中国の人型ロボットが“ボルト超え”100m8秒64を記録…「安全保障上の脅威」熾烈な開発競争と中国のロボット技術に懸念の声【news23】

中国で開催された「世界人型ロボット運動会」。決勝大会で人類を超える驚きの記録が飛び出しました。こうしたなか、中国のロボット技術を「安全保障上の脅威」と警戒する声が急速に広がっています。
【写真で見る】中国で開催された「世界人型ロボット運動会」規格外の速さには代償が...
ウサイン・ボルトの記録を大きく更新 炎上するロボットも…
観客の視線の先には、スタートラインに立つロボットが。
中国・北京で開かれた人型ロボットの運動会。最終日、注目の「陸上100メートル決勝」が始まろうとしていました。
中国企業のロボットが出したタイムは、なんと8秒64。ウサイン・ボルトの人類最速記録である「9秒58」を大きく更新しました。
しかし、規格外の速さには代償が...
記者
「ものすごい音だ!火花が散っている!ものすごい衝撃です」
中には炎上するロボットもあり、消火活動が行われる場面がありました。そして、ほとんどのロボットが担架で運ばれ、退場していきました。
優勝した中国企業チームの担当者
「私たちにもまだ改善すべき点がたくさんあることが分かりました。これらはすべて、今後私たちが最適化や改良を進めていくべき方向性です」
観客
「ロボットは本当にすごいなと思いました。これからはさらに進化して人類に奉仕し、世界をより良くしてくれると思います」
2025年の最速タイムが22秒08ともあり、わずか1年でロボットがここまで進化しました。
実用化を急ぐ中国 洋服の仕分けやクレープ作りまで
2回目の開催となった26年の大会には2000を超えるロボットが参加。51の種目で競いました。専門家は、中国の開発力に目を見張ります。
早稲田大学理工学術院 尾形哲也 教授
「堂々とハードウェアを壊してしまっても、ちゃんと次に作り直して、失敗をすぐに反映させて新しいものにしていく。AIを使ってロボットを動かすトライアルは、中国は圧倒的だと思います」
国を挙げて人型ロボットの開発を打ち出している、習近平指導部。日常生活での実用化を急いでいます。
記者
「会場はどこもかしこもロボットだらけです。こちらのロボットは、洋服の仕分けを行っています」
「ロボットが、器用にクレープの生地を広げていきます」
中国・北京で開催されたロボットの展示会。集まった2000点の中には、こんなロボットまで。
記者
「警棒と盾を持ったロボットが不審者と対峙しています」
警備の現場でも活躍が期待されています。
“実用化”は軍事分野でも アメリカは警戒強める
26年3月に中国人民解放軍が公開した映像には、荒廃した土地を歩く犬型ロボットが。その後ろには、兵士の姿も映っていました。中国では、ロボットの実用化が軍事などの分野でも進んでいるのです。
この状況を警戒しているのが、アメリカです。
トランプ大統領(7月)
「アメリカの目標は、未来を支配すること。中国をリードし続けたい」
トランプ政権は、中国を念頭に外国製人型ロボットの輸入や販売を禁止。安全保障上の脅威になるとみています。
想定を超えるスピードで進化するロボット。今後必要になるのは、世界的な「ルール作り」だといいます。
早稲田大学理工学術院 尾形哲也 教授
「本当に役に立つ技術というのは当たり前ですけど、有益にも使えるし悪用もできる。規制という言葉を固く考えずに、技術の発展と社会の発展と両方見ながら(ルールを)柔軟に作っていくことがかなり重要になるだろうと思っています」
人型ロボットは人間の「心理に訴えかける」?
藤森祥平キャスター:
進化に驚くというか、少し胸騒ぎがします。
文筆家 伊藤亜和さん:
私の中ではまだ立つのもやっとぐらいの認識だったんですけど、「走ってる」ことにすごくびっくりしました。
私もエッセイを書いていますが、「エッセイって今後AIが発達したらどうなっていくんですかね」という質問を受けたときに、「エッセイは足で歩いていかないと書けないから、まだ全然大丈夫だと思います」と言っていたら、もう歩いてるどころか走っているので、すごく危機感を覚えました。
藤森キャスター:
特に中国での進化が目覚ましく、心配なのは軍事転用の世界です。
文筆家 伊藤亜和さん:
人型ロボットは大きいと思っていて。人の姿に似せて、軍事利用をする可能性があるということは、技術以上に人の心理に訴えることができると思うんです。そうすると、また別の問題が出てくるような気がして、ちょっと怖いなと思っています。
藤森キャスター:
「心理に訴えかける」というのは、身近なところで言うとどういうイメージですか?
文筆家 伊藤亜和さん:
人型ロボットが「助けて」と言ってきたとして、本当の人間だと勘違いして助けようとしたら、「実は…」みたいな感じで武器を持っていたら怖いなと。
藤森キャスター:
私たちがそういう反応に、全然追いつけないというか。ルールもそうですけど、心理面でも追いつかないのではないかということですね。
文筆家 伊藤亜和さん:
情がわくと思うので、ルールはすぐに作った方がいいと思います。
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<プロフィール>
伊藤亜和さん
文筆家
セネガル人の父との関係を描いたエッセイで注目
最新作は「魔女になりたい」