中東情勢悪化で高騰続くガソリンへの補助金…一律補助の“公平性”に疑問の声も 財政負担増加の裏で専門家は「変革のきっかけにすべき」【サンデーモーニング】
ガソリン補助金の見直しが始まっています。そもそもガソリン補助金の仕組みはどうなっているのでしょうか。
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日本の倍以上の国も 補助金で“G7最安”に
中東情勢の悪化によって高騰するガソリンへの補助金。
レギュラーガソリンの店頭価格が170円程度になるように支給額が決められ、現在は33.3円。もし補助金がなかったらレギュラー価格は203円ぐらいになる計算です。
では、170円という今の日本のガソリン価格は高いのでしょうか。
G7各国と比較してみると、フランスは389円、イタリアは381円。二酸化炭素削減を目的とした炭素税の負担が多く、日本の倍以上の価格となります。
一方、日本は、補助金が入ることにより、産油国のアメリカよりも安く、G7で最安となっているのです。
【G7レギュラーガソリンの値段】
※円/1L(1ドル=160円で計算 Tradingeconomics 5月時点)
フランス:389円
イタリア:381円
ドイツ:373円
イギリス:342円
カナダ:221円
アメリカ:189円
日本:170円
フェラーリの給油にも? 一律補助の“公平性”とは
しかもこの補助金は元売りに支払われるため、ガソリンスタンドで売られる時には既に引かれています。そのため、どんな車でも一律に恩恵を受けることができます。
河野太郎元外務大臣は「ロールスロイスやフェラーリに給油するガソリン価格まで、財政の補助で引き下げる必要はない(5月31日のX)」と指摘しています。
簡単に計算してみると、フェラーリの市販モデルの最高級車の場合、燃費が6.5km/Lとされています。一方で、最も低燃費の軽自動車、スズキ‧アルトは28.2km/Lとされています。
仮に500km走った場合、アルトは約17.7L必要で589円補助されることになりますが、フェラーリは約76.9L必要で2561円が補助されていることになります。
また、地方で車が必要な人と、都市部で車がなくても生活できる人にも同じように補助をするのが公平なのかという疑問もあります。
ガソリン補助金で膨らむ財政負担 前回のオイルショックでは…
3月に始まったガソリン補助金。原資となる基金の残高は、当初1兆1600億円ありましたが、このままでは7月末ごろには基金が枯渇する計算です。
そのため、5日に成立した補正予算で、2兆5千億円の「中東情勢等対応予備費」を計上し、ガソリン補助金を続けられるようにしたわけですが、このままでは財政負担が膨らむ一方です。
野村総合研究所のエグゼクティブ・エコノミストの木内登英さんは「1970年代のオイルショックをきっかけに日本は省エネを進め、産業や経済の力を高めた」と指摘します。
前回のオイルショックの時には今回のようなガソリン補助金はなく、政府はマイカーの自粛や営業車にも節約を訴えました。
専門家「変革のきっかけにすべき」
そんな中、ホンダのシビックがクリーンなエンジンを作り出し、17km/Lという低燃費を実現しました。これがアメリカで4年連続低燃費1位となり、オイルショックも追い風となって世界的な大ヒットとなりました。
このあと日本の自動車メーカーが次々と省エネカーを作り出し、今の地位を築いていたのです。野村総研の木内さんは「今回も経済‧社会の構造を柔軟で持続可能な強いものに変革していくきっかけにすべき」と話しています。