皇室典範改正が案衆議院で可決も…懸念の声 「とりまとめ案」から「政府案」で“立法府の総意”から逸脱?【Nスタ解説】

TBS NEWS DIG Powered by JNN
2026-07-10 19:50

皇族数確保をめぐる皇室典範の改正案が、衆議院で可決されました。
改正案は「立法府の総意」としてまとまったはずですが、野党や与党の一部から“懸念の声”もあがっています。

【写真を見る】今国会での皇室典範の改正 国民の声は?

公布日は未定 皇室典範改正案が衆議院を通過

高柳光希キャスター:
7月10日、皇族数の確保を目指す「皇室典範の改正案」が衆議院の本会議で可決されました。

今後のスケジュールとしましては、このようになります。

▼10日:衆議院を通過
▼13日の週:参議院で審議入り

TBS報道局 政治部 原田真衣 記者:
参議院では少数与党の状態が続いていて、野党第一党の立憲民主党が反対の意向を示していますが、与党のほか、国民民主党も賛成する意向を示しており、今国会で成立する公算が大きくなっています。

政府の法案では、公布から「3か月後には施行」とされていますが、実際の公布日はまだ分かっていません。

国民の理解が得られていない?今国会での改正に「どちらとも言えない」が46%

高柳キャスター:
“皇族数の確保”をめぐる皇室典範の改正案には、柱となる確保策が2つあります。

【皇族数の確保策】
(1)女性皇族が結婚後も身分を保持
(2)旧宮家の男系男子を養子に

JNN世論調査によりますと、「皇室典範を今国会で法改正をすること」について、賛成、反対よりも「どちらとも言えない」が最多を占めています。

【皇室典範 今国会での法改正】
賛成:24%
反対:27%
どちらとも言えない:46%
※7月4~5日 RDD方式 全国18歳以上/有効回答1037人

したがって、かなりスピード感を持って衆議院の通過まできましたが、「国民の理解が得られていないのではないか」という声もあがっています。

日比麻音子キャスター:
半分近くの人が答えている「どちらとも言えない」の中には、そもそも理解が進んでいない、分からない、興味を持てないといった様々な意見の人がいらっしゃると思います。

TBS報道局 政治部 原田 記者:
「男系男子」や「女性天皇」といった日常生活では馴染みの薄い専門的な用語が多く含まれる議論であるため、各社の世論調査でもこのようなデータになったのではないかと思います。

「何としても今国会で成案を」急加速の背景にあるのは…

高柳キャスター:
ここに来て一気に進んだ背景にあるのは、改正に強い意欲を見せていた自民党副総裁の麻生太郎氏の存在です。

麻生氏は、自民党で「安定的な皇位継承の確保に関する懇談会」の会長を務めており、6月18日には「何としても今国会で成案を得なければならない」といった発言もしています。

TBS報道局 政治部 原田 記者:
自民党内の麻生派には大体60人ぐらいの議員が属しており、ほぼ毎週のようにお昼の会合があります。

その場でも、4月以降、麻生副総裁が、今国会での皇室典範の改正に向けて所属議員に呼びかけていた姿が印象的でした。

現在、議長になる前まで麻生派に所属していた森英介氏が衆議院の議長を務めています。

しばらく国会が止まっていた際に、森議長は各党の代表者を集めて「皇室典範を優先してほしい」という事も含めた異例のお願いをしました。

これについて、ある党幹部は「麻生副総裁の皇室典範に寄せる強い意向を汲んだものだ」と述べています。

野党からは懸念の声 自民党内からも…

高柳キャスター:
野党からは“懸念の声”もあがっています。

立憲民主党の水岡代表は10日、「政府は勝手にとりまとめ案にはなかったものを盛り込んでおきながら…」と懸念の声を示しています。

さらに、皇室典範の改正に対する与野党の全体会議は11回開催されましたが、ある野党議員は「やった感のあるアリバイづくりに見える」という意見を漏らしているそうです。

自民党内からも、このような声が上がっています。

元経済企画庁長官の自民党・船田議員は7日、ホームページで「政府の改正案は国会の総意から逸脱したものと言わざるを得ない」と意見しています。

「立法府の総意からの逸脱」とは?

「立法府の総意から逸脱している」とはどういうことなのでしょうか。

TBS報道局 政治部 原田 記者:
例えば、旧宮家の男系男子を養子にできるという案を見ていきますと、養子の年齢について、当初立法府の総意の時点では、年齢について詳細明記はありませんでした。

しかし、法案では「対象は15歳以上」と明記されました。

これについては、日本維新の会などが「15歳以下も認めるべきではないか」といった意見をあげていました。

一番の争点は、「旧宮家の男系男子に子どもが生まれ、その子が男子であった場合、皇位継承資格がある」といった記載になったことです。

これについて、「立法府の総意にはなかったのではないか」といった意見が相次ぎました。

高柳キャスター:
13日の週には参議院で審議入りとなりますが、国民の理解が十分に得られるか、その説明がされるのかは、非常に気になるポイントです。

日比キャスター:
会期末は着々と迫ってきていますが、しっかりと熟議されるのでしょうか。会期が延長される可能性はあるのでしょうか。

TBS報道局 政治部 原田 記者:
先ほどもスピード採決という話がありましたが、実は令和4年頃から全体会議は開かれており、ある種、自民党幹部から言わせると「熟議してきたテーマである」ということだと思います。そうした中で、17日に会期が迫っており、審議を急いでいるという状況です。

延長については、総理の集中審議等々によって変わってくると思われます。

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<プロフィール>
原田真衣
TBS報道局政治部
好きな飲み物はビール
自民・幹事長番、麻生派など担当

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