春の胃トラブル 実はNGな対処も?タイプ別日々の胃ケア
春になると、なんとなく体が重く感じたり、食後にスッキリしなかったり。
「ちょっとした不調だから」と流してしまいがちな“胃の違和感”ですが、気づけば繰り返している…そんな人も少なくないのではないでしょうか。
つい薬で抑えればいいと思いがちですが、実はその不調にはいくつかのタイプがあり、対処の仕方もそれぞれ違うのだとか。普段何気なくやっていることが、逆に悪化させているケースもあると知ると、少しドキッとします。
忙しい毎日の中で、つい後回しにしがちな体のサイン。ですが、ほんの少し意識を変えるだけで、楽になるヒントも見えてきます。今回は、そんな“見逃しがちな胃の不調”に目を向けながら、日常の中でできるケアについて考えてみます。
胃の不調は“ひとつじゃない”3つのタイプに分かれる

ひとことで「胃の調子が悪い」といっても、その原因や状態はひとつではありません。実は、よくある不調は大きく3つのタイプに分けて考えることができるそうです。
まずひとつ目は「胃もたれ」。食後に胃が重く感じたり、なかなか消化されないような感覚が続く状態です。食べ過ぎや脂っこい食事、早食いなど、日常のちょっとした習慣が積み重なって起こりやすいのが特徴です。
ふたつ目は「胃痛」。キリキリとした痛みや違和感があり、特に空腹時やストレスを感じたときに強く出やすいタイプです。忙しさや環境の変化が続く春は、このタイプに悩む人も増えやすいといわれています。
そして3つ目が「胸焼け」。みぞおちから喉にかけて熱く感じるような不快感で、食後すぐに横になると悪化しやすいのが特徴です。胃の中のものが逆流することで起こるため、生活習慣との関係も深いとされています。
なんとなく似ているようで、それぞれ原因も対処も異なるこの3つ。自分の不調がどのタイプに近いのかを知ることが、遠回りに見えて実は一番の近道なのかもしれません。
それ逆効果かも?やりがちなNG対処法

胃の調子が悪いとき、なんとなく「これなら大丈夫そう」と思って選んでいる行動。実はそれが、かえって不調を長引かせている可能性もあるそうです。
たとえば、胃もたれのとき。「消化にやさしそうだから」と、うどんやパンを選ぶ人も多いのではないでしょうか。ですが、小麦に含まれる成分は腸内で発酵しやすく、ガスや張りの原因になることもあるのだとか。さらに、パンに含まれる脂質や、やわらかくてあまり噛まずに食べてしまうことも、弱った胃には負担になる場合があります。
胃が痛いときには、お茶で一息つくという人もいるかもしれません。ところが、お茶に含まれるカフェインは胃を刺激し、胃酸の分泌を促してしまうことがあるそうです。アルコールや香辛料と同じように、刺激物として働いてしまうため、結果的に痛みを強めてしまうケースも考えられます。
そして胸焼けのときにありがちなのが、炭酸飲料を飲んでスッキリさせる方法。一時的に楽になるように感じても、炭酸によって発生するガスがげっぷと一緒に胃酸を押し上げてしまい、逆流を悪化させる原因になることがあるといわれています。
どれも日常の中で無意識に選びがちな行動ですが、体の状態によっては逆効果になることもあるというのは、意外なポイントです。
なんとなくの対処ではなく、「今の不調がどのタイプなのか」を意識するだけで、日々の選択も少しずつ変わっていきそうです。
“その場しのぎ”だけじゃ変わらない 専門医に聞いた本当の整え方

