“魔法の紙”で習字、筆は“家で洗う”「イマドキの学校事情」~授業編~【THE TIME,】

昔は、習字の筆や絵筆は授業の後に学校で洗っていましたが、今では持ち帰って家で洗うのが当たり前。その背景には変わりゆく教育システムがありました。
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全校朝会もリモート化
イマドキは、学校用のタブレットやパソコンが配られているので、“家にいながら”授業を受けることも増えています。
▼小3女子:「インフルエンザで学級閉鎖しちゃって家で。パソコンで授業」
▼小4の母親:「台風の日に午前9時にリモートで出席確認。先生から課題が出て午後2時にもう1回確認」
他にも“リモート化”した学校行事があります。
東京の『狛江市立緑野小学校』では、月曜朝の全校朝会は校庭ではなく教室で。校舎の中にある“専用スタジオ”から校長先生の話などを生中継し、教室のモニターで見るスタイルです。
新常識「墨汁を使わない」習字
授業風景がガラッと変わったのは、「習字」です。
『葛飾区立中青戸小学校』(東京)の2年生の教室を覗いてみると、机の上に「墨汁」がありません。墨汁の代わりに使っているのは…
小2男子:
「水で書いている」
子どもたちの手にあったのは「水筆」。筆ペンのようなスタイルで、持ち手部分に“水”を入れて使う筆です。
そして、水で文字を書くのに使っているのが…
小2児童たち:
「まほうのかみ」「乾かして何回も使える」
子どもたちが“魔法の紙”と呼ぶのは、表面に特殊な加工がされていて“水で濡れた部分が黒く見える”「水筆紙」。文字を書いた後、乾燥させれば何度でも使えます。
この水筆と魔法の紙の授業を行うのは1・2年生だけです。
『葛飾区立中青戸小学校』折本昭一校長:
「1・2年生が墨汁を扱うのはなかなか難しい。こぼしちゃったり、墨だらけになったり」
さらに、イマドキらしい理由として、「タブレット入力が増え文字を書く機会が減っている」ことから、1年生から「水筆で文字をきれいに書く方法を学んでいる」といいます。
水筆で書いた後は、鉛筆でも上手に書く練習をします。
折本校長:
「鉛筆で、とめ・はね・はらいを意識するのは難しいので、指導の工夫として水筆が推奨されるようになった」
習字で使った筆を「家で洗う」ワケ
3年生以上の書写の授業にもイマドキの変化があります。
たっぷりと墨汁をつけて、「道」という漢字を練習する児童たち。授業が終了すると、筆に墨汁がたっぷりついているのにもかかわらず、半紙でふき取るだけでそのまましまっています。
小5女子:
「筆は洗わない。そのまま紙に包んで家に帰って洗う」
習字の筆は“学校で洗わない”とのこと。街で聞いてみても…
▼小3:「書道の筆は家で洗ってって言われている」
▼小4:「今では家で洗うのが当たり前」
さらに、「“絵の具の筆”も洗って帰ってこない」(30代母親)、「“図工とかで使った筆”とかは学校で洗っちゃダメって」(小6)という声も。
なぜ、学校で筆を洗わなくなったのでしょうか?
『狛江市立緑野小学校』亀田親子校長:
「汚れよりも“時間的”な理由で、家で洗うようにしている。教科担任制の導入で教科によって先生が変わる。そうなると“時間を守るというのが大前提”になる」
2022年度から小学校での導入が進められている「教科担任制」は、教科ごとに教える先生が変わる仕組み。そのため、“次の授業に影響が出ないように”、筆を家に持ち帰って洗うスタイルに変化しているのです。
家で筆を洗うことについて保護者からは…
▼30代母親:「汚くなって後片付けの方が大変なので私が洗うようにしちゃっている」
▼40代母親:「足跡みたいに黒い点々になっているので『今日筆だったか…』と。こちらも結構気合入れないといけない」
中には、“上下にカットしたペットボトル”を使って筆を洗わせている人も。
30代母親:
「カットしたペットボトルの先を排水口に入れながら、ジャーって洗って洗面台が汚れないようにしている」
時代に合わせて変化する学校。次はどこに向かうのでしょうか?
(THE TIME,2026年6月11日放送より)