ガソリン1リットル660円…「世界一ガソリンが高い」香港で蔓延る“違法給油ビジネス”の闇【news23】
ホルムズ海峡の封鎖で私たちも悩まされているのが原油価格の高騰です。「世界一ガソリンが高い」と言われる香港では、今ある“違法ビジネス”が急増しています。実態を取材しました。
1リットル660円…ガソリン価格が“世界一高い”香港の市民は悲鳴
ガソリンが“世界一高い”といわれる香港。その高騰ぶりはすさまじく…
記者
「香港のガソリンスタンドではレギュラー価格が1リットル32.39香港ドル、日本円で約660円でかなり高額です」
イラン情勢が緊迫し、もともと高かったガソリン価格はさらに上昇。2025年の春ごろと比べても、1リットルあたり日本円で110円以上値上がりしています。
生活への影響は深刻です。
香港市民
「もうガソリン車は手放して、EVに乗り替えようと思っています。香港は全てのものが値上がりするだけ。変わらないのは私たちの給料だけです」
燃料の高騰に市民が苦しむ香港で今、ある“違法ビジネス”が問題となっています。
それが、格安で入手した燃料を売りさばく移動式の「違法給油スタンド」です。
急増する“違法給油スタンド” 闇ビジネスの実態とは
わたしたちはその実態を探るべく、違法給油の現場に向かいました。
工業地帯を走っていると、あちこちで“違法給油”が横行。テントを張り、拠点を構える様子も伺えます。
そして、わたしたちは違法給油の決定的瞬間を目撃しました。
記者
「これタンク開けていますね。給油のフタを開けて。トラックからトラックにノズルを入れました。給油していますね」
男はあたりを警戒するように前後を確認しながら作業します。
そして作業を終えると、男が現金のようなものを受け取る様子も。
工業地帯の人通りの少ないエリアでしたが、あわせて6か所で同じような行為をする人の姿を確認。
これらの違法スタンドで販売されている燃料の価格は、正規店の約3分の1。一体どこから仕入れているのでしょうか?
“格安燃料”はどこから? 闇ビジネスで逮捕者も
香港メディアによると、違法スタンドが燃料を入手しているのは、香港に隣接する、中国・深圳。香港から車で行き来できるため、業者は中国大陸で大量にガソリンを仕入れて安価で販売しているというのです。
こうした行為は、6か月の懲役および罰金10万香港ドル=日本円で約200万円が科されますが、香港税関によると、2026年1月~3月までに25人を逮捕。特に中東情勢が悪化した3月は、押収した違法燃料が約1万6000リットルと大幅に増加しました。
さらに、懸念が。3月には違法スタンドで火災が発生。幸いけが人はいませんでしたが、周りのバイクなどにも延焼しました。
わたしたちは取材中、取り締まりの現場に遭遇。違法スタンドの荷台には、1000リットルが入る大型タンクが3つも。燃料は香港当局に押収されました。
取り締まりを受けた関係者
「(ディーゼルは)没収です。(Q.これからどうなる?)すぐに逮捕されないと思うけど、これからされるかもしれません。あなたたちが帰ってくれないと困ります」
香港政府はディーゼル燃料への支援策を検討していますが、それだけで問題は収束するのか、課題はありそうです。
日本も「明日は我が身」か 中東情勢に懸念も
小川彩佳キャスター:
違法スタンドが急増しているという香港の現状は、全く他人事ではないという恐ろしさを感じますね。
小説家 真山仁さん:
日本も明日は我が身だと思います。ホルムズ海峡での停滞がこのまま続けば、日本のガソリン価格が1リットル600円になったとしても、おそらく驚きはありません。
そういうことが起きると、どうしても“闇ビジネス”が横行するので、早く平和を取り戻すために日本政府はもっと頑張ってほしいなと思います。
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<プロフィール>
真山仁さん
小説家
防衛費倍増で揺れる政権を描いた「アラート」
最新作は「ウイルス」