【戦車で砲弾が暴発】大分・日出生台演習場で訓練中の自衛隊員4人死傷 元陸将「極めてまれ」なぜ起きた?【news23】
大分県にある西日本最大の陸上自衛隊の演習場で、戦車の訓練中に砲弾が破裂し、隊員3人が死亡しました。“日常的な訓練”の中で起きたとみられる今回の事故。なぜ、命を落とす事態となったのでしょうか。
戦車で砲弾が暴発 自衛隊員4人死傷
大分県の玖珠町や由布市などにまたがる、陸上自衛隊・日出生台演習場。
この場所で21日朝、陸上自衛隊によると、戦車の射撃訓練中に砲弾が破裂しました。
119番通報
「戦車が爆発し、けが人が多数出ている」
戦車に乗っていた男性隊員3人が死亡。女性隊員1人が重傷を負いました。
亡くなったのは、西部方面戦車隊に所属する濱邊健太郎2等陸曹(45)、髙山新吾3等陸曹(31)、金井効三3等陸曹(30)だということです。
隊員の死亡を受け、陸上自衛隊のトップは緊急会見を開き謝罪しました。
荒井正芳 陸上幕僚長
「地元をはじめとする国民の皆様にご迷惑、ご心配をおかけして誠に申し訳ございませんでした」
また、小泉防衛大臣は…
小泉進次郎 防衛大臣
「このような状況に至りまして、大変残念でなりません。本事案の原因究明に努めるとともに、安全管理の徹底に努めてまいります」
訓練中の事故はなぜ起きたのでしょうか?
元陸将「極めてまれ」 訓練中に何が?
元陸上自衛隊東部方面総監の渡部氏は…
元陸上自衛隊東部方面総監 渡部悦和さん
「極めてまれだと思う。こんな事故は聞いたことがない」
渡部氏が「極めてまれ」だという事故。
当時4人が乗っていたのは、10式と呼ばれる戦車です。
渡部さん
「10式戦車は陸上自衛隊が保有する最新の戦車である。第四世代の戦車であると言うことができる。コンパクトで軽くできている。第三世代の90式戦車で問題だったのは、重すぎて日本の橋を通過する際に通れないところがあった。それを軽くすることによって、通れるようになった」
西部方面隊68周年記念式典の際に、市街地を行進した10式戦車は一般道でも戦車2台が並んで走行できるサイズでした。
10式戦車は、日本の地形に合わせて作られた機動性のある戦車で、2010年に採用されたことにちなみ命名されたといいます。
渡部さん
「2010年に制式化し、15〜16年経過しているのでかなり慣れてきた。射撃は今までもやってきたし、訓練もしっかりやってきた」
積み重ねてきた訓練の中で起きた今回の事故。
幕僚長の会見などから、事故の際の4人の配置が見えてきました。
死傷した自衛隊員4人の配置は?
亡くなった3人がいたのは、戦車の上部にある砲塔と呼ばれる部分。ここには、砲弾を自動で装填する装置なども搭載されています。
一方、けがをした操縦手は車体部にいたとみられています。
渡部さん
「ドライバーの席というのは戦車の前方に位置していて、3人が亡くなった空間とは少し離れた所。ダイレクトに爆弾の破裂の衝撃を免れた」
渡部氏は、事故原因の究明には機械的な問題と、人為的なミス両面で調査が必要だといいます。
渡部さん
「自動装填の装置自体を調べなければいけないし、その次は砲弾も調べなければいけない。ヒューマンファクターと兵器のファクター、この2つを必ず考えなければいけない」
事故を受け、陸上自衛隊は10式戦車による射撃訓練などの中止を決定。事故調査委員会を設置し、原因の究明と再発防止の徹底に努めるとしています。