猫の『サマーカット』って本当に必要なの?3つの良い点・悪い点から検討すべきことまで
夏になると、猫のサマーカットを検討する飼い主さんが増えてきます。カットすると見た目が変わるだけでなく、毛並みのお手入れや体への影響も出てきます。そもそも猫の被毛には体温の調整や皮膚を守る働きがあるため、「暑いからカットする」と一概には言えない面もあります。お手入れがラクになるメリットと、被毛本来の働きが変わるデメリット、両方を確認したうえで判断しましょう。
猫のサマーカットで得られる良い点3つ

サマーカットをすると、毛のお手入れがラクになったり、毛玉や汚れの管理がしやすくなったりする良い点があります。これは猫にも飼い主にもメリットです。
まずは、サマーカットによって期待できる良い点を見ていきましょう。
1.毛玉ができにくくなる
わきの下や内股などの関節部分は動きが多いことから、毛が長いと擦れて毛玉ができやすくなります。一度毛が絡んでしまうと、グルーミングだけでは解けず、毛の塊に皮膚が引っ張られて痛みを感じることもあるでしょう。
そこでサマーカットをして毛を短くしておくと、絡まり自体が起こりにくくなり、毛玉もできにくくなります。
2.ブラッシングが楽になる
春と秋は大量に毛が抜ける換毛期になりますが、室内飼いの猫には個体差があり、換毛期以外にも一年中ダラダラ生え変わる傾向があります。特に毛が長いと、毎日丁寧にブラッシングをしていても、毛はどんどん抜けるので多くの時間がかかります。
その点、サマーカットで毛を短くすると、ブラシが通りやすくなり、手入れはかなり簡単になります。ブラッシングが得意でない猫は、負担軽減にもつながるのが大きな利点です。
3.汚れに気づきやすくなる
毛が長い猫では、暑さだけでなく、おしり周りの汚れも問題になりやすくなります。お腹を壊して便が緩くなったときは特に、長毛種だとひと苦労。固まるトイレ砂を使っている場合は、後ろ足の毛に砂がついてしまうこともあります。
サマーカットをして毛を短くすれば、生え揃うまでの間は汚れが付いてしまっても、すぐに確認しやすくなります。
猫のサマーカットの3つの悪い点

サマーカットにはお手入れがしやすくなるなどの良い点がある一方で、被毛が持つ本来の役割が変化することで注意したい点もあります。実際にどのような影響が考えられるのか見ていきましょう。
1.皮膚への刺激を受けやすくなる
被毛には皮膚を守る役割もあり、極端に毛が短くなると外からの刺激が直接皮膚に伝わりやすくなります。そのため、家具へのスリスリや、毛づくろいするときの舌のザラザラなど、普段は問題のない軽い刺激でも、擦れによる赤みや軽い炎症が起こりやすくなる可能性があります。
また、皮膚に紫外線が直接当たりやすくなるため、日光による皮膚トラブルのリスクが高まります。特に白毛の多い猫は、紫外線による皮膚がんになりやすいため、注意が必要です。
2.室温の影響を受けやすくなる
猫の毛には、温度や風から体を守る本来の役割もあります。
特に寒冷地出身の長毛種が、急に毛を短くすると、室温の変化を直接感じやすくなり、少しの室温変化でも体調に影響を受けやすくなります。
温度差による不快感だけでなく、冷えは消化器の不調や免疫低下などの健康問題が出ることも。カット後は、より一層こまめな温度管理が必要になります。
3.慣れないとストレスになることも
サマーカットをするために、トリミングサロンへ行ったり、カットするために拘束されたりすることは、慣れない猫にとっては大きなストレスになることもあります。特に、聞き慣れないバリカンの動作音や振動が近づくことを怖がる猫は少なくありません。
たとえ自宅でカットする場合でも、飼い主さんが猫のトリミングに慣れていないと、必要以上に時間がかかり、誤って猫にケガをさせてしまうおそれもあります。痛い思いをすれば、猫にとって大きなストレスになってしまうでしょう。
サマーカットで検討すべきこと

愛猫にサマーカットが必要かどうかは、猫の毛の状態や生活環境、普段のお手入れの状況によっても変わります。
短毛の猫は、毛玉もできにくく、ブラッシングだけで十分に抜け毛対策ができるため、サマーカットをする必要はあまりありません。ただし、高齢や肥満、関節炎などで毛づくろいが難しい場合なら、汚れも気になりますし、サマーカットを検討する選択肢もあるでしょう。
長毛種の場合は、毛玉や汚れ対策としてサマーカットを検討することがあります。日頃からブラッシングをしていても換毛期の抜け毛処理が追い付かず、毛玉ができてしまうこともあります。毛の絡まりが引っ張られてブラシを嫌がる場合は無理にゴシゴシせず、一旦カットしてスッキリするのも方法のひとつです。
また、毛量が多く蒸れやすい猫や、夏場に皮膚トラブルを起こしやすい猫は、全体をカットするのではなく、部分的なカットが役立つこともあります。
近年、夏には酷暑が続くため、エアコンによる温度管理が必要です。もし、適切な室温で生活しているなら、暑さ対策だけを目的にサマーカットをする必要性は低くなります。
これまでトリミングサロンに行ったことのない猫は、慣れない場所での長時間の施術に過度なストレスを感じるリスクがあります。猫の性格をよく考えて判断するようにしましょう。
まとめ

暑くなると気になってくる猫のサマーカットですが、結論としては、一概に推奨できるものではないということです。
猫のサマーカットの必要性は、毛の状態や生活環境によっても違ってきますし、いざ実践するとなれば、見知らぬ場所や人、バリカンの使用などに愛猫が施術によるストレスを受け入れられるかという性格面への配慮も必要になってきます。
もともと猫の被毛は、暑さや寒さ、紫外線などの外部環境から体を守る役目があるため、エアコンによる温度管理や衛生面でのケアを徹底しておけば、サマーカットは必須ではないのです。
ただし、「自力で手入れができず毛玉がひどい」「蒸れや舐め壊しで皮膚炎のリスクがある」などの問題がある場合は、部分的なカットを含めて検討しましょう。
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