維新が高市総理の権力基盤に…自公から連立再編“高市・吉村派”で加速した「皇室典範」「国旗損壊罪」 陰で可視化されぬリベラルの声【サンデーモーニング・風をよむ】

高市政権が誕生して、連立の枠組みが「自民・公明」から「自民・維新」に変わりました。“アクセルやブレーキ”の関係にも例えられる連立政権ですが、連立のありようが今どう変わろうとしているのか考えます。
【写真を見る】“国家観”の結束誓う自民・高市総理と維新・吉村代表
変わる連立 “国家観”の結束誓う「自民と維新」
13日に行われた「政府与党連絡会議」。高市総理を前に吉村代表は改めて、自民と維新の結束を誓いました。
日本維新の会 吉村洋文代表(13日)
「今後も高市総理、自民党の皆さんとしっかり連携させていただき...」
26年続いた「自公」に代わって、高市政権のもとで誕生した「自民・維新」の連立。
高市早苗総理(去年10月)
「国家観をともにする政党として、政策協議に対応していただき…」
日本維新の会 吉村代表(13日)
「御党と国家観、そして日本を強くしたいという思いを一にしている」
国家観を同じくする両者の連立のもと、17日、参議院本会議で、皇族数の確保に向けた「皇室典範の改正」。日本国旗を傷つけることなどを処罰する「国旗損壊罪」に関する法律が相次いで可決・成立します。
もともと、高市総理が成立に強い意欲を示していた二つの法律。
高市総理(自民党大会・4月)
「皇統に属する(旧宮家の)男系男子を皇族とする案を第一優先として」
高市総理(選挙演説・1月)
「日本国旗を損壊しても全くお沙汰無し。変じゃないですか?」
自民党内でも異論のあった、これらの法律の成立を可能にしたのが維新との連立でした。
“アクセル役”の維新は高市総理の権力基盤?
2025年10月に結ばれた連立合意書でも、その成立を目指すことが盛り込まれ、維新側も政策推進の“アクセル役”を自認していました。
日本維新の会 吉村代表(2月18日)
「自民党だけでは進みにくい改革でも、連立合意に書いてある政策、これについてしっかり維新が“アクセル役”になって進めていきたい」
かつての自公連立では、公明党が政権の“ブレーキ役”を自負していたのとは対照的。こうした自民と維新の連立の特徴について専門家は…
東京大学先端研 牧原出教授
「『維新がこう言ってるんだから党としてこうしてほしい』という首相の指示が効きやすくなる。これが高市さんにとっての大きな権力基盤。そうすると維新はやや非公式な意味で、自民党の“高市派”あるいは“高市・吉村派”のように動いているのが徐々に見えてきた」
実際、元々党内基盤の弱かった高市総理が、維新の協力を得て望んだ政策を次々と実現していきます。4月には、連立合意に基づき、政府は従来の安全保障政策を転換し、殺傷能力のある武器輸出を原則認めることを閣議決定。
自公政権時代には、こうした武器の輸出には歯止めがかけられていましたが…
日本維新の会 藤田文武共同代表(4月22日)
「自公政権だったら多分、未来永劫、成し得なかったかと思います。それは間違いない」
自維に変わって…「政党政治が個人単位で動くように」
5月にはスパイ防止法も視野に「国家情報会議」を創設する法律が成立。その一方で、維新側は、連立を組んだ自民党に配慮。
以前、維新は「企業・団体献金を禁止する法案」を野党共同で提出していました。ところが、連立を組むや、維新は他の野党と共同で提出していた法案を取り下げます。
日本維新の会 吉村代表(去年10月)
「企業団体献金の禁止はもう我々もやっているし、ただ自民党としてどこまでできるのかっていうのもあるから。ただそれ一つじゃないので僕は一番、政治改革のセンターピンは議員定数の削減だと思う」
片や、「改革のセンターピン」としてこだわったのが、「議員定数削減」と「副首都法案」でした。ところが、2月の衆院選で、自民党が圧勝すると、次第に連立は、高市一強となった自民主導の色が強まります。
結局、今国会で高市政権は、議員定数削減法案は先送りすることに。一方、高市総理肝いりの皇室典範改正を優先する形で成立させたのです。こうした維新との連立の問題点について、牧原教授は...
東京大学先端研 牧原出教授
「維新と高市さん、いわばツートップでアクセルを踏んで突進していく。日本の政党政治が組織単位でなくて、個人単位で動くようになってきた。ただ、維新と連立を組んだことによって、自民党の中で保守派でない人たちの声が可視化されなくなっている。リベラルな人の声が表だって出にくくなっている」
党内の多様な声に耳を傾けた丁寧な議論の必要性を指摘します。自民と維新の連立は、今後、日本をどんな方向に導くのでしょうか。