“手詰まり感”強まるイラン情勢 中国・習主席の“協力”アピールも具体的支援なく…トランプ大統領「そもそも頼みごとなど必要ない」 米中会談で進展あったのか?【サンデーモーニング】

米中会談の直前。アメリカとイランがせめぎ合うホルムズ海峡で中国の原油タンカーを巡って動きがありました。それぞれの思惑とは。
【写真を見る】「頼みごとなど必要ない」帰国途中の機内で取材に答えるトランプ氏
アメリカの逆封鎖を“裏ルート”ですり抜ける中国
5月14日、日本に原油を運ぶタンカーがホルムズ封鎖を脱したことが明らかに。ただ、これがようやく2隻目です。
一方で、活発な動きがみられるというのが、中国向けのタンカー。
東京大学大学院 渡邉英徳 教授
「身分を隠して(イラン産原油を)中国に運ぶルートが構築されつつある。『デリア』というタンカー。出港地はインドになっているが、恐らくそう見せているだけで、イランの原油を運んでいる」
イラン産原油のおよそ9割を輸入する中国。アメリカの「逆封鎖」によってイランからの輸送は阻止されているはずですが、渡邉教授は…
東京大学大学院 渡邉英徳 教授
「インドネシアのバリ島とロンボク島の間をイランの船がひっそりと通過して、マレーシア沖の島々周辺で中国向けタンカーに載せ替えていると言われている。
『STS』という『瀬取り』と呼ばれることもあるんですけど、船から船に移し替える時に、ぴったりくっついて停泊する。そのまま中国に運ぶルートが考えられます」
イランから直接の海上輸送が減少するなかでの、いわば“裏ルート”。
中国は、鉄道でのイラン産原油の輸入計画も進めていて、日本とは異なり、石油の国家備蓄放出にも至っていないといいます。
そして、まさに米中首脳会談のさなか、新たな動きが。
米中会談の裏で中国を優遇するイラン トランプ氏は“ごみ回答”に憤慨
米中首脳会談が行われた14日、ホルムズ海峡では…
東京大学大学院 渡邉英徳 教授
「中国の船籍で、中国が所有している原油タンカーが、まさに14日、ホルムズ海峡を通過したってことが分かって。イラン側が示したルートに沿って忠実に通過しています」
――正々堂々と通っていくということ?
「そうですね」
実はこの前日、イランは「中国との戦略的パートナーシップ」をうたい、多数の中国船の通航を認めたというのです。
米中会談を前に、露骨に中国との友好関係を見せつけたイラン。一方でその直前、アメリカに対しては…
アメリカ トランプ大統領(11日)
「“ごみ”のような回答が(イランから)送られてきた。最後まで読むにも値しなかった」
戦闘終結に向けたアメリカの提案に対し、イランから送られた回答にトランプ氏は憤慨。イラン側は、ホルムズ海峡の主権や核問題の先送りなど、アメリカが受け入れられない要求を突きつけたのです。
アメリカ トランプ大統領(11日)
「停戦は生命維持装置をつけた状態で医者が来て、『生存率は約1%です』と告げるようなものだ」
戦闘再開の可能性にまで言及したトランプ氏。 中国との会談の前にイランとの交渉を決着させたかった目論見は、脆くも外れた様子。“手詰まり感”が強まるイランとの和平交渉に、ルビオ国務長官は…
ルビオ国務長官(13日)
「中国がより積極的な役割を果たすように説得したい」
中国による“仲介”に期待をにじませます。
トランプ氏「習主席は喜んで協力」と主張も…中国から得られなかった“具体策”
そして迎えた首脳会談で成果はあったのか。会談直後、トランプ大統領は…
アメリカ トランプ大統領(14日)
「習主席は(イランとの)ディールが成立することを望んでいる。彼は“もし私に手伝えることがあれば喜んで協力する”と言った。あれほどの石油を購入しているのだから、イランと一定の関係を築いているだろう。習主席はホルムズ海峡の開放を望んでいる」
習主席から「協力の言質を取った」とアピールしましたが、帰国途上の機内では…
記者
「習主席はホルムズ海峡の再開に向け、イランに圧力をかけると確約したか?」
アメリカ トランプ大統領(15日)
「私は何も頼みごとをしているわけではない。頼みごとをすれば、見返りを出さなければならないし、そもそも頼みごとなど必要ない」
ロイター通信は、「習主席を称賛し続けたにもかかわらず、イラン情勢の打開に向けて中国から具体的な支援を得られなかった」と伝えています。