【ハンタウイルスでWHO会見】5人感染・3人感染疑い確認 「公衆衛生上のリスクは低い」なぜ船内でヒトヒト感染?死亡の2人“げっ歯類”に接触か【news23】

TBS NEWS DIG Powered by JNN
2026-05-08 12:53

大西洋上のクルーズ船でハンタウイルスの集団感染が疑われている件で、WHO=世界保健機関のテドロス事務局長は5人の感染を正式に確認し、ほか3人に感染の疑いがあると発表しました。

【写真で見る】クルーズ船から患者を搬送 下船の様子(WHOより)

WHO事務局長「公衆衛生上のリスクは低い」

WHO テドロス事務局長
「深刻な出来事だがWHOとしては、公衆衛生上のリスクは低いと分析」

日本時間7日午後10時から始まったWHO=世界保健機関・テドロス事務局長の会見。

テドロス事務局長
「いま当該のクルーズ船はカナリア諸島に向かっていて、スペイン政府がリスク管理できると考えている。スペイン政府を支援していく。カナリア諸島の人々へのリスクも低いと考えている」

5人感染を正式確認 死亡の夫婦“げっ歯類”接触か

日本人1人を含む乗客乗員約150人は、いまも大西洋に残されたままです。

ハンタウイルスによる集団感染の疑いがあるクルーズ船「MVホンディウス号」。

クルーズ船の乗客(6日)
「みなさんこんにちは。私達はまだ船に乗っていて、カーボベルデ沿岸にいます。みんな元気だ、安心して」

WHOは先ほど、これまでに5人の感染を確認し、ほか3人に感染の疑いがあると発表。このうち3人が死亡しています。

1人目はオランダ人の男性(70)で発熱や下痢などの症状が出た後、4月11日に亡くなりました。その後、死亡したオランダ人男性の妻も不調を訴えて下船しましたが、容体が悪化し、死亡しました。

こうした中、オランダ保健省はオランダの航空会社の客室乗務員がハンタウイルスに感染した疑いがあると発表。死亡したオランダ人女性と短時間接触していたということです。乗務員の症状は軽いとみられ、病院で検査を受けているといいます。

6日には、感染の疑いがある乗組員2人と乗客1人が下船。WHOのSNSには、防護服に身を包んだ患者が運ばれている様子が投稿されています。

感染はどこで起きたのか。ハンタウイルスは、ネズミなどげっ歯類のフンや尿への接触で感染しますが、「アンデス株」は、まれにヒトからヒトへの感染が起こることが分かっています。

南米アルゼンチンの保健省は、ハンタウイルスの感染源を特定するための調査を開始。AP通信はアルゼンチン当局者の話として、死亡したオランダ人夫婦が乗船前、アルゼンチン南部でバードウォッチングをしていた際にウイルスに感染したとする政府の仮説を報じています。

夫婦はゴミ埋立地を訪れ、そこでげっ歯類に接触した可能性があるということです。

クルーズ船が向かう場所は? 住民からは不安の声も

大西洋を縦断しながら自然や野生動物との触れ合いが楽しめるクルーズツアー。アルゼンチンを出発し、35日間かけてカーボベルデに向かう行程でした。

アフリカ西部カーボベルデ沖で足止めされていたクルーズ船はいつ、どこに上陸するのか。

いま向かっているのは、スペイン領のカナリア諸島です。カナリア諸島は、美しい海と温暖な気候で、世界中から観光客が訪れる人気のリゾート地。ただ、カナリア諸島の自治州は受け入れに反対しています。

カナリア諸島の首長
「乗客が健康で感染していないのであれば、帰国のためにカナリア諸島に移送する理由がない」

住人も...

カナリア諸島の住人
「もちろん心配している。状況は深刻だ。政府が別の選択肢をとるべきじゃないか」

カナリア諸島の住人
「コロナウイルスで起きたことを考えれば、何が起きるかわからないので怖さはある」

クルーズ船について現地メディアは、2日後の9日正午ごろ、カナリア諸島のテネリフェ島の港に到着する予定だと報じました。

また別の現地メディアによると、クルーズ船の乗客乗員は11日までは船内に留まり、その後は、それぞれの国に航空機で移動するということです。

アンデス株の潜伏期間は最長“6週間” 今後感染者が確認される可能性も 

小川彩佳キャスター:
WHO・テドロス事務局長によると、「ハンタウイルス」の「アンデス株」の潜伏期間は最長6週間で、それを考慮するとさらに多くの感染者が今後報告される可能性があるとしています。

東京大学准教授 斎藤幸平さん:
まだパニックになる必要はないと思いますが、富裕層が乗って、CO2も出して、ウイルス持ち帰ってくるようなクルーズ船を私は禁止すべきだと思います。コロナのときと同じようなことにならないように、まずはしっかりと隔離をして、ウイルスを閉じ込めてほしいと思います。

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<プロフィール>
斎藤幸平さん
東京大学准教授 専門は経済・社会思想
著書『人新世の「資本論」』

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