「議長は1000万円・副議長は500万円」 金銭授受の告発で揺れる福岡県議会 総額2000万円超… 告発された幹部「記憶にない」【news23】
議長は1000万円、副議長は500万円…。議会のポストをめぐり、金銭を渡した疑惑が持ち上がっている福岡県議会。その証拠とされる音声データが公開されましたが、現金を受け取ったとされる幹部は「よく似ているが、本当に記憶にない」と全面的に否定しています。
【画像で確認】福岡県議会をめぐる問題「高額な海外視察」「ワンヘルス事業」
元議長「人の弱みにつけこんだ“カツアゲ”」高額の金銭授受か
発端は、かつて自民党県議団に所属し、議長を務めた議員からの告発でした。
福岡県議会 吉松源昭元議長(7日)
「上司に逆らえない、人の弱みにつけこんだ“カツアゲ”、あるいは、みかじめ料的な要求だったと」
2020年から1年間、福岡県議会の議長を務めた吉松源昭議員。
吉松氏の説明によると、議長に就任するまで5回にわたり、自民党県議団の幹部少なくとも5人に約2000万円を渡したというのです。
福岡県議会 吉松源昭元議長
「自民党県議団の中で冷遇をされないためには(現金を支払う)という認識」
吉松氏によると、最初に金銭を求められたのは2018年12月。当時、自民党県議団の会長だった原口剣生議員から幹部らが参加するゴルフ代として、550万円を要求されたといいます。
福岡県議会 吉松源昭元議長
「これに応じなければ冷遇される。議長に限らず、議運の委員長などのポストもあるが、そういったものから外されるだろうなという思い」
原口氏はこれを否定しています。
議長就任に1000万円、副議長就任には500万円を支払うことが慣例になっていたと説明する吉松氏。
福岡県議会 吉松源昭元議長
「(2019年10月当時)中尾自民党県議団幹事長だったと思うが、1000万円を16日に持参するように指示され」
このときの中尾氏とされる人物との会話が残されていました。
告発された幹部「記憶にない」「事実無根」
【中尾氏とされる人物との会話(吉松氏提供)】
中尾氏とされる人物「あした松本会長が預かります」
吉松氏「そうなんですね、はい」
中尾氏とされる人物「ちょっとね、大金やけんね。管理しとかんと」
名指しされた自民党県議団幹部の中尾正幸氏は。
自民党県議団幹部 中尾正幸氏
「いやーよく似ているが、本当に記憶にないので。6年前で記憶にないので。そもそもお金を受け取ってない」
「事実無根だと私は思っております」
また、議長に就任する約2か月前には、博多の老舗料亭で原口氏や中尾氏、“県議会のドン”とも呼ばれる蔵内勇夫氏ら幹部5人と会食したという吉松氏。
このとき、食事代約50万円を負担したほか、幹部5人へのお車代などとして合わせて250万円を江藤元副議長と折半する形で手渡したといいます。
中尾氏ら3人はこれを否定。一方で蔵内氏は...
蔵内氏
「(吉松氏に)ご馳走にはなりましたよ」
また、現金を受け取ったのではなく、逆に「お祝い」として吉松氏に50万円を渡したとしています。
福岡県議会をめぐる問題は、この金銭授受の件だけではありませんでした。
金銭授受だけでなく…海外視察で高級ホテル宿泊
福岡県議会 吉松源昭元議長
「海外視察においても、ある意味“カツアゲ”だと思う。県民の税金を“カツアゲ”していると捉えることができる」
吉松氏が「税金のカツアゲ」と批判したのは、議員の「海外視察」のこと。
ハワイ視察の際、議員らが1泊10万円を超える高級ホテルに宿泊。2023年度からの3年間に計25回の海外視察が行われ、2億8500万円の公費が支出されたのです。
批判の声が上がる中、現在、議長を務める蔵内氏はこう言い切りました。
福岡県議会 議長 蔵内勇夫氏(6月)
「海外旅行は続けます。この考えは一切かわることはない」
「海外旅行ではありません。海外活動です」
取材に対し、否定的な姿勢を見せていた蔵内氏。以前、出席していた会議の会場でカメラを向けると…
福岡県議会 議長 蔵内勇夫氏(4月)
「邪魔すんなよ」
議会事務局職員
「業務妨害、業務妨害」
問題が次々出てくる福岡県議会。
福岡県議会 吉松源昭元議長
「これを正すにはやはりこの源流、大元となった我々議員から行われている“カツアゲ”をしっかり告発して正さなくちゃいけない」
次々問題が浮上する福岡県議会 来週にも聞き取り調査へ
藤森祥平キャスター:
総額2000万円以上の金銭を渡していたという吉松元議長による証言がありました。
告発された幹部らは否定していますが、江藤元副議長も現金を支払ったと明らかにしています。
小川彩佳キャスター:
福岡県議会をめぐっては、ほかにも問題が報じられています。
(1)高額な「海外視察」
2023年度~2025年度の3年間で計25回の海外視察が行われ、総額2億8500万円と高額な公費が投じられました。
しかし、報告書では視察の「具体的な内容」の記載はなく、どのように県政に活かされたのか不透明な状態です。
(2)「ワンヘルス」事業
福岡県の条例にもなっている「人と動物の健康」と「環境の健全性」を一体的に守る考えの「ワンヘルス」というものがあります。
県議会と県が多額の公費を投じて推進しているもので、この「ワンヘルス」をライフワークに掲げているのが、“県議会のドン”こと蔵内議長です。蔵内議長は世界獣医師会の会長も務めています。
蔵内議長が県に対して事業予算の確保を働きかけていたことを示す内部資料もあり、関係者の間ではワンヘルスなら「何でも予算がつく」とまで言われてきました。
小川キャスター:
議長ポストをめぐる金銭受け渡しについて、福岡県議会は早ければ来週にも全議員を対象に、外部の有識者による聞き取り調査を行うとのことです。