も特徴のひとつ。単なるレジャーではなく、継続的な学びの場として設計されているのが印象的です。
今回は、この「ほくと山の学校 2026」がどのような想いで続けられているのか、そしてその中で生まれるひとつひとつの体験に目を向けていきます。
北杜市が取り組む「自然×教育」というかたち

山梨県北杜市は、南アルプスや八ヶ岳に囲まれた自然豊かな地域として知られています。澄んだ空気や四季折々の風景は、訪れる人にとって魅力的なものですが、この土地の価値は「景色の美しさ」だけにとどまりません。
この地域にある自然そのものが、学びの場として活かされている点が印象的です。
「ほくと山の学校」は、そうした環境を背景に生まれた取り組みのひとつです。単に山に登る体験を提供するのではなく、自然の中で過ごす時間そのものを学びとして捉え、子どもたちの成長につなげていくことが目的とされています。
例えば、登山という行為ひとつをとっても、ただ目的地を目指すだけではありません。自分の体調や周囲の状況を考えながら進むこと、仲間と声を掛け合いながら行動すること、そして自然の変化に気づくこと。そうした積み重ねが、日常では得にくい経験として残っていきます。
北杜市がこうした取り組みを続けている背景には、自然環境という地域資源を「観光」だけで終わらせないという考え方があるように感じられます。地域の魅力を伝えると同時に、そこに関わる人の記憶や経験として残していくこと。それが結果的に、地域との関係性を深めるきっかけにもなっていきます。
子どもたちにとってはもちろん、地域にとっても意味のある取り組みとして、このプログラムが続けられている理由が、その理由が見えてくるようです。
THE NORTH FACEとの連携が生む、もう一歩深い体験

「ほくと山の学校」の特徴のひとつとして挙げられるのが、アウトドアブランドであるTHE NORTH FACE(ザ・ノース・フェイス)との連携です。
登山やアウトドアに関する豊富な知識と経験を持つブランドとともにプログラムが設計されていることで、単なる体験にとどまらない、より実践的な学びの場がつくられています。
自然の中で活動するうえで欠かせないのが、安全への配慮です。天候の変化や地形の違いなど、山には日常とは異なるリスクもあります。その中で、適切な装備の選び方や行動の判断を学ぶことは、子どもたちにとって大きな意味を持つ経験になります。
また、専門的な視点が加わることで、自然の見方そのものにも変化が生まれます。ただ景色を楽しむだけでなく、「なぜこの地形になっているのか」「この環境にはどんな特徴があるのか」といった気づきにつながる点も、この取り組みならではの価値といえそうです。
北杜市の豊かな自然環境と、THE NORTH FACEが持つアウトドアの知見。その二つが組み合わさることで、子どもたちにとっての体験は、より深く、より意味のあるものへと広がっていきます。
地域のフィールドと専門的なノウハウが重なり合うことで生まれるこの学びのかたちは、今後の体験型プログラムのひとつのあり方としても注目されるのではないでしょうか。
年間6回のプログラムで重ねていく体験

「ほくと山の学校 2026」は、単発のイベントではなく、年間を通じて行われるプログラムとして設計されています。実施は全6回。それぞれの回で異なる山やフィールドに足を運びながら、少しずつ経験を積み重ねていく流れになっています。
一度きりの体験ではなく、繰り返し自然と向き合うことで、子どもたちの中に変化が生まれていく点が特徴です。最初は不安や戸惑いがあったとしても、回を重ねるごとに自分なりのペースをつかみ、周囲との関わり方にも少しずつ余裕が生まれていきます。

登山の途中で目にする景色や、仲間と一緒に過ごす時間、そして自分の力で歩ききったという実感。そうしたひとつひとつの体験が、記憶として積み重なっていきます。
実際にこれまでのプログラムでは、子どもたちが自然の中でのびのびと活動する様子が見られます。山道を進む中で声を掛け合ったり、立ち止まって周囲の環境に目を向けたりと、それぞれのペースで自然と関わっている姿が印象的です。

こうした時間は、日常の中ではなかなか得ることができないものかもしれません。だからこそ、年間を通じて体験できるこのプログラムには、単なるレジャー以上の価値があると感じられます。
回数を重ねるごとに、少しずつ視点が変わっていく。その変化そのものも、この取り組みの大切な一部になっているようです。
「ほくと山の学校 2026」募集概要

「ほくと山の学校 2026」は、小中学生を対象とした年間プログラムとして実施されます。全6回の活動を通じて、登山や自然体験を段階的に学んでいく内容となっており、初めての参加でも無理なく取り組めるよう配慮されています。
活動は北杜市内の山や自然フィールドを中心に行われ、それぞれの回ごとにテーマや目的が設定されています。季節によって変化する自然の表情を感じながら、その時々にしかできない体験が用意されている点も魅力のひとつです。
参加にあたっては、事前の申し込みが必要となっており、定員や日程などの詳細は北杜市の公式ページで確認することができます。安全面にも配慮された体制のもとで実施されるため、アウトドアが初めての子どもでも安心して参加できる環境が整えられています。
普段の生活の中ではなかなか触れることのない自然の中での時間は、新しい発見や気づきにつながるきっかけになるかもしれません。興味がある場合は、募集要項をチェックしてみるのもひとつの選択肢といえそうです。
自然の中で過ごす時間が、未来につながっていく
自然の中で過ごす時間は、すぐに成果として見えるものではないかもしれません。それでも、体を動かし、自分の目で見て感じた経験は、あとになってふとした場面で思い出されるものです。
「ほくと山の学校」は、そうした積み重ねを大切にしながら続けられている取り組みのひとつといえそうです。登山という体験を通して得られる気づきや学びは、知識として覚えるものとはまた違ったかたちで、子どもたちの中に残っていきます。
自然の中で過ごした時間や、仲間とともに過ごした記憶。そのひとつひとつが、これから先の選択や行動に、静かに影響を与えていくのかもしれません。
北杜市の豊かな環境の中で生まれるこうした体験が、子どもたちにとってどんな意味を持つのか。すぐに答えが出るものではないからこそ、その価値はゆっくりと広がっていくように感じられます。
山梨県北杜市 概要
山梨県北杜市は、南アルプスや八ヶ岳に囲まれた自然豊かな地域です。標高差のある地形と澄んだ空気に恵まれ、四季折々で異なる表情を見せる風景が広がっています。
アウトドアや観光だけでなく、その環境を活かした教育や体験型の取り組みも行われており、訪れる人だけでなく、関わる人にとっても価値のある地域として注目されています。