植物の防御反応を活性化する新たな香り成分「安息香酸メチル」を特定
2026-07-22 13:16

安息香酸メチルが、植物の防御反応を活性化する新たな空気中シグナルとして機能することが、鹿児島大学農学部の研究グループにより明らかになりました。
研究の概要
植物が病害虫の攻撃を受けた際に放出する揮発性有機化合物は、周囲の植物へ危険を伝えるシグナルとして機能します。本研究では、これまで花の香り成分として知られていた安息香酸メチル(MB)が、夕方から夜にかけて放出される新たな防御シグナルであることを突き止めました。掲載学術雑誌:Plant, Cell & Environment
掲載日:2026年7月15日
論文URL:https://doi.org/10.1111/pce.70754
安息香酸メチルが果たす役割と特徴
研究グループはトマトを用いた解析により、MBが夕方(明期開始から12〜16時間後)に活発に放出されることを確認しました。この香りを受けた植物では、免疫の中心制御因子であるNPR1を介して防御遺伝子が活性化されます。また、網羅的発現解析の結果、既存の防御シグナルであるサリチル酸メチル(MeSA)とは誘導する遺伝子群や時間変化が異なることも判明しました。持続可能な農業への応用
今回の発見は、植物間コミュニケーションの仕組みを解明する重要な成果です。将来的には、植物が本来持つ情報伝達システムを活用することで、農薬への依存を減らし、環境負荷を抑えた病害虫防除技術の開発につながることが期待されています。研究グループは現在、共通菌根菌ネットワークや葉面微生物との相互作用を含めた、より包括的なコミュニケーションの解明を進めています。まとめ
本研究は、植物が香りを利用して周囲と情報を共有する新たな分子メカニズムを明らかにし、環境にやさしい持続可能な農業技術に向けた新しい可能性を示しました。関連リンク
https://doi.org/10.1111/pce.70754https://www.kagoshima-u.ac.jp/
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