類まれな才能で聴く人を魅了し続けた、野良出身の「天才ピアニスト猫」 米国

2026-06-28 06:00

「天才ピアニスト」として評判になった猫Noraは、野良の母猫から生まれました。施設に保護されていたときに、ピアノ教師の飼い主夫妻に引き取られました。自宅のピアノに接して、たちまちその才能が開花したのです。

ピアノ好きの子猫

鍵盤に触る子猫

画像はイメージです

サバトラ猫のNoraは2004年に野良猫の母から生まれました。赤ちゃん猫として米国ニュージャージー州チェリーヒルの動物保護施設に保護されていたとき、Betsy Alexanderさんと夫のBurnell Yowさんの家に引き取られたのです。

彼らの家にはすでに5匹の同居猫がいました。当初はNoraを歓迎しない猫もいてちょっとした騒ぎがあったのですが、やがて落ち着き、Noraは1匹だけで静かに過ごせるようになったのです。

Betsyさんはピアノ教師なので、自宅には生徒たちが頻繁に出入りしていました。Noraは生徒たちの楽譜バッグに潜り込んで抱っこしてもらうのが大好きで、生徒たちもこの猫を気に入り、一緒に写真を撮ったりしていました。

音楽室にはグランドピアノが2台並んで置いてありましたが、Noraはヤマハのピアノの音色が気に入ったようで、演奏されている間はずっとそのピアノの下に座っていました。

猫のピアノ演奏が大評判に

ピアノを弾く猫の手

画像はイメージです

Noraが1歳になると、自分でもピアノを弾いてみようと決めたようです。ピアノの椅子に飛び乗り、鍵盤に前足を乗せて心地よい音を響かせました。夫婦は、ほかの猫たちがまったく興味を示さなかったピアノにNoraが関心を持ったことに驚きました。

間もなくNoraはほぼ毎日ピアノを弾くようになりました。しかもヤマハのピアノを好んで使い、そのピアノが他の人に使われているときだけ別のピアノを弾きました。低い音よりも高い音域を好んで弾くことも明らかになりました。

しばらくすると、生徒たちと連弾までするようになりました。そのうち「Noraの演奏をYouTubeに投稿すれば、友達みんなに見てもらえる」と生徒から提案され、Burnellさんが投稿したところ、これが大ヒットとなったのです。

Noraの名声はどんどん高まっていきました。

テレビ番組に出演したり、さまざまなキャラクター・グッズが販売されたり、歌手のビリー・ジョエルからお祝いのカードが届いたりもしました。NoraはFacebook、Twitter(当時)、Instagram、YouTubeにも専用ページを持ち、何100万人もの人がこの猫の動画を視聴し、数冊の本まで出版されました。

自身の「ピアノ協奏曲」や優秀賞も

鍵盤に顔を載せて眠る猫

画像はイメージです

2009年には、リトアニアの指揮者Mindaugas PiecaitisがNoraのことを知り、そのピアノ演奏を題材にした猫のためのピアノ協奏曲を作曲しました。

完成した4分間の楽曲「CATcerto」は、リトアニアのコンサートホールで初演され、演奏中には室内管弦楽団の背後にある巨大スクリーンに「ソリスト」としてNoraが演奏する映像まで映し出されました。

同年、ニューヨーク州ホワイトプレーンズで開催されたキャットショーで、Noraは「年間最優秀猫」賞を贈られました。この猫の特別な音楽的才能が広く認められたものです。授賞式の後には、ウェブカメラを通してNoraが「自宅のピアノに座って鍵盤を奏でる姿」が映し出され、会場を大いに沸かせました。

2024年2月5日、Noraは19歳で亡くなりました。晩年は関節炎のためピアノを弾くことはなくなっていました。加えて数年前から慢性腎臓病を患っていたのです。

Facebookページには「自宅のお気に入りの毛布の上で、飼い主たちに囲まれてやすらかに息を引き取りました。この美しく才能あふれる猫と、20年近く一緒に過ごせたことに心から感謝しています。彼女は私たちにたくさんの喜びをくれました。Noraを通してたくさんのすばらしい人たちと出会うことができました。長年にわたり、Noraはファンや崇拝者のみなさまから無数の愛情あふれるメッセージを受け取ってまいりました。心から感謝いたします」というメッセージが記されています。

出典:Nora, the piano player

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