中野区の住民が高齢者を支えるネットワーク「みま~も桃園」

TBS NEWS DIG Powered by JNN
2026-06-23 13:45
中野区の住民が高齢者を支えるネットワーク「みま~も桃園」

カフェに映画上映。多岐にわたる活動で地域の高齢者の居場所に

東京都中野区の桃園地域を拠点に活動する「みま~も桃園」を取材しました。「みま~も桃園」はJR中野駅の南側に広がる地域の高齢者、障害者などを支援する「支えあいプロジェクトチーム」(2011年発足)を母体にして、2022年に新たにスタートした支援や居場所づくり、人や団体の連携促進などを目的にする住民ネットワークです。

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モデルにしたのは2008年に結成された大田区の「みま~も大田」です。「みま~も」は医療・保健・福祉の専門職が連携し、地域住民とつながって高齢者、障害者などの支援を行うネットワークです。この取組みは大田区以外にも「みま~も」を冠した各地域の活動として全国に広がっています。

「みま~も大田」は専門職の連携を中心にしていますが、「みま~も桃園」ではさらにネットワークを広げ、町会や大学生、ボランティアなど民間の人、組織が混じりあい、活動内容も高齢者支援以外に広がっているのが特徴で、住民主導で運営される「みま~も」の進化形といえます。スタッフはその活動を「気づきのネットワーク」と名付けています。

「みま~も桃園」の活動には70歳以上の高齢者の住まいの「見守り訪問」があります。この活動は月に2回行われ、「みま~も」のスタッフや大学生ボランティア(帝京平成大学・地域連携部のみなさん)が、地域の70歳以上の一人暮らしの方、75歳以上の夫婦の自宅を訪問し、健康状態などを確認します。

その訪問活動をよりスムーズに進めるため考案されたのが、毎月第1木曜日に地域の桃園区民活動センターで開催される「みま~もカフェ」です。これは年齢、住所などに関係なく誰でも参加でき、お菓子やお茶をいただきながら参加者が交流し、健康などに関するセミナーなどを受ける「居場所イベント」です。

今では毎回60人から70人が集まる人気イベントになったそうです。「みま~も桃園」のスタッフ、青木理恵子さんに取組みのきっかけを聞きました。

『見守り訪問っていう活動をすると決めて動き出したんですけれども、最初の「はじめまして」から始まって、何度も訪問し続けるにはなにか口実が必要で、「人が集まるカフェを立ち上げましたので遊びに来ませんか」と、訪問のきっかけになればいいと思って、5~6人のお茶会から立ち上げたんです。

それが今、発展した形で、中野区以外からも大勢の方がいらっしゃるイベントになりました。ただ、課題として、男性の方が少ない、男性の方ってお茶の会にあんまり行きたくないんですね。それで、映画だったら男性も集まるかなと、お茶会スタイルとは別に、無料の映画会っていうのを居場所として作ったのが「みま~もシアター」で、毎月1回、第3木曜日に開催しています。

今は「シアター」をきっかけに「カフェ」へ参加する男性や、「カフェ」から「シアター」に行く女性がいたり、高齢者だけでなく若い人も来てくれています。そうした居場所イベントがプラットフォームみたいな感じになって、町会や地域を飛び越えたり、業種を越えた方たちが交流できる場として機能している感じです』(「みま~も桃園」スタッフ・青木理恵子さん)

認知症予防に!「初心者健康麻雀学校」

「みま~も桃園」の特徴的なイベントで麻雀未経験者のための「初心者健康麻雀学校」が毎週水曜日に開催されています。麻雀で高齢者支援とは意外な感じもしますが、「健康麻雀」は「賭けない、飲まない、吸わない」を基本ルールにしたゲーム麻雀で、「日本健康麻将協会」という全国組織もあり活動が広がっています。

「みま~も桃園」の「初心者健康麻雀学校」も老化予防、認知症予防、高齢者の社会参加などを目的に開催されています。この「健康麻雀学校」に行ってみました。会場になる桃園区民活動センターの一室には麻雀卓が6卓ならべられ、生徒の皆さん、約20名ですべての卓が埋まっていました。

