中国に“ニセ一蘭”が出現 「I」がないロゴ、水餃子…丼まで模倣 すでに商標取得で法務部が対応へ【Nスタ解説】
とんこつラーメンの全国チェーンで、外国人観光客にも人気の「一蘭」。
出店していないはずの中国・北京で、ロゴがそっくりの“ニセの一蘭”が現れました。
中国 “ニセ一蘭” 本物の一蘭と比べてみた
南波雅俊キャスター:
ラーメンチェーン「一蘭」にそっくりなお店が中国・北京にありました。店名は「本日一蘭拉面」です。
22日 午前10時ごろ(現地時間)に取材をすると、従業員の姿はなく、使用済みの容器などが放置されていました。
中国のフードデリバリーアプリでは、以前、店舗情報が掲載されていたということですが、現在は検索しても表示されないような状況です。
メニューを見ると、中国語で「和風の骨だしスープラーメン」と書かれた、定番の豚骨ラーメンは36元=約842円。さらに、一蘭では提供していない水餃子もありました。
ロゴも一蘭に酷似したデザインを使用していました。
<一蘭のロゴ>
・ICHIRAN
・昭和35年創業
<ニセ一蘭のロゴ>
・ICHRAN(アルファベットの「I(アイ)」がない)
・建国65年創業など
一蘭のラーメンはスープ、麺、辛味をしっかりと味わうために、トッピングをしなければシンプルな作りになっています。
一方で、ニセ一蘭のラーメンは、“一蘭”と書かれた丼にコーンやナルト、メンマ、煮卵がついていました。
一蘭「法務部にて対応を進めております」 HPでも注意喚起
日比麻音子キャスター:
一蘭は、外国人観光客にも人気のラーメン店です。日本の“企業ブランド”をどう守っていけばよいのでしょうか。
「フォーサイト」元編集長 堤伸輔さん:
一時、日本の様々なブランドを中国側が勝手に商標登録して、日本が中国で事業をやろうとしてもできないといったことがありました。
ただ、ここ最近は、日本の漫画を無料で読める海賊版サイトの運営拠点を厳しく摘発するなど、若干改善されてきているようです。
これからも散発的に今回のニセ一蘭のようなことが起こるかもしれません。
南波キャスター:
一蘭は▼香港3店舗、▼台湾2店舗、▼アメリカ・ニューヨークに3店舗出店していますが、中国本土には出店していません。
一蘭に取材したところ、「弊社側でも把握しており、現在法務部にて対応を進めております」との回答でした。
さらに、ホームページ上では「一蘭はすべて直営で運営しており、フランチャイズ契約やのれん分けは一切行っておりません」と注意喚起をしています。
日本のブランドを守るため…重要なのは“商標登録”
商標登録に詳しい永沼よう子弁理士によると、「看板の中で最も大事な『一蘭』の漢字二文字が一緒。商標権の侵害にあたる可能性が高い」と指摘。その上で、「争った場合、一蘭側が有利になるのではないか」という見立てを示しています。
商標権には、先に取得した人が商標権を独占できる「先願主義」があり、事業進出の可能性がある地域・国では、事前に出願するのが鉄則です。
一蘭の場合は中国で事業展開していないものの、名称やロゴなどの商標権を中国ですでに取得しています。商標権の侵害として争った場合、一蘭側が有利になる可能性が高いということです。
ただ、事前の出願をしていなかった場合、酷似したロゴが使われたとしても争った際に不利になってしまう可能性があります。
日比キャスター:
過去には、個人の名前が勝手に登録されていたようなケースもありました。
「フォーサイト」元編集長 堤伸輔さん:
事業展開する場合は、先に出願していくことが大事ですね。
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<プロフィール>
堤伸輔さん
国際情報誌「フォーサイト」元編集長
BSーTBS「報道1930」ニュース解説