履歴書やパスポートも流出… バレエ教室も標的に サイバー攻撃の原因は初歩的な“隙”【Nスタ解説】

TBS NEWS DIG Powered by JNN
2026-06-02 21:00

世界中で被害が相次ぐサイバー攻撃。
JNNが入手したハッカー集団のチャット記録から、その実態が見えてきました。
被害の多くに共通していたのは「単純なパスワード」でした。あなたの大切なデータも狙われているかもしれません。

【写真を見る】「どこに“抜け穴”?」ハッカーvs被害者の記録

中小企業や個人も標的 サイバー攻撃の実態

出水麻衣キャスター:
企業を狙うサイバー攻撃は、「ランサムウェア」と呼ばれるデータなどを人質に取り“身代金”を要求する手法が多くなっています。警察庁によると、わかっているだけでも2025年は226件の被害がありました。

2025年9月に「アサヒグループホールディングス」が甚大な被害に遭った印象が強いと思いますが、内訳を見ると中小企業が多いという現状があります。

【ランサムウェアによる被害件数】
▼中小企業:143件
▼大企業:64件
▼団体等:19件

さらに企業としての損害だけではなく、個人にも大きな被害が及んでいるようです。

TBS報道局社会部 福田陽平 記者:
「リークサイト」と呼ばれるハッカーの“暴露サイト”には、世界中の会社の機密情報だけではなく、個人情報も公開されています。

実際にサイトを見ると、ある日本の企業から盗んだとみられるファイルがそのまま掲載されていました。中には契約書や履歴書、パスポートといったデータもありました。

これらはサーバーで管理していたものとみられますが、そのようなデータも流出する恐れがあります。

出水キャスター:
このリークサイト自体は誰でもアクセスできるのでしょうか。

TBS報道局社会部 福田記者:
誰でもいつでも簡単にアクセスできるわけではありませんが、特殊な方法を用いれば閲覧することができてしまいます。

ターゲットはどう見つける?お金を要求されたら?

出水キャスター:
ハッカーはどのようにデータを狙ってくるのでしょうか。

金銭目的のハッカーの多くは、手当たり次第に攻撃を行っているといいます。

集合住宅のように、たくさんあるドアのノブを順番にガチャガチャとひねり、入れそうなところに侵入しているようなイメージだそうです。

要求する金額は、相手企業の売上などを確認して、“払えなくもない額”を設定するパターンもあるといいます。

TBS報道局社会部 福田記者:
2026年1月にサイバー攻撃に遭ったバレエ教室も、狙われていたというよりも、たまたま(サーバーや情報システムの内部などへ)侵入できたとみられています。

バレエ教室には“身代金”として約4万円が要求されましたが、その身代金はもちろん払っていません。「4万円くらいなら払ってもいいのでは?」と思う方もいるかもしれませんが、本当にデータが返ってくる保証はありません。

実際、返ってこないことも多く、さらにお金を要求されることもあります。

基本的に“身代金”要求には応じず、そもそもハッカーとコンタクトを取らない方がよいと考えられます。

意外な行為で被害者になることも

出水キャスター:
一個人が、サイバー攻撃の被害者になってしまうケースもあるのでしょうか。

TBS報道局社会部 福田記者:
多くの企業はきちんとセキュリティ対策を講じており、簡単には入れません。しかし、初歩的なところから侵入されることが多いのが現状です。

例えば、偽メールにあるリンクをクリックして、ウイルスをダウンロードしてしまったり、単純なパスワードであったり、ソフトウェアの未更新などが原因となり、被害を受けるケースが多くあります。

それぞれの意識を高めるだけで防げる被害もたくさんあるのです。

政府の対策はどうなってる?

出水キャスター:
島根さんは、外交官として重要な情報を握る立場にいたと思いますが、サイバー空間での身の守り方は、どのように工夫されていますか?

元外交官 島根玲子さん:
私生活ではなるべく「2段階認証」を入れるようにしていますが、どこにセキュリティの穴があるかわからないから怖いですよね。
それと、パスワードはなるべく紙に書くようにしています。

TBS報道局社会部 福田記者:
その紙を、決して誰にも見られないようにすることが大切です。

現在は、パスワードを管理するツールもあるので、そこで管理するなど、いろいろな方法を考えるのもいいと思います。

井上貴博キャスター:
個人の対策も大切ですが、国としてどのように対策をしていくのか。

日本はハッキングしづらい国だと思わせることが必要だと思います。

TBS報道局社会部 福田記者:
日本の警察も、新しいサイバー部隊を作るなど、一生懸命やろうとしています。

しかし、サイバー空間は国境がありません。アメリカやヨーロッパなど各国と連携・情報共有をして、ハッカーを追い詰めるといった取り組みが今は求められています。

出水キャスター:
日本の、サイバー空間の力強さはいかがですか?

TBS報道局社会部 福田記者:
優秀なエンジニアはたくさんいます。
日本だけが弱いということはないと思います。

むしろ、これからは「日本のセキュリティは万全だ」と、世界中に知らしめるようなホワイトハッカーが出てくれることを願っています。

出水キャスター:
そのためにも、個々人の意識を高める必要があると思います。

メールアドレスやパスワードが流出していないか無料で調べられるサービスもあるので、ぜひ活用してみてください。

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<プロフィール>

福田陽平
TBS報道局 社会部 サイバー・調査報道担当
ハッカーへの直撃取材も

島根玲子
元外交官 高校で2度の留年・中退を経験
2011年外務省入省 中南米やアジアとの外交に携わる

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