筋力トレーニングが筋肉を柔らかくする可能性を解明

筋トレッチングは、静的ストレッチングと同程度に筋肉を柔らかくしつつ、筋力と筋サイズを向上させる新たな運動方法であることが研究により明らかになりました。
研究の概要
本研究は、筋肉が大きくかつ長時間伸ばされながら力を発揮する筋力トレーニング(筋トレッチング)が、従来の静的ストレッチングと同程度に筋肉を柔らかくすることを実証した初の介入研究です。これまで筋肉を柔らかくするためにはストレッチングが不可欠と考えられてきましたが、本成果は筋肉を柔らかくしながら同時に強化・増大させる効率的な運動の可能性を提示しています。
研究概要:筋肉を大きくかつ長時間伸ばしながら力を発揮する運動(筋トレッチング)と静的ストレッチングの比較
対象:健康な若年男性11名
期間:10週間(週3回実施)
評価指標:ハムストリングスの硬さ、関節可動域、最大筋力、筋体積
筋トレッチングがもたらす効果
10週間の介入の結果、筋トレッチングと静的ストレッチングのいずれにおいても、ハムストリングスのうち大腿二頭筋長頭および半膜様筋の硬さが慢性的に低下しました。関節の柔軟性も両条件で同程度に増加しています。さらに、筋トレッチングを行った脚では最大筋力が増加したほか、大腿二頭筋長頭、半腱様筋、半膜様筋の筋サイズが大きく向上しました。これに対し、静的ストレッチングでは最大筋力の増加は認められませんでした。
今後の展望
本研究の成果は、目的ごとに別々の運動を行う必要があった従来の慣習に対し、筋肉を柔らかく・強く・大きくする一石三鳥の運動方法を提案するものです。この知見は、筋肉を柔らかくするためにはストレッチングが必要であるという理解を広げ、筋力トレーニングに新たな価値を与えることが期待されます。
関連リンク
https://journals.physiology.org/doi/abs/10.1152/japplphysiol.00026.2026
まとめ
本研究により、筋トレッチングが筋肉の硬さを低減させつつ、筋力や筋量を向上させる効果的な運動であることが示されました。今後は、この時間効率の高い運動方法がスポーツやリハビリテーションの現場で活用されることが期待されます。
論文情報
掲載誌:Journal of Applied Physiology
掲載日:2026年7月9日
論文タイトル:Similar adaptation in shear moduli of the biarticular hamstring muscles after eccentric-only training and static stretching
著者:Raki Kawama, Yuki Okuda, Katsuki Takahashi, Masatoshi Nakamura, Taku Wakahara