子猫を守るために『8週齢規制』が欠かせない理由2つ どんなメリットがあるの?理解しておくべき知識も解説

2026-09-12 12:00

低月齢の子猫のかわいさは特別なものがありますよね。しかし、その一方で、幼すぎる時期に親や兄弟から離すと、さまざまなリスクが生じるといわれています。こうしたリスクを減らし、子猫の健やかな成長を守るために設けられたのが「8週齢規制」です。今回は、その理由やメリットについて詳しく解説します。

子猫を守る 『8週齢規制』 が欠かせない2つの理由

横たわる母猫とお座りしている子猫

2021年6月1日に動物愛護管理法に基づいて生後8週齢までの猫の販売や販売目的の展示を規制する「8週齢規制」が施行されました。では、なぜこの「生後8週」という期間が、子猫を守るために欠かせないのでしょうか。その理由についてみていきましょう。

1.問題行動を起こしやすくなるから

生後2週齢〜9週齢頃までを社会化期といいます。この時期は、子猫が生きていくために必要なことを学ぶ大切な時期です。

たとえば、遊びを通して噛む力の加減を覚えたり、ほかの猫との適切な距離感を覚えたり、まわりの環境に慣れたりします。しかし、親や兄弟から早くに引き離されると、こうした学びが十分に得られず、噛みつきや過度な怖がりなど、問題行動につながることが指摘されています。

また、社会性が身についていない猫は、人間やほかの動物とのコミュニケーションにも問題が生じて、一緒に暮らしていくことが困難になる場合もあるでしょう。

そうしたことが起こらないようにするためにも、8週齢規制は重要な役割を持っているのです。

2.十分な栄養と免疫力を得るため

生後8週齢を迎える前の子猫は、栄養面でも免疫面でもまだ発達の途中です。離乳は生後3〜4週齢頃から始まり、8週齢頃までかけて少しずつ進んでいきます。

そのため、それより前に母猫から引き離されると、まだ固形の食事だけでは十分な栄養をとれない段階で、母乳という大切な栄養源を失うことになりかねません。

また、子猫は母猫の初乳から免疫に関わる成分を受け取りますが、母乳にはその後も免疫を支える成分が含まれています。早い時期に母猫と離れることは、これらの母乳からのサポートを途中で失うことになるのです。

さらに、母猫や兄弟と早く離れること自体がストレスとなり、体調を崩しやすくなる一因になるともいわれています。子猫にとって、生後8週頃までの母猫や兄弟と過ごす時間は、栄養や免疫だけでなく、心身の成長にも関わる大切な時期といえるでしょう。

『8週齢規制』 の知っておきたい知識とメリット

じゃれ合っている2匹の子猫

8週齢規制という言葉は知っていても、その中身まで正しく理解している人は意外と少ないかもしれません。ここでは、飼い主として知っておきたい基礎知識を確認していきます。

そもそも8週齢規制とは

8週齢規制とは、生後56日を過ぎていない犬や猫の販売、販売を目的とした展示を禁止する法律です。2019年の動物愛護管理法の改正で定められ、2021年6月1日から施行されました。それまでは、7週齢(生後49日)を過ぎれば販売できる猶予規定が設けられていました。

ただし、規制の対象となるのは、ペットショップやブリーダーなどの第一種動物取扱業者のみです。個人や動物愛護団体による譲渡には適用されません。そのため「8週齢になるまで、すべての子猫を母猫から離してはいけない」という規制ではない点には注意が必要です。

子猫の心身の発達を守れる

8週齢規制の大きなメリットは、子猫が心身ともに十分に成長するための時間を確保できることです。幼い時期に親や兄弟から離されると、体の成長だけでなく、猫としての行動や社会性を身につける機会も減ってしまいます。

子猫にとって、母猫や兄弟と過ごす時間は、社会性やほかの猫とのかかわり方を学ぶだけでなく、安心できる環境でさまざまな経験を積む時期でもあるのです。また、8週齢まで母親と過ごした猫は、精神的にも安定しやすく適切な自立が促されます。

その結果、問題行動を起こしにくく、人間にとって育てやすい猫になるといわれています。

生まれた日は自己申告制という問題点

8週齢規制には、運用上の課題も残されています。子猫の生年月日は繁殖業者やブリーダーによる自己申告が基本です。そのため、改ざんも容易で、行政が実際の生年月日を確認するのは難しいといわざるをえません。

過去には、ペットオークションやブリーダーで取引された犬猫の、生年月日が改ざんされている疑いがあるとして全国規模の調査が行われました。少しでも小さいうちに販売したほうが高く売れるということから、実際より早い生年月日を申告するケースが問題になったのでした。

まとめ

かごで眠る4匹の子猫たち

大人の猫もかわいいのですが、見た目のかわいらしさは、どうしても子猫には敵いません。しかも、低月齢の子猫ほど可愛らしく感じるものです。

しかし、早くお迎えすれば良いというものではありません。なにごとにも、適齢期があるのです。今回紹介した8週齢規制は、そのためにできた基準といえます。

子猫を迎えるときには、目の前のかわいらしさだけでなく、可能であればこれまでどのような環境で成長してきたのか、いつ母親や兄弟と離れたのかも確認しておくと安心でしょう。

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