イベントのきっかけを「みま~も桃園」副代表の朝倉才(まさる)さんに聞きました。

『他の地域で健康麻雀をやっているチラシを見て、うちの方でも取り入れたいなって思ったんです。それで大手保険会社が協会と提携して教室を開催しているのを知って、いちど参加させていただいて、これだったらできるなと、昨年、試験的にこの会場で開催しました。

そうしたらとても人気があって、今年の4月から毎週定例のイベントになりました。開催の効果として、ひとつは自宅からここまで歩いて来る。で、ここに来て参加者の皆さんと会う。会って会話をする。麻雀は手を動かす、頭を使う、認知症予防ですね。足腰にもいいし、頭にもいい、まさに「健康」ではないかなと思っています』(「みま~も桃園」副代表・朝倉才さん)

興味深かったのは、麻雀学校の生徒の大部分が女性ということです。最高齢が89歳、若い方でも60歳代の女性が、卓を囲んで実戦で麻雀ルールを勉強していました。約3時間、みなさん初心者なのでその時間で半荘1回しかできませんが、楽しそうに笑いながら新しいゲームに挑戦していました。女性の生徒さん、60代と80代の方に感想を聞きました。

『麻雀をやったことがなかったので、ぜひ習ってみたいと思いまして、参加することにしました。色々と分かりやすくご説明いただいて、本もいただいてるんですけど、覚えないといけないことが沢山で、今ちょっと頭がいっぱいになってます。でも、ここに通って来るたびに知識が増えてきてるので、ちょっとずつでも強くなれるといいなと思います』(60代女性)

『私88歳です。母の介護で30年間、家に引きこもってましたので、ここへ出てきて皆さんと何かする楽しさを知ろうと思って参加しました。「みま~もカフェ」とか「シアター」にも参加していて、そこから「麻雀学校」が加わりました。最初4つの牌から始めるんですけど、それからして難かしゅうございました。でも今はだいぶ覚えて13牌でやっています。毎回、くじ引きで卓を決めるので、いつも同じ方と牌を打つわけではないので、街で「あ、あの方、顔見知り」みたいな方が増えましたから、町を歩いていても、楽しゅうございます』(80代女性)

参加者のみなさんは笑顔がとても印象的で、講師の先生も「友だちができて、笑顔になるのが健康にとても良い」と強調していました。

「みま~も桃園」の活動が活発な理由

「みま~も桃園」ではほかにも、スマホ教室、子ども食堂、地域の遊歩道で行うガーデニング教室など、様々なイベントを企画、実施しています。イベントへの参加は年齢、住んでいる地域の制限がなく、中野区以外から来る人がいたり、大学生などの協力もあるそうです。

また、スタートアップ企業が提供するアプリを「見守り訪問」のデータ記録に活用したり、高齢者などに配布している「お出かけ安心キーホルダー」という身元確認グッズにQRコードを採用するなどIT技術も積極的に取り入れています。

「みま~も桃園」代表の中山浩一さん、さきほどの青木さんに、これだけ活動が活発な理由を聞きました。

『区民活動センターの所長にも各イベントにとても厚く協力していただいてますし、最近、30代とかの若い人たちが加わってくれることが多くて。人に恵まれたっていいますか、賛同する人がいなければ発展もしないし、広がらないですからね。使命感とか義務感だけじゃできないですよね。スタッフがみんな、自分たちでも楽しんでるんですよ。』(「みま~も桃園」代表・中山浩一さん)

『「こんなことやってみたいな」という声を「じゃあどうやったらできるかな」と麻雀もそうですし、ガーデニングもそうですし、 ひとつの町会や、 ひとつのサークルじゃできないようなことを話しあって、ネットワークでできないか、応援してくださる方たちがいるから、安心して挑戦できるっていうかね。』(「みま~も桃園」スタッフ・青木理恵子さん)

全国各地に広がっている「みま~も」活動の中でも「みま~も桃園」は特に多種多様な活動をしており、社会の高齢化が進んでいく中で、地域住民にできる効果的取組み、ネットワーク作りの成功例として参考になる部分が多いと思いました。

(TBSラジオ「人権TODAY」担当:藤木TDC)

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