不登校は子どもの問題ではなく大人の課題、まずは大人が楽しめる居場所を!「トーキョーコーヒー浦安」

TBS NEWS DIG Powered by JNN
2026-06-02 15:12
不登校は子どもの問題ではなく大人の課題、まずは大人が楽しめる居場所を!「トーキョーコーヒー浦安」

大人が楽しめる居場所

文部科学省の調べによると、24年度の不登校児童・生徒数は35万人を超えて過去最多となりました。こういった背景を踏まえ、今回は「トーキョーコーヒー浦安」を取材してきました。

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この「トーキョーコーヒー」とは”登校拒否”のアナグラムで、『不登校は子どもの問題ではなく大人の課題』と考え、まず大人が意識を変えて楽しむことが大切であると、2022年8月に奈良県で活動をスタートさせました。そして、賛同した人たちが自分の街でも活動したいと手を挙げて、今では全国に420カ所以上の拠点があるのです。そのひとつが千葉県浦安市の「トーキョーコーヒー浦安」です。

「大人が意識を変えて楽しむ」場所なので、近所に住む大人が主体的に集まっています。取材日には大人14人と、子どもは小学生と中学生合わせて2人が集まってランチ作りをしていました。

大人たちの中には不登校のお子さんがいる親御さんもいましたが、特にそういった話をすることもなく、「前に作ったあれおいしかったよね」とか「調味料は目分量でいいのよ」「やっぱり餃子を包む時間が一番楽しいわ」など笑い声が絶えませんでした。

ここ「トーキョーコーヒー浦安」は、主宰者の君塚広さんと君塚直子さん夫婦の自宅を開放して活動を行っています。お2人に「自宅」のメリットを伺いました。

君塚直子さん
場所を借りないで済むので楽ですよね。何を持って、天気がどうで、移動しなくちゃいけない…ということがないじゃないですか。家で待っていてオープンにしていれば、どんどん来てくれるので。

君塚広さん
ここには「トーキョーコーヒー」の主宰者って役割を背負っている人がいるんじゃなくて「僕と直子さんがいる」っていうのが、自分たちで言うのもなんですけど安心感というか、馴染みがあるみたいな。それは家だからですよね。

近くに実家があるような感覚

イベントなどは週に1回程度、夕飯をとりながら話をするのは週に3日ほどあります。時間は決まってはいるものの、遅れて来ても早めに帰ってもよいとのこと。また活動がない日でも君塚さんに連絡をして家に来る人もいるそうです。当日参加していた大人のみなさんに聞きました。

▼ここにいると癒されるので、私が癒されに来ています。自分が行き詰まったときも絶対に受け入れてくれる場所がある感じです。悩んだ状態のまま行っても受け入れてくれて話を聞いてくれる場所だと思っているので、とても心の支えになってます。

▼今日これくらいの人数分のご飯作るけど来られる人は来て、来られない人は来なくても大丈夫みたいに言ってもらえるから、みんな楽で。急にきょう暇になったなという時も来られます。

▼1年前に引っ越してきたので知り合いも少なく、私がちょっと不安定になってしまっていたので、こういうところがあってホッとしています。

▼扉を開けるときに「ただいま」って言いそうになりました。それに尽きるという感じです。

ここを近くにある実家のような感覚でとらえている人が多いようです。君塚さんは「浦安周辺は新しい住人も多いので、困ったらいつでも来てほしい」と話していました。

話したければ話せばいい

イベントですが、夏は流しそうめんやセミの羽化を観ながらお酒を飲んだり、浦安の三番瀬に鳥を観に行ったりしています。やりたいことがあれば提案もできます。「大人の活動の場」なので、子どもは何をして過ごしてもOKです。

この日はみんなでご飯を食べた後、大人は哲学対話。子どもたちはパソコンのゲームに夢中になっていました。というのも君塚さんは元々、自宅でプログラミング教室をしていたことから、パソコンが何台も並ぶ専用部屋があるのです。途中から、以前トーキョーコーヒー浦安を利用していたOBも来て、部屋からは常に笑い声が聞こえていました。

取材して気付いたのは、みなさん、とにかく楽しく過ごし、特に自分の相談をすることが無いという点です。なぜなのか、君塚さんご夫婦に伺いました。

君塚広さん
トーキョーコーヒーのスタンスとして「不登校の親御さんの悩み事を語る会」みたいにやってしまうと、かえって来づらいということがあるから「楽しいことやろうよ」っていう感じなんですよ。でも楽しいことをやっていると、お料理作っていても「実はうちの子、学校行ってなくて」とか出てくるわけで、それまでにすでに仲の良かった人でも、この活動を通じて「あ、そうだったの?」って気づきがあるわけですね。

君塚直子さん
お金を出して与えられたサービスではなく、自分たちで自分たちの場を作るという感覚は、みんなの元気のもとになると思っています。

自分たちで居心地の良い場所を作り、話したければ話せばいいし、ただ聞くだけでもいい。取材時にも、仕事で途中抜けたお母さんがいましたが、子どもたちは残って遊んでいました。

君塚さんは「昔あった土地の縁のようなものを作りたい」とも話します。取材で伺ったのに、私も楽しくなってつい長い時間お邪魔してしまいました。まずは大人が楽しんで、その背中を見せることが大事なことなのかもしれません。

(TBSラジオ「人権TODAY」担当:TBSラジオキャスター楠葉絵美)

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