歴史的円安の直撃で飲食店からは悲鳴…“買い負け”で食材仕入れが困難を極める現実 日米財務相会談で対応を協議【news23】
6月23日午後11時半の円相場は1ドル=161円半ばで円安が続いています。輸入食品の値上がりが相次ぐなか、“買い負け”によって仕入れができない事態も。“歴史的”ともいえる円安に、飲食店からは悲鳴が上がっています。(6月23日放送 news23より)
【写真で見る】牛タンステーキ、チーズも値上げ… オリーブオイルは2年で1000円以上高騰も
輸入食材を使う飲食店からは悲鳴… “買い負け”の現実
東京‧六本木にあるステーキ店。店で扱う食材の3割が輸入食材で“円安”の影響は避けられません。
例えば、看板メニューの「熟成牛タンのステーキ」に使うオーストラリア産の牛タンの仕入れ値は、今年に入って1㎏あたり500円ほど値上げしました。
その他、輸入チーズも軒並み値上がり。
オリーブオイルにいたっては、この2年で1000円以上も高騰しているそうです。
さらに気がかりなことは他にも...
炭焼き肉とワイン 旬熟成 金井正志店長
「日本が値段で買い負けているという話はよく聞く話で、うちも発注したものが正常にこないというのが多々あります」
世界的な人気を誇るフランス・ブルゴーニュ産ワインなどは円安の影響で海外のバイヤーに買い負け、品薄状態が続いているのだと言います。
⻭止めの効かない円安。円相場は22日1ドル=161円90銭台まで下落し39年半ぶりの水準に迫りました。
歴史的な円安で、プラスの影響が期待されるのは輸出関連企業の業績です。
ブルームバーグの試算によると160円を超える今の水準が続いた場合、トヨタ自動車など、国内自動車7社の今期の営業益は9000億円以上押し上げられるといいます。
ただ、輸入食材を扱う飲食店にとっては死活問題。
店には毎月、価格改定の連絡が来ると言います。
金井正志 店長
「(ひと月に)多い時は10品目上がる」
それでも店側は“客のために値上げは避けたい”と仕込みやメニューを見直すなど工夫を続けています。
金井正志 店長
「円安は一刻も早く抜けてほしい。気持ちの問題もあると思うので、円安が続くと心も疲弊しちゃう」
日米財務相会談「断固たる措置」 円安対応へ協議
“悲痛な声”が上がる中、政府・日銀は4月末から5月にかけて11.7兆円規模の為替介入を実施。
円相場は一時1ドル=155円台まで急騰しましたが、わずか1か月あまりで160円台に逆戻りしました。
また、日銀による政策金利の引き上げも円安を止める“決定打”にはなっていません。
こうした中、片山財務大臣は22日夜、アメリカのベッセント財務長官とオンラインで会談。為替介入を含め、円安への対応を協議しました。
片山さつき 財務大臣
「必要とあれば断固たる措置を取るということをお互いにしっかり合意しております」
23日の円相場は為替介入への警戒感からやや円高に振れましたが、それでも“円安傾向”は変わらず。有効な手立ては限られつつあります。
39年半ぶり水準迫る “歴史的”円安 メリット・デメリットは?
小川彩佳キャスター:
円安の歯止めが効きません。
地域エコノミスト藻谷浩介さん:
円安というのは基本的に日本人、あるいは我々の経済価値が下がっているということなので、いいことではありません。
輸出企業が儲かるといいますが、ドルの売り上げは同じで、円に直すときに円安だから増えてるように見えるだけなんです。
それどころか、バブル以降、ドルで見た輸出は1割程度下がっています。実は史上最高水準で日本製品が売れているのですが、ドルで見て下がっているということは円安の効果がありません。
小川キャスター:
打つ手はあるのでしょうか?
藻谷浩介さん:
金利を上げるということです。
原因は、アメリカの金利が3〜4%あるのに日本の金利はまだ1%です。
皆が儲けのためにアメリカに投資している。アメリカにドルを置いてるということなので金利をゆっくり上げていくしかない。
しかし、金利を上げるといろいろな副作用があるので、だましだまし上げていくしかない。
少なくとも円安がいいことだと言うのはやめた方がいいと思います。
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<プロフィール>
藻谷浩介さん
地域エコノミスト 共著「東京脱出論」
(株)日本総研主席研究員