工藤 あき 先生
(一般内科医・消化器病専門医)
腸内細菌や腸内フローラに精通し、腸活や菌活を取り入れた美肌・エイジングケア治療を行う。
コメンテーターとしてメディア出演のほか、美容や食生活に関する書籍を多数執筆。「むき卵肌ドクター」の愛称で知られる。2児の母。
胃の不調を感じたとき、多くの人がまず思い浮かべるのは「とりあえず薬で抑える」という対処ではないでしょうか。もちろん、つらい症状をやわらげるために胃薬を使うことは大切です。ただ、それだけではなかなか改善しないと感じている人がいるのも事実です。
こうした胃の不調について、一般内科医・消化器の専門医である工藤あき医師は、日々のケアの重要性を指摘しています。胃はストレスや生活習慣の影響を受けやすく、ちょっとした変化が積み重なることで不調につながることもあるそうです。
たとえば、早食いや脂っこい食事、生活リズムの乱れといった習慣が続いていると、胃の働きそのものが弱まりやすくなります。その状態で一時的に胃酸を抑えたり、粘膜を保護しても、根本的な原因が残ったままでは同じ不調を繰り返す可能性があります。
ストレスや寒暖差など外部の影響も無視できません。完全に避けるのは難しいものの、軽いウォーキングやストレッチなどでリラックスする時間をつくることで、自律神経が整い、胃の働きもサポートされるといわれています。
さらに、食事面でのケアとして注目されているのが、ヨーグルトなどに含まれる乳酸菌です。乳酸菌は胃の粘膜を保護する働きがあるとされており、日々の食事の中で取り入れやすいケアのひとつといえます。
中でも「LG21乳酸菌」は、ピロリ菌の活性を抑える可能性や、胃の不快感をやわらげる働きがあるとされており、こうした食品を取り入れることも、無理なく続けられるケアのひとつとして考えられます。
胃薬は、あくまで「今つらい症状を和らげるためのもの」。それに対して、日々の食事や生活習慣の見直しは、「不調を繰り返さないためのケア」といえそうです。どちらか一方ではなく、両方をうまく取り入れていくことが、無理なく続けるためのポイントなのかもしれません。
なんとなく不調をやり過ごすのではなく、自分の体の状態に目を向けること。その小さな意識の積み重ねが、結果的に大きな違いにつながっていきそうです。
無理なく取り入れたい 胃にやさしいレシピ3選
日々のケアが大切といっても、「何から始めればいいのか分からない」という人も多いはず。そんなときに取り入れやすいのが、胃にやさしい食事です。
今回紹介されているレシピは、管理栄養士・料理研究家の渥美まゆ美さんが考案したもの。それぞれの不調タイプに合わせて、無理なく取り入れられる工夫がされています。

まず「胃もたれ」対策として紹介されているのが、ヨーグルトとジンジャーパイナップルを使ったスムージー。パイナップルに含まれる酵素がたんぱく質の分解をサポートし、生姜が胃の動きを助けてくれるとされています。さらにヨーグルトは、胃酸の刺激をやわらげながら栄養を補えるため、食後の負担軽減にもつながるのがポイントです。

「胃痛」が気になるときには、洋風のヨーグルト茶碗蒸し。ヨーグルトはここでも、胃への刺激をやわらげる役割を担っています。卵は消化吸収がよく、体調がすぐれないときでも取り入れやすい食材のひとつ。さらにオクラに含まれる粘り成分が、胃の粘膜を守る働きをサポートするとされています。

そして「胸焼け」対策には、キャベツとりんごを使ったヨーグルトコールスロー。キャベツはダメージを受けた胃の粘膜の修復を助ける成分を含み、りんごのペクチンは粘膜を保護しながら消化の流れを整えるといわれています。マヨネーズの代わりにヨーグルトを使うことで、よりやさしい仕上がりになるのも特徴です。
どれも特別な材料ではなく、日常の中で取り入れやすいものばかり。体調が気になるときだけでなく、普段の食事に少し取り入れてみることで、無理なく“胃をいたわる習慣”につなげていくことができそうです。
なんとなく不調を見過ごさない 胃と向き合うきっかけに
胃の不調は、突然やってきて、気づけば当たり前のように繰り返しているものかもしれません。「いつものことだから」とやり過ごしてしまう一方で、どこか気になり続けている――そんな人も多いのではないでしょうか。
今回あらためて見えてきたのは、同じように感じる不調でも、その中身はひとつではないということ。そして、なんとなく選んでいた対処が、必ずしも正しいとは限らないという事実でした。
つらいときに胃薬に頼ることは大切ですが、それだけでは追いつかない場面もあります。だからこそ、自分の状態を知り、食事や生活の中で少しずつ整えていくことが、結果的に遠回りに見えて一番の近道なのかもしれません。
忙しい日々の中で、体のサインに目を向けるのは後回しになりがちです。それでも、ほんの少し意識を変えるだけで、感じ方が変わることもあります。
なんとなくの不調をそのままにせず、自分の体と向き合うきっかけとして。今日からできる小さなケアを、できるところから取り入れてみてはいかがでしょうか。