猫の『目が回っている』ときに考えられる原因5つ 病気の可能性から適切な対処法まで解説

2026-04-29 11:00

愛猫の足元がふらついたり、目が左右に揺れたりしていませんか?「目が回る」症状の裏には、耳の異常や脳の病気が隠れているかもしれません。大切な家族を守るために、考えられる原因と飼い主ができる対応についてまとめました。

猫の「目が回っている」ときに考えられる5つの原因

ぐったりする猫

1.特発性前庭疾患(とくはつせいぜんていしっかん)

前庭疾患は、耳の奥にあるバランスを感じ取る「前庭」という場所にトラブルが起きる病気の総称です。

特に高齢の犬猫に多く見られる「特発性」は、突然ひどいふらつきや眼振が起こるため、飼い主は非常に驚くことが多いです。

首が常に斜めに傾いたままになる「捻転斜頸(ねんてんしゃけい)」という症状が出るのも特徴で、ひどい場合は自分では立ち上がれず、同じ場所をごろごろと転がってしまうこともあります。多くは数日で落ち着きますが、命に関わる脳神経の疾患と見分けがつきづらいため、自己判断は禁物です。

2.耳の奥の炎症(中耳炎・内耳炎)

外耳炎が悪化して耳の奥まで炎症が広がると、バランスを司る神経にまで影響が及びます。猫が耳を激しく振ったり、後ろ足で耳のあたりを頻繁に引っ掻いたりしている場合は注意が必要です。

炎症がひどくなると、痛みから元気がなくなったり、顔の神経が麻痺してまぶたや唇が片側だけ垂れ下がって見えたりすることもあります。

耳だれが出ていたり、耳から嫌な臭いがしたりする場合は、この病気が原因で目が回っている可能性が疑われます。

3.脳の病気(脳炎・腫瘍など)

脳自体に問題があるケースは、非常に注意が必要です。脳炎や脳腫瘍などが原因で平衡感覚が狂うと、目が回るだけでなく、頭が傾いたり、同じ場所をくるくる歩き続ける「旋回運動」や、体の一部が痙攣するなどの重い症状が出ることがあります。

耳の病気と見分けがつきにくいことも多いですが、意識がはっきりしなかったり、飼い主の呼びかけに反応が薄かったりする場合は、脳に大きなダメージがあるサインかもしれません。

精密検査が必要になるため、迅速な対応が求められます。

4.中毒症状

猫にとって有害なものを食べてしまった際、神経系に異常をきたして目が回ることがあります。代表的なものは、猫に毒性のある植物やアロマオイル、人間用の薬、殺虫剤などです。

中毒の場合は、原因によりますがふらつきと同時に大量のよだれを流したり、激しく吐いたり、瞳孔が大きく開いたままになったりすることがよくあります。

食べてから数時間以内に急変することが多いため、家の中に猫が触れる場所に危険なものがなかったか、今一度確認する必要があります。

5.頭のケガ(外傷)

室内での衝突事故や、高い場所からの着地失敗などで頭を強く打つと、脳震盪(のうしんとう)を起こして一時的に目が回ることがあります。

外傷の場合、目に見える出血がなくても脳内で出血が起きている恐れがあり、時間が経ってから症状が悪化することもあります。

事故の直後は普通に見えても、後からふらつきや嘔吐が出てくるケースは少なくありません。

「どこかにぶつけたかも」という心当たりがある場合は、念のため安静にさせ、容体が変わらないか注意深く見守る必要があります。

こんな時はすぐに病院へ

診察を受ける猫

猫の様子が「おかしい」と感じた時、どの程度の緊急性があるかを判断するのは難しいものです。

しかし、もし猫が自分の足で踏ん張れずに何度も転んでしまったり、壁にぶつかったりしているなら、それはかなり深刻な状態です。

また、黒目の揺れ(眼振)が数分経っても止まらない、あるいは呼びかけても焦点が合わずぐったりしている場合は、一分一秒を争う病気の可能性があります。

特におしっこを漏らしてしまったり、意識を失うような様子が見られたりする時は、夜間であっても迷わず救急病院を受診するようにしてください。

病院を受診する際のアドバイス

猫を撮影する人

動物病院では、猫が常に症状を出しているとは限りません。診察室に入ると緊張で症状が隠れてしまうこともあるため、家での様子を「動画」で撮影しておくことが診察の助けになります。

黒目の動きや歩き方を15秒程度スマホで撮るだけで、獣医師は正確な診断を下しやすくなります。

また、症状がいつから始まったのか、何かを食べた可能性はないか、最近耳を痒がっていなかったか、いつもと違う行動をとっていなかったかなどの情報をメモして持参しましょう。これらの些細な情報が、病気を特定するための重要な手がかりです。

飼い主にできる応急処置と環境づくり

安静にする猫

目が回っている猫は、世界がぐるぐると動いて見えるため、とても不安でパニックになりやすい状態です。まずは大きな声を出したりせず、静かな暗い部屋で安静にさせ、その間に動物病院に連れて行く準備をしてください。準備ができた時点で動物病院に連れて行き、診察を受けましょう。

帰宅後は二次被害を防ぐため、階段の前には柵を置き、家具の角などにはクッションを当てるなどして、ぶつかってもケガをしない環境を整えましょう。

また、ふらついている時は自力でご飯を食べるのが難しいため、お皿を顔の高さまで持ち上げてあげたり、水を用意して脱水を防いだりといったサポートも大切です。

まとめ

女性と猫

猫の目が回る症状には、加齢によるものから命に関わる重い病気まで、さまざまな原因が隠れています。

飼い主が異常を早く気づき、正確な情報を獣医師に伝えることが、愛猫の苦痛を取り除く一番の近道です。

家での様子をよく観察し、少しでも「いつもと違う」と感じたら、迷わず獣医師の診断を仰ぐようにしましょうね。